大王製紙は4月2日、風邪と花粉症の違いについての調査結果を発表した。調査は2025年12月19日~2026年1月7日、20~90代1,881名を対象にインターネットで行われた。併せて、小児科医・内科医・アレルギー科医の武井智昭医師監修のもと、風邪と花粉症の決定的な違いや見分け方のポイント、症状によるセルフチェックの方法などについても解説している。
風邪なのか花粉症なのか判断に迷うことも
風邪か花粉症かわからず困ったことがあるかどうか聞いたところ、「はい」と答えた人が62.4%となった。6割以上が、症状だけでは風邪か花粉症か判断できず、困った経験があるようだ。
次に「はい」と答えた人に、風邪か花粉症か迷った際にどのような対応をしたのか聞いた。
「医療機関を受診した」と答えた人が一番多く、31.4%という結果になった。そのほかにも「市販の鼻炎薬やアレルギー薬を飲んで様子を見た」「市販の風邪薬を飲んで様子を見た」などにも多くの回答が集まった。また「その他」と答えた人からは、下記のような回答があった。
- 「まずはマスクを着用してポケットティシューを常備」
- 「薬局で症状を伝えて薬を買った」
- 「情報を集めて、自分がどの症状なのか確認する」
- 「発熱の有無を参考にした」
- 「職場の同僚にも症状が出ているか聞いてみた」
- 「大抵の場合は花粉症なので、処方されているアレルギー薬を飲んだ」
- 「喉の痛みや咳、鼻水の色、または目のかゆみがあるかどうかで判断した」
風邪か花粉症かわからない…違いや見分け方は?
風邪も花粉症も、鼻水・鼻づまり・くしゃみといった「上気道の炎症」による症状が中心のため、区別がつきにくいもの。しかし、発症のメカニズムや症状の経過を見ていくと、いくつかの明確な違いがある。
風邪と花粉症の違い
風邪と花粉症の最も大きな違いは原因と期間にある。風邪は、ウイルスが体内に侵入することで起こる急性の感染症。引き始めから数日で症状のピークを迎え、通常は1週間から10日程度で自然に治癒する。
一方、花粉症は植物の花粉を異物とみなして排除しようとする「免疫反応(アレルギー反応)」。そのため、原因となる花粉が飛散しているあいだ(数週間~数ヵ月)は症状が長く続くのが特徴だ。
鼻水の状態にも違いが見られる。風邪の鼻水は引き始めに透明でサラサラしていても、次第に黄色や緑色っぽく粘り気が出てくる場合があるのに対し、花粉症の鼻水は水のように透明でサラサラした状態が続く傾向にある。
花粉症の仕組みと症状
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、鼻や目の粘膜に花粉が付着した際、体がそれを追い出そうとして「ヒスタミン」などの化学物質を放出することで発症する。この仕組みにより、風邪にはあまり見られない「目のかゆみ・充血・涙目・くしゃみ」といった症状が強く出ることが特徴だ。また、「朝起きた瞬間から多量の鼻水やひどいくしゃみが出る(モーニングアタック)」「外出後に鼻水が止まらなくなる」といった、特定の時間帯や行動に伴う症状の悪化は花粉症特有のサインといえる。
症状別セルフチェック
主な症状が重なりやすい風邪・花粉症・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症について、下記の表を参考にセルフチェックできる。
自分の症状をチェックする方法
現在の自分の状態を確認する際に、最初に発熱の確認をすると、原因を特定しやすくなる。花粉症で高熱が出ることはほとんどない。38℃以上の高熱があり、強い悪寒や筋肉痛、激しい倦怠感を伴う場合は、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の可能性が高いといえる。
次に、鼻水の色と症状が続いている期間を確認できる。鼻水が数日続き、色も黄色くドロドロしてきたら風邪、1~2週間以上ずっと透明でサラサラした水のような状態が続くなら花粉症の疑いがある。
そのほかにも、目や喉の奥のかゆみ、耳の奥までムズムズするといった症状は、アレルギー反応である花粉症特有のもの。まずは自分の症状をチェックし、考えられる原因に合った対処をすることが重要となる。
複数の病気に同時にかかることはある?
花粉症か風邪のどちらかにしかならない、ということはなく、複数の病気に同時にかかるケースもある。例えば、花粉症で鼻の粘膜が荒れているところにウイルスが侵入し、風邪を併発してしまうような場合。鼻水やくしゃみは花粉症の症状だとしても、急に強い倦怠感や高熱が出てきた場合は、ほかの病気の併発を疑う必要がある。複数の症状が重なると、自己判断では回復がより難しくなるため、無理をせず医療機関を受診することが推奨される。
風邪と花粉症についてそれぞれの対処の工夫
風邪と花粉症は原因が異なるため、それぞれに応じた予防や対策を実践することが大切。日常生活で取り入れやすい具体的な方法を紹介する。
風邪の予防・対策
風邪はウイルス感染によって引き起こされる。ウイルスを「体内に入れない」「免疫力を維持する」ことが基本となる。まずは外出から帰ってきたら、石鹸で丁寧に手を洗い、うがいをすることが推奨される。空気が乾燥すると喉や鼻の粘膜の働きが低下する。加湿器などを活用し、室内を適切な湿度(40%以上)に保つことが望ましい。そのほかにも、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心掛け、ウイルスに負けない免疫力を維持することや、鼻水が出た際には炎症を悪化させないよう、すすらずにこまめにかむことが大切とされている。
花粉症の予防・対策
花粉症対策の一番重要な点は、アレルゲンである花粉を避けること。特に、花粉の飛散量が多い日はなるべく外出を控え、部屋の窓の開閉も最小限にすることが望ましい。外出時はマスク、メガネ、帽子を着用し、目や鼻の粘膜に花粉が付着するのを防ぐことも効果的とされる。外から帰った際は、家に入る前に衣類や髪についた花粉を手でよく払い落とすことが推奨される。
また、風邪のときと同様、鼻水は放置せず優しくかむことが重要となる。頻繁に鼻をかむことで鼻まわりが荒れやすくなるため、肌にやさしいティシューを選ぶといった工夫ができる。
症状がつらい場合は早めに病院の受診を
セルフチェックを行っても判断に迷う場合や、症状が重くて日常生活に支障が出るような場合は、無理をせず早めの医療機関の受診が推奨される。受診する際は「いつから」「どんな症状が」「どの程度続いているか」を医師に伝えられるようにしておくと、より正確な診断につながる。
風邪であれば、症状をやわらげる薬の処方とともに、十分な栄養や睡眠など安静が指示されることがある。花粉症の場合は抗アレルギー薬による治療のほか、根本的な体質改善を目指す免疫療法などが提案されることもある。風邪と花粉症では治療法が異なるため、症状がつらい場合は自己判断で対処を続けるよりも、医師の診断を早めに受けることが重要とのこと。




