AZWAYは3月11日、お財布事情に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2026年1月6日~1月12日、10代~70代以上の男女300人を対象にインターネットで行われた。
店頭キャッシュレス決済は月5回以上が7割
直近1か月の店頭でのキャッシュレス決済回数は、月5回以上の利用が70.0%(210人)と多数派だった。
月5回以上が7割を占める結果は、キャッシュレス決済が日常の一部として定着している様子を示している。特に月11回以上(週3回程度)が42.3%に達しており、コンビニやスーパーなど日常的な買い物でキャッシュレスを選ぶ習慣が広がっていることがうかがえる。一方で、まったく使わない層も9.0%存在し、キャッシュレス化には個人差があることも分かる。
完全キャッシュレスは少数
支払い金額に占めるキャッシュレス割合を見ると、70%以上が55.0%(165人)と過半数に達した。一方で100%は6.0%(18人)にとどまり、支払いをすべてキャッシュレスにしている人は少数派だった。
70%以上が過半数を占める一方で、100%は6.0%にとどまる結果からは、キャッシュレスが生活の中心になりつつも、完全移行には至っていない実態がうかがえる。
補足として、キャッシュレス割合が100%の18人のうち、現金をまったく持ち歩かない人は22.2%(4人)にとどまった。支払いはすべてキャッシュレスでも、非常時や万一に備えて現金を携帯する人が一定数いることが分かる。
キャッシュレス化が進んでも現金は一定額携帯
持ち歩く現金額について尋ねたところ、1万円以上を持ち歩いている人は57.7%(173人)と半数を超える結果となった。一方で、現金をまったく持ち歩かない人は2.0%(6人)にとどまった。
1万円以上(10,000円以上)を持ち歩く人は、「10,000〜19,999円」と「20,000円以上」を合わせた57.7%(173人)となり、キャッシュレス利用が進む中でも、現金を一定額携帯する人が多い実態が明らかになった。
キャッシュレス割合が70%以上の人が過半数を占める結果とあわせて見ると、日常の支払いはキャッシュレス中心でありながら、不測の事態に備えて現金も併用する行動が一般的であることが分かる。
通信障害や店舗の未対応、スマートフォンの電池切れといったリスクを想定し、「使うのはキャッシュレス、備えるのは現金」という二段構えの支払いスタイルが定着している様子がうかがえる。
利用したキャッシュレス手段
直近1か月で利用したキャッシュレス手段(複数回答)は、クレジットカードが最多だった。
クレジットカードが8割近くを占める結果は、長年の信頼性と利便性の高さを示している。一方で、QRコード決済が6割超、交通系ICが5割超と続く点は、近年のキャッシュレス多様化を反映している。
興味深いのは、多くの人が複数の手段を併用している点。クレジットカードは高額な支払いや通販で、QRコード決済はポイント還元が高い店舗で、交通系ICは少額決済で――こうした使い分けが一般的になっている様子がうかがえる。
キャッシュレスを使う理由
キャッシュレスを使う理由(複数回答)では、ポイント・還元があるが77.0%(231人)で最多だった。
ポイント・還元が8割近くを占める結果は、キャッシュレス普及の最大の原動力が経済的メリットであることを明確に示している。同じ金額を払うなら、ポイントが貯まる方がお得――この実利が、キャッシュレス化を後押ししている。
2位以下を見ると、支払いが早い、現金を持ち歩きたくない、家計簿・明細で管理しやすいなど、利便性に関する項目が5割超で続く。経済的メリットと時間的メリットの両方が、キャッシュレスを選ぶ理由になっている構図だ。
その他を選択した中には、「ちょっとコンビニに行く際など、スマホだけ持っていけばよくて楽」「子どもと手を繋いで買い物をしているときに片手で決済ができるから」「バッグの中がすっきりして、無駄買いが減ります「現金では起きないポイント還元、ポイ活の仕組みが大きいと思います」といった声がみられた。
こうした声から、キャッシュレスが単なる支払い手段ではなく、生活スタイルそのものを変える要素として機能している様子がうかがえる。
キャッシュレスで困った経験
キャッシュレス決済で困った経験を聞いたところ(複数回答)、「お店が対応していなかった」が50.3%(151人)で最多となった。次いで、通信環境や端末の状態など、インフラ・機器に起因するトラブルが上位に挙がった。
店が未対応が過半数を占める結果は、キャッシュレスの最大の課題が店舗側の対応状況にあることを示している。いくら利用者がキャッシュレスを使いたくても、店が対応していなければ意味がない――この物理的な制約が、完全キャッシュレス化への最大の障壁になっている。
2位と3位の通信障害とスマホの電池切れも、合わせて約6割の人が経験している深刻な問題である。キャッシュレスはインフラに依存するため、通信環境やデバイスの状態に左右される脆弱性がある。この不安定さが、結果3で見た現金を持ち歩く理由の1つになっていると考えられる。
その他では、「画面がすぐに出なかった」「磁気が反応しなかったとき」「レジの端末になかなか認識されなかった」「カードの暗証番号を忘れた」「カード会社から不正利用を疑われ、説明が大変面倒だった」といった具体例が挙がった。これらの声は、キャッシュレスの便利さの裏にある小さなストレスの積み重ねを物語っている。
社会の完全キャッシュレス化は賛成
社会全体が完全キャッシュレスになることへの意向は、大賛成・賛成・条件付きで賛成の合計が63.3%(190人)となった。
賛成派が6割超を占める一方で、反対派も4割近くいる――この分断が、完全キャッシュレス化の難しさを物語っている。
賛成派の中でも、無条件で賛成は4割弱(38.7%)にとどまり、条件付きで賛成が24.7%を占める点に注目できる。つまり、賛成派の多くも何らかの懸念を抱えながらの支持であることが分かる。
上記選択を選んだ理由を聞いた自由記述では、賛成側には手間が減る、管理しやすい、防犯面で安心などの声がある一方、反対側には災害・停電・通信障害時のリスク、スマホの故障や電池切れ、高齢者など使いづらい層への配慮、店舗側の手数料負担などの懸念が多く見られた。便利さと同時に非常時の脆弱性や誰でも使える環境が課題として意識されていることがうかがえる。






