異動や転職、入社などで新しい職場に入ると、「早く成果を出さなければ」と焦ってしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、新天地で活躍するためには、いきなり動き出す前に意識しておきたいポイントがあります。

今回は、P&G、日本マクドナルド、ヘンケルなど8社を渡り歩いて活躍し、現在はファミリーマートのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)などを務める足立光氏の著書『即戦力! 転職、転勤、出向、異動するときに読む本』(ダイヤモンド社)より、異動・入社したてのときに意識するとよいことについてお届けします。

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新天地で「できていない」ことを見定める

転職や異動で新しく来た人に、会社や職場が「期待」しているとすれば、それはその会社や職場で「できていない」ことをしてくれることではないでしょうか。そこをしっかり見極めることができれば、「あの人がいて助かった」「あの人がいればなんとかなる」というイメージを作り出すことができます。

実際、ファミリーマートで私が強く意識したのは「ちゃんと決める人」ということでした。入社前に社内の会議に参加させてもらったり、取引先や関係者に話を聞いたりした過程でわかったことがありました。それは、意思決定がなかなか行われないことに加え、誰が意思決定したのか、とても不明確ということでした。

いろいろ調べていく中で、その理由の一つが、意思決定の関係者が多岐にわたり、一つの部門ではなかなか決められないことだとわかりました。だから、自分で決定できる立場で入社することにこだわりました。広告やコミュニケーションに関することは、私が最終決定者になる、という前提で入社したのです。

実際、上長である社長にいちいち答申しなくていいから、いろんなものがどんどん決まるのです。意思決定がどんどん速くなった、と後に部下に言われました。

それまでは、営業部に行き、商品部に行き、法務部に行き、というプロセスが求められていましたが、関係者みんなが集まる会議をつくり、そこでみんなで一緒に話すことに変えました。意思決定の時間は一気に短縮されました。

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速く「決める」ために変えたのが、会議の廃止です。会議を設定すると2、3週間後になってしまうこともあります。提案がもうあるのであれば、メールですぐに共有してほしいと伝えました。それにどんどん返事をしていくと、会議を待たずにいろんなことがどんどん決まっていくようになりました。

どんどんメールで提案してもらって、メールで返信する。これは社内では新しいことだったようです。すべて顔を合わせて会議で決めることが、基本になっていたからです。ただ、海外との仕事も多かった私には、メールでやり取りして決めていくのは、きわめて普通のことでした。


異動や採用には、「この人なら何かを変えてくれるはず」という期待が込められていることが多いです。周囲をよく観察し、その期待が何なのかを見極め、自分の役割を見つけていくことが、新しい環境で活躍するためのヒントになるのかもしれません。

『即戦力! 転職、転勤、出向、異動するときに読む本』(ダイヤモンド社)

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著者:足立光
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