「給食風メニューが食べられる」カフェや居酒屋はありますが、大人がリアルに提供されている給食と全く同じものが食べられるところはあまりないと思います。東京都町田市にある2か所の給食センターに併設されたカフェでは、その日に市内の中学校で提供されている給食を食べることができます。給食ってどんなだったっけ? 実際に食べに行ってみました。

  • 本物の「学校給食」を食べてきた

    本物の「学校給食」を食べてきた

給食センター併設のカフェで「リアル給食」を食べられる

町田市では2025年に3か所の給食センターを開所、これまでの弁当持参とランチボックス形式の併用から、市立中学校の全生徒の給食費が完全無償化されました。

筆者が給食を食べたのは小学校が最後……いったいどんなメニューだったかもはや記憶にありません。そんな大人や、「子どもがどんな給食を食べているか気になる」保護者の方も、同じ給食を食べることができる場所があります。

3か所ある給食センターのうち町田忠生小山エリア中学校給食センターと町田南エリア中学校給食センターにはカフェが併設されており、その日に市内の中学校で提供されている給食と同じものを680円で食べることができるのだそう。実際に行ってみることにしました!

訪れたのは、町田駅からバスで20分ほどの「町田忠生小山エリア中学校給食センター」。総戸数が3,920戸もあるマンモス団地「山崎団地」の中にあります。山崎団地といえば、俳優の竹内涼真さんが生まれ育った団地としても知られています。

  • 山崎団地

    山崎団地

町田忠生小山エリア中学校給食センターの入口には、「Today’s school lunch ¥680」と書かれたポスターが掲示されていました。オシャレなカフェ感があります。

  • 町田忠生小山エリア中学校給食センターに併設されたカフェ「loop_nanakuniyama」

    町田忠生小山エリア中学校給食センターに併設されたカフェ「loop_nanakuniyama」

  • 「町田忠生小山エリア中学校給食センター」入口には給食を提供している旨記載されたポスターが

    「町田忠生小山エリア中学校給食センター」入口には給食を提供している旨記載されたポスターが

予約不要で誰でも利用でき、中に入るとベビーカー連れやママ友グループの方々が数組。静かで落ち着いた雰囲気でした。

  • インテリアもオシャレ

    インテリアもオシャレ

  • テーブル席もソファー席もあって、ゆったりと過ごせる雰囲気

    テーブル席もソファー席もあって、ゆったりと過ごせる雰囲気

一瞬「足りなくない?」と思ったけれど

「loop_nanakuniyama」では学校給食以外にも、お子様ランチやパスタ、カレーなどを食べることができます。「町田市独逸屋のベーコンとジェノベーゼパスタ/カルボナーラパスタ」や「町田産はちみつのチャイラテ」などご当地感のあるメニューも魅力的です。給食は平日25食ずつの限定ということで、事前予約も可能です。

  • 給食を食べに来たのに、給食以外のメニューにも惹かれてしまう

    給食を食べに来たのに、給食以外のメニューにも惹かれてしまう

レジで注文、お金を払うとすぐに提供されました! この日の献立は「キーマダルカレー/大根のツナサラダ/柑橘(しらぬい)」です。中学校で提供される際はこれに発酵乳がつくようです(普段は牛乳)。

  • 本物の「学校給食」を食べてきた

    この日の献立は「キーマダルカレー/大根のツナサラダ/柑橘(しらぬい)」

正直……第一印象は「少なくない?」と思いました。アラフォーの筆者にはちょうど良い量だと思うけれど、部活をしている中学生は足りないのではないか……と。以前「唐揚げ1個の給食」が話題になったこともありましたが、やはり少ないのかなぁと少し心配に。

  • 「大根のツナサラダ」はスプーン3すくい分くらいの量

    「大根のツナサラダ」はスプーン3すくい分くらいの量

しかし、食べているうちに気づきました。給食という特性上、盛り付けが"映え"ていないだけで実は栄養面や満足度ではかなり考えられているということに。たとえば「大根のツナサラダ」は大根とツナ以外にも、セロリとコーンが使用されています。飲食店なら下にレタスを敷いたりミニトマトを添えたりと見栄えにこだわるかもしれませんが、生徒たちが自ら配膳する給食ではそれが難しいのです。だからまんべんなく具材を入れている……結果少なく見えてしまうのは仕方ないことなのでしょう。

  • 実は具材がたくさん使われている

    実は具材がたくさん使われている

この日のメインの「キーマダルカレー」。ダル(豆)とキーマ(ひき肉)を組み合わせたカレーです。

  • 「キーマダルカレー」

    「キーマダルカレー」

こちらもよく見ると、コーン・トマト・ひよこ豆・鶏ひき肉が使用されており、食べ応えがありました。スパイスの辛さはあまり感じず、さっぱりしていて後味に優しい旨味を感じます。

  •  コーン・トマト・ひよこ豆・鶏ひき肉が使用されていて、見た目よりも満足感あり

    コーン・トマト・ひよこ豆・鶏ひき肉が使用されていて、見た目よりも満足感あり

柑橘は器に対して少なく見えますが、限られた器で提供せざるを得ないこれも学校給食ならではなのでしょう。見栄えでお客を誘引する必要のある飲食店とは異なり、無償で全生徒に提供するための工夫ともいえます。

  • 限られた器で提供すると少なく見えるのは仕方ないのかも

    限られた器で提供すると少なく見えるのは仕方ないのかも

献立表をもらうことができたのですが、驚いたのは栄養価。この日のカロリーは751kcalと十分、さらにたんぱく質は22.3gもありました。そしてカレーというメニューでありながら塩分は2.4!! 食べている時は「味が薄い」とは感じなかったので、ちゃんと美味しいのに塩分量をここまで抑えるのは至難の業だと思います。栄養士さんや給食を作っている方のプロ意識を感じました。

  • 他の日の献立を見ているのも楽しい

    他の日の献立を見ているのも楽しい

そして3月の他の日の献立を見てみると、「ひなまつり」や「ホワイトデー」などイベントに合わせたメニューがあったり、昭和世代から永遠に人気の「揚げパン」があったり、「ヤンニョムポテト」など国際色豊かなメニューなどバラエティ豊富! ホームページの記載によると、予算は1食あたり390円、さらに平均725kcal、たんぱく質17g以上にしているというから神業すぎます。

ちなみに揚げパンが提供される日の「loop_nanakuniyama」で提供される25食は1週間前の時点で予約がいっぱいになっていました。給食以外で食べる機会がない揚げパンはやっぱり人気のようです。

久しぶりに給食を食べると不思議なもので、小中学生の頃の気持ちを思い出してしまいました。さらに当たり前のように食べていたけれど、栄養もコストパフォーマンスもものすごく考えられていたんだなと今更ながら感謝の気持ちも沸きました。立派な大人になれたのは給食のおかげでもあるはず。たまには感謝の気持ちを思い出し、さらに童心にかえるべく、また給食を食べに行きたいと思います。