WOZは3月4日、「生成AIが投資判断・情報収集に与える影響」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年12月12日~12月15日、現在何らかの投資を行っている20~60代の男女1,002人を対象にインターネットで行われた。
生成AIでどのような情報を収集している?
「投資に関する情報収集の手段として、生成AI(ChatGPTなど)を使ったことがあるか」尋ねたところ、約4割が「よく使っている(21.7%)」「ときどき使っている(21.2%)」と回答した。投資を行っている人の間でも生成AIの導入が進んでおり、約4割が情報収集手段の1つとして取り入れていることがわかる。
一方で、約6割は「使ったことはない」と回答しており、投資スタイルやITリテラシーによって活用状況が二極化している様子がうかがえる。
「投資に関する情報収集に使ったことがある生成AIはどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、「ChatGPT(74.2%)」と回答した人が最も多く、「Gemini(47.9%)」「Claude(13.7%)」となった。圧倒的な知名度を持つ「ChatGPT」が約7割となり、投資情報収集においても標準的なツールとなっているようだ。また、Googleが提供する「Gemini」も約半数に利用されており、検索エンジンとの連携や最新情報の取得しやすさが評価されている可能性が見られる。
では、実際に生成AIを使ってどのような情報を収集しているのか。
「生成AIを使ってどのような投資に関する情報を収集したか」と尋ねたところ、「市場の動向や業界トレンド(49.1%)」と回答した人が最も多く、「投資用語や基礎知識(46.1%)」「銘柄の選定(33.5%)」となった。
具体的な売買のタイミングを計るというよりは、マクロな視点での市場分析や、不明な用語の解説といった「リサーチの効率化」にAIが活用されていることが読み取れる。トレンド把握や学習ツールとしての需要が高いといえる。
生成AIの活用で投資判断の精度が上がったか
生成AI(ChatGPTなど)を「よく使っている」「ときどき使っている」と回答した人に、「生成AIをどれくらいの頻度で投資に活用しているか」尋ねた。
生成AIを活用している人の約7割が「週に1回以上」利用しており、日々の相場チェックやニュースの深掘りなど、日常的な投資ルーティンの中にAIが組み込まれていることがわかった。頻繁に利用されているとはいえ、投資の世界で重要なのは「正しい判断ができるか」の一点に尽きる。
そこで、「生成AIの活用によって、投資判断の精度が上がったと実感しているか」と尋ねたところ、約7割が「とても実感している(26.1%)」「ある程度実感している(47.4%)」と回答した。
生成AIを活用している人の多くが効果を実感しており、生成AIによる多角的な分析や情報整理が、実際の投資判断においてプラスの影響を与えていることがうかがえる。情報の網羅性が高まることで、自信を持って判断できる場面が増えていると考えられる。
生成AIを使う理由、使わない理由
生成AI(ChatGPTなど)を「よく使っている」「ときどき使っている」と回答した人に、「投資に関する情報収集に生成AIを使っている理由」について尋ねたところ、「情報収集の時間を短縮できる(42.3%)」と回答した人が最も多く、「投資に関する情報を手軽に入手できる(41.4%)」「複数の意見や視点を比較できる(32.3%)」となった。
膨大なニュースやレポートを要約し、短時間でポイントを把握できる「コストパフォーマンス」の高さが最大の魅力となっているようだ。また、1つの事象に対して多角的な視点を提供してくれる点も、大きなメリットとなっていることがわかった。
一方、「報収集に生成AIを使っていない理由」について尋ねたところ、「情報の正確性に不安がある(35.7%)」と回答した人が最も多く、「使い方がよくわからない(33.2%)」「必要性を感じていない(30.8%)」となった。
生成AIが事実と異なる内容をもっともらしく回答する「ハルシネーション」への警戒感が、利用をためらう最大の要因となっているようだ。また、約3割が「使い方がわからない」と回答していることから、ツールの導入方法や具体的な活用イメージを持てていない人も多いようだ。心理的な不安と技術的なハードルの双方が、投資家のAI活用を阻む大きな要因となっているといえる。
信頼している情報源は?
新しい技術である生成AIへの警戒感が根強い中で、既存のメディアや専門家の情報はどの程度信頼されているのか。
「投資判断をする際、信頼している情報源」について尋ねたところ、「証券会社・金融機関のレポート(42.6%)」と回答した人が最も多く、「ニュースメディア(新聞・ネットニュース)(42.0%)」「金融系のコラムサイト(24.8%)」となった。
生成AIの活用者は増えているものの、「信頼できる情報源」としての地位はまだ確立されていない現状が浮き彫りになった。多くの投資家にとって、生成AIはあくまで情報の整理や補助的なツールであり、最終的な判断の拠り所としては、専門家による一次情報や伝統的なメディアが依然として重視されていることがわかる。
では、投資に関する情報の「どのような要素」を最も重視しているのか。
「投資に関する情報収集の際に重視しているポイント」について尋ねたところ、「情報の正確性・信頼性(49.7%)」と回答した人が最も多く、「わかりやすさ(35.8%)」「リアルタイム性(27.9%)」となった。資産に関わる判断である以上、「情報の正確性・信頼性」が最優先されるのは当然の結果といえる。
また、「リアルタイム性」よりも「わかりやすさ」も上位になり、専門用語が多く複雑な金融情報を、いかに咀嚼して正しく理解するかという点に、多くの人が課題や重要性を感じていることが如実にあらわれている。
最後に、「今後、生成AIは投資判断においてどのような役割を果たすと考えているか」と尋ねたところ、「補助的なツールとして活用されていく(42.5%)」と回答した人が最も多く、「一部の分野ではプロを超える可能性がある(22.7%)」「精度が向上すれば投資家にとって不可欠な存在になる(22.4%)」となった。
現時点で、生成AIはあくまで人間の判断を補完する「サポーター」としての位置づけが一般的だが、その潜在能力に対する評価は決して低くない。約半数が、将来的な「プロ超え」や「不可欠化」を予見していることから、今後は生成AIの分析力と人間の経験則を組み合わせたハイブリッドな投資スタイルが、資産形成における新たなスタンダードになっていく可能性が高い。





