コスモエネルギーホールディングスは、長崎県松浦市および宮城県仙台市の2拠点において、コスモ石油マーケティングが管理するサービスステーション(SS)跡地を活用した高圧系統用蓄電所の建設に着手した。2027年度から順次、松浦市、仙台市にて蓄電所の運転開始を目指す。

なお、長崎県松浦市に建設する蓄電所は、2025年12月25日に経済産業省・資源エネルギー庁が主管する「令和7年度 再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に採択されている。

  • 長崎県松浦市の蓄電所完成予想図

    長崎県松浦市の蓄電所完成予想図

■松浦市、仙台市の2拠点で計約4MW、2027年度より順次運転開始へ

近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統における混雑や出力制御の頻発が課題となっている。特に九州エリア、東北エリアは太陽光発電を含む再エネ出力制御率が高くなることが見通されており、電力需給の調整力確保が求められている状況だ。

こうした背景のもと、同社は2024年1月30日付で公表した「蓄電ビジネスの実証開始について」に記載のとおり、これまで三重県四日市市、埼玉県幸手市、愛知県長久手市、大阪府東大阪市において蓄電池設備の実証に取り組んできた。

これらの実証を通じて、蓄電池設備の建設から運用までをグループで一貫して手掛ける体制を構築するとともに、蓄電池の充放電制御を最適化する自社エネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築や、EMSを活用した電力市場取引の最適化など、系統用蓄電池に関する運用ノウハウを蓄積してきた。

その中で、高圧系統蓄電所はその規模感、全国的な配置可能性からSS跡地との親和性が高く、既存資産を活用した低炭素社会の実現を支えるインフラへの転換を可能とする。また、石油エネルギーの供給地点であったSSを再生可能エネルギーの安定供給を支える電気エネルギーの調整拠点として再定義・活用していくことは、同社のグリーン電力サプライチェーンの強化に資するものであると考えられている。 

今回建設する蓄電所では、卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場への参画による取引を計画しており、これらの取引業務は同社グループのコスモエネルギーソリューションズが担う。実証で得た知見やノウハウを活かし、グループ一体となって蓄電所を効率的に運用することで、電力系統の変動緩和や、地域の系統安定化への貢献をめざす。

同社グループは、今回の2拠点にとどまらず、今後も系統用蓄電所や再生可能エネルギー併設蓄電池の開発・運用を継続的に検討していく予定だ。また、SS跡地やその他の遊休地など、グループが保有する資産の有効活用も視野に入れながら、蓄電ビジネスの拡大を進めていく。

同社では、「こうした取り組みを通じて、『2050年カーボンネットゼロ』の実現に貢献してまいります」とコメントしている。