AIが最速で“正解”を出す時代に、あえて足を使い、悩み、汗をかいて答えを探す――そんな“人間の強さ”を真正面から描く、MBS・TBS系バラエティ特番『大変だけど…AIよりちゃんと調べてみた タイパ対timelesz』が、15日(15:00~)に放送される。
『プレバト!!』などを手がける演出・プロデューサーの水野雅之氏が目指したのは、AIのすごさを見せることではなく、“AIが出した「正解」を人間が超えられるのか”という真剣勝負。その挑戦を今最も勢いのあるグループ・timeleszに託した理由には、彼らのひたむきな魅力と、AI時代にこそテレビの価値を見つめ直したいという思いがあった――。
プライベートの台湾旅行から発想
今最も勢いのあるグループ・timelesz。各局から引っ張りだこの状況だが、今回の番組は彼らのキャスティングありきで企画がスタートしたものではなかった。
「僕がずっと大事にしていることの一つに、“頑張っている時間の総量が多い番組は強い”という考えがあるんです。数字を取るかどうかは別として、出演者だけじゃなく、スタッフも含めて、そういう番組は強い。それと今の地上波の存在意義は、自分で調べたり手を動かしたりするのが面倒なことを、ちゃんと足を使って、労力をかけて、信頼できる形で作り、それを視聴者に短時間で見せることにあると思っているんです。ネットメディアや配信と差別化するには、そこしかないんじゃないかと」
そんなことを常に考えていた中で、昨年の夏、台湾を旅行した水野氏。仕事の海外ロケならコーディネーターがいるが、プライベートでは自分で調べなければならない。そこでAIを使い、「今いる場所から徒歩10分以内で楽しめる場所」「この年齢層向き」など条件を入れると、瞬時に提案が返ってきた。
しかも、タクシーで行く場合には運転手に見せるための現地表記まで即座に表示してくれる。旅行雑誌や既存情報をベースにしていても、「今ここにいる自分」に最適化されて提示されることに、従来の検索からの劇的な変化を感じたという。
ここから、「例えば、鎌倉日帰り旅のプランを、AIと人間で三本勝負ができるのではないか…」と発想。生成AIの急速な普及に伴い、これを活用した番組が各局で次々に制作されている中、今回目指したのは、単純にAIのすごさを見せることではなかった。
「AIが出してくれるものは論理的で説得力もあるから“正解”だと思いがちですよね。でも、それはあくまで“かぎかっこ付きの正解”なんです。だったら、その“正解”を人間が超えられるのか。そのほうが番組として見やすいし、感情移入がしやすいと思いました」
timeleszの起用で感じた「企画が跳ねる」兆候
瞬時に答えを出すAIに対し、時間と労力をかける“反タイパ”に体当たりで打ち込んでくれるキャスティングとして、「ホントにピッタリだと思います」と決まったのがtimeleszだ。
彼らの名前が出たことで、“言葉”もつながった。
「最初は『AI vs人間』という企画でMCが菊池さん、というところから考え始めていたんです。そこからtimeleszがAIと対決する『AI vs timelesz』になって、言いやすいタイトルは何だろうと考えていたら、『タイパvsタイムレス』みたいなタイトルに行き着いて、さらに真ん中を漢字の“対”にしたら、『タイ・タイ・タイ』って3つ並ぶなって思って。“あ、つながった”と」
番組のハッシュタグも「#タイタイタイ」に。この“つながる”感覚は、水野氏にとって企画が跳ねる時の一つの兆候だという。
timeleszの先輩メンバーは、前身グループ時代から、たびたび水野氏の番組に出演しており、「彼らの頑張りにはいつも助けてもらっています」という。
「松島(聡)さんは『プレバト!!』の丸太アートや、特番ではボウリングのパーフェクトに挑んでもらったりしました。(佐藤)勝利さんもコントライブが毎回すごく面白くて、活躍の幅に驚かされています」という中で、実は先輩メンバーのうち、これまで最も接点が少なかったのが、MCの菊池だった。
水野氏が菊池に抱いていた第一印象は、「コメントが残る人」。2015年『プレバト!!』に出演した時、「ポンと出た言葉のキレが良くて、編集してもちゃんと残る人だなと思いました」と、天性のパフォーマンス効率を振り返る。その上で、今回の番組で打ち合わせと収録を経て改めて感じたのは、視野の広さと回転の速さ、そしてテンポの良さだった。
「スタジオ収録では回しが本当に鮮やかでした。内容はかなり盛りだくさんな中、撮れ高もバッチリなのに収録時間はちょっと巻きました。正直、感動しました」

