日本テレビホールディングスが5日に公表した、2025年度第3四半期の決算説明資料で、朝の情報番組『ZIP!』(毎週月~金曜5:50~)で、AIエージェントが番組制作のプロセスを大幅に短縮している事例が紹介された。番組内コーナー「?よミトく!」でのワークフロー改革例として示されたもので、X(Twitter)では驚きと関心の声が上がっている。
クリエイターは高付加価値業務に集中
同局では番組制作におけるAI活用を「人的資本の最適化」と位置づけ、AIが定型業務を代替し、クリエイターは高付加価値業務に集中するという狙いを掲げる。その具体例として『ZIP!』の総合司会・水卜麻美アナが、話題のニュースや最新トレンドを解説するコーナー「?よミトく!」を挙げた。
具体的には、AIエージェントがネタ探し~企画提案~企画書作成まで担当し、企画決定までのプロセスを大幅に短縮。社内の知見とディレクターの個性、外部情報をエージェントが統合し、最適な企画提案を実現するとしている。
Xでは「すごい」「AIが“ネタ探し”“企画書制作”“演出案”とクリエイティブ領域を担っている」など、驚きを含んだ声が見られた。
特に多くの反応があったのが、広報・マーケティング界隈。朝の情報番組に商品やサービスを取り上げてもらうことは、多くの企業の広報担当者にとって“理想の露出”だけあって、番組側が「ネタ」をどう見つけ、どう企画に仕立てるかは、広報にとっても関心領域の中心にある。
そうした界隈からは「PRネタ提供方法とどうアジャストするか」「改めて、きちんとAIが拾いやすい形で自社の発信をしていくことが重要になりそう」といったコメントが投稿されている。ネタの発掘が増える期待と、決定の高速化に伴う即応のプレッシャーの両方が、広報の現場に新たな流れをもたらしそうだ。
実写×生成AI融合ドラマ、AI秋元康など導入推進
今回発表された資料では、実写映像と生成AI映像を融合させたドラマ『TOKYO巫女忍者』(1月7日放送、TVer・Hulu配信)の事例も紹介。制作プロダクションのAOI Pro.とVFXプロダクションのTREE Digital Studioが参画し、社内外のクリエイターの制作力とAI知見を結集しすることで、ドラマ映像表現の大幅な拡張に取り組んだ。
昨年9月にはバラエティ・音楽ジャンルの番組でも、数々のヒット曲を生み出し続けてきた【秋元康】と、最新AI技術でその秋元氏の考え方を学習した【AI秋元康】がAKB48の新曲プロデュースで対決するという番組『秋元康×AI秋元康 ~AKB48新曲対決』を放送した実績がある。
日テレはAIの活用を全社プロジェクトとして推進し、25年度には多様なデータに基づきコンテンツ戦略を行う「編成エージェント」、26年度には知見を生かしてヒットコンテンツの確率を上げる「制作エージェント」、27年度には「PRエージェント」を導入する計画。コンテンツ企画制作の川上から川下までを網羅していく方針だ。

