(左から)野球日本代表侍ジャパンの村林一輝、井端弘和監督、中野拓夢(写真:Getty Images)

 

 攻守両面で評価を高め、代表の正捕手候補として注目を集めていたが、最終メンバーには名前がなかった。強化試合では存在感を示しており、選考過程で最後まで議論を呼んだ存在だった。[1/6ページ]

捕手陣の選考事情

岸田行倫

[caption id="attachment_245439" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの岸田行倫(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投右打

・身長/体重:176cm/88kg

・生年月日:1996年10月10日(29歳)

・経歴:報徳学園高 - 大阪ガス

・ドラフト:2017年ドラフト2位(巨人)

・2025年成績:87試合出場(266打数78安打)、打率.293、8本塁打、39打点

 

 

 

 攻守で優れたパフォーマンスを示し、侍ジャパンの正捕手候補に挙がっていた岸田行倫。だが、今大会は縁に恵まれなかった。

 

 報徳学園高、大阪ガスを経て、2017年ドラフト2位で読売ジャイアンツに入団。しかし、一軍では思うように出場機会を増やせないシーズンが続いた。

 

 そんな中、プロ7年目の2024年にようやく一軍へ定着。同年は自己最多の88試合に出場し、打率.242、4本塁打、26打点の数字となった。

 

 

 

 2025年は甲斐拓也のFA加入もあり、シーズン前半は出番が限られたが、87試合の出場で打率.293(規定未満)、8本塁打、39打点の好成績。

 

 さらに、盗塁阻止率.419と守備面でも優秀な数字をおさめた。

 

 同年11月に行われた韓国との強化試合では、侍ジャパンに招集。第6回WBCメンバーの有力候補に名前が挙がっていた。

 

 しかし、今大会の捕手は坂本誠志郎(阪神)、若月健矢(オリックス)に加え、前回大会を経験した中村悠平(ヤクルト)の3人体制に。惜しくも代表入りを逃した。

 前回大会では世界一に貢献し、その後も安定した成績を残してきたが、今大会は激しい内野手争いの中で選考から外れた。実績十分ながら、編成上の判断が分かれた。[2/6ページ]

 

内野手のポジション争い

中野拓夢

[caption id="attachment_248754" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの中野拓夢(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投左打

・身長/体重:172cm/67kg

・生年月日:1996年6月28日(29歳)

・経歴:日大山形高 - 東北福祉大 - 三菱自動車岡崎

・ドラフト:2020年ドラフト6位(阪神)

・2025年成績:143試合出場、打率.282(531打数150安打)、30打点、19盗塁

 

 前回のWBCでメンバー入りを果たした中野拓夢。その後も着実に結果を残していたが、2大会連続の代表入りとはならなかった。

 

 三菱自動車岡崎から2020年ドラフト6位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから遊撃のレギュラーに定着し、盗塁王(30個)に輝いた。

 

 2023年開催のWBCでは侍ジャパン入りを果たすと、大会途中に負傷した正遊撃手・源田壮亮(西武)に代わってスタメン出場。打率.300(10打数3安打)、2盗塁の活躍を見せ、世界一に貢献した。

 

 

 

 さらに、同年のレギュラーシーズンでは最多安打(164本)のタイトルを獲得。

 

 2025年は143試合に出場し、打率.282、30打点、19盗塁をマークし、二塁手部門のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞した。

 

 安定したパフォーマンスを示していたが、第6回WBCでは選考漏れとなった。

 

 二塁手は強打の牧秀悟(DeNA)をはじめ、内外野をこなすユーティリティー・牧原大成(ソフトバンク)らが務めることになりそうだ。

 代走として明確な武器を持つ存在も代表候補に挙がっていたが、起用法の限定性がネックとなった。国際大会向きのスピードは評価されつつも、今回は選出に至らなかった。[3/6ページ]

 

スペシャリスト枠の難しさ

五十幡亮汰

[caption id="attachment_245444" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの五十幡亮汰(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投左打

・身長/体重:171cm/67kg

・生年月日:1998年11月27日(27歳)

・経歴:佐野日大高 - 中央大

・ドラフト:2020年ドラフト2位(日本ハム)

・2025年成績:118試合出場、打率.232(284打数66安打)、1本塁打、18打点、25盗塁

 

 “足のスペシャリスト”として代表候補となっていた五十幡亮汰。だが、起用法が限定的となることもあり、第6回WBCでの招集は見送られた。

 

 中央大から2020年ドラフト2位で北海道日本ハムファイターズに入団。プロ入り当初から俊足に注目が集まっていたが、度重なる故障に苦しんだ。

 

 それでも、プロ3年目の2023年には一軍での出番を増やし、70試合の出場で17盗塁をマーク。

 

 

 

 さらに、2025年は自己最多の118試合に出場し、打率.232(規定未満)、1本塁打、18打点、25盗塁の数字。

 

 打撃面では物足りなさが残るものの、リーグトップの10三塁打を記録するなど、足で存在感を示した。

 

 井端ジャパンでは、2024年開催のWBSCプレミア12や、2025年11月に行われた韓国との強化試合でメンバー入り。

 

 しかし、今大会は周東佑京(ソフトバンク)が選出されたこともあり、メンバー選考から落選。侍ジャパン入りには、打撃面でさらなる成長が不可欠といえそうだ。

 リーグ屈指の中堅手として長年安定した成績を残してきたが、代表には縁がなかった。センター不在が指摘される中でも、最終的にメンバー入りは見送られた。[4/6ページ]

 

外野手の序列

近本光司

[caption id="attachment_248756" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの近本光司(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:左投左打

・身長/体重:171cm/70kg

・生年月日:1994年11月9日(31歳)

・経歴:社高 – 関西学院大 – 大阪ガス

・ドラフト:2018年ドラフト1位(阪神)

・2025年成績:140試合出場、打率.279(573打数160安打)、3本塁打、34打点、32盗塁

 

 NPBトップクラスの中堅手として高い評価を得ている近本光司。今大会の侍ジャパンメンバーに打ってつけの存在と目されたが、選出には至らなかった。

 

 大阪ガスから2018年ドラフト1位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから「1番・中堅」の座に定着した。

 

 同年は142試合に出場し、打率.271、159安打、9本塁打、42打点、36盗塁の好成績をマーク。盗塁王のタイトルに輝いた。

 

 

 

 その後も不動のリードオフマンとしてチームを牽引し、2021年には最多安打(178本)を戴冠。同年から5年連続でベストナインとゴールデングラブ賞のW受賞を続けている。

 

 2025年は140試合出場、打率.279、160安打、3本塁打、34打点、32盗塁をマークし、4年連続となる盗塁王も獲得。

 

 プロ入りから安定した成績を残し続けているが、侍ジャパンには2022年に行われたオーストラリアとの強化試合に招集されたのみ。

 

 第6回WBCはラーズ・ヌートバー(カージナルス)の故障もあって、確固たる中堅のレギュラーは不在に。NPB屈指の実績を誇る近本の招集も期待されたが、結局メンバーに名を連ねることはなかった。

 ヒットメーカーとして結果を残し続け、正中堅手候補として期待を集めていたが、落選となった。守備力と走力を兼ね備えた存在として、評価が分かれる選考となった。[5/6ページ]

 

レギュラー候補の人選

岡林勇希

[caption id="attachment_245442" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの岡林勇希(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投左打

・身長/体重:175cm/75kg

・生年月日:2002年2月22日(23歳)

・経歴:菰野高

・ドラフト:2019年ドラフト5位(中日)

・2025年成績:143試合出場、打率.291(578打数168安打)、5本塁打、35打点、17盗塁

 

 前回大会で躍動したラーズ・ヌートバー(カージナルス)の故障もあり、今大会の正中堅手候補に挙げられていた岡林勇希。NPB屈指のヒットメーカーだが、まさかの代表落選となった。

 

 菰野高から2019年ドラフト5位で中日ドラゴンズに入団すると、高卒1年目から一軍デビュー。

 

 高卒3年目の2022年に外野のレギュラーへ定着。同年は142試合出場、打率.291、161安打、32打点、24盗塁をマークし、最多安打のタイトルに輝いた。

 

 

 

 2025年は全143試合に出場し、打率.291、5本塁打、35打点、17盗塁の好成績をおさめ、自身2度目の最多安打を獲得した。

 

 俊足巧打に加えて外野守備の評価も高く、ここまで3度のベストナイン、4度のゴールデングラブ賞を受賞している。

 

 井端ジャパンには、2023年開催のアジアプロ野球チャンピオンシップに加え、昨年11月に行われた韓国との強化試合でも名を連ねていた。

 

 しかし、第6回WBCでは周東佑京(ソフトバンク)、森下翔太(阪神)らが選出。代表メンバーからは漏れる結果となった。

 複数ポジションをこなし、リーグ屈指の安定感を示したが、内野陣の層の厚さに阻まれた。特に守備面では高い評価を得ていただけに、悔しい選外となった。[6/6ページ]

 

ユーティリティー枠の競争

村林一輝

[caption id="attachment_248755" align="aligncenter" width="530"] 野球日本代表侍ジャパンの村林一輝(写真:Getty Images)[/caption]

 

 

 

・投打:右投右打

・身長/体重:180cm/73kg

・生年月日:1997年10月6日(28歳)

・経歴:大塚高

・ドラフト:2015年ドラフト7位(楽天)

・2025年成績:137試合出場、打率.281(513打数144安打)、3本塁打、51打点、6盗塁

 

 2025年は最多安打のタイトルを獲得するなど、飛躍のシーズンを過ごした村林一輝。内野の複数ポジションをこなす貴重な存在だったが、落選となった。

 

 2015年ドラフト7位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。守備固めや代走で出場機会を増やし、高卒8年目の2023年に遊撃のレギュラー格となった。

 

 翌2024年には自身初の規定打席に到達し、139試合出場、打率.241、6本塁打、50打点を記録。同年11月に行われたWBSCプレミア12では、侍ジャパンの一員に名を連ねた。

 

 

 

 2025年は宗山塁の加入に伴い、三塁が主戦場に。それでも、137試合出場で打率.281、144安打、3本塁打、51打点、6盗塁の好成績をマーク。

 

 同年は最多安打に加え、ベストナインとゴールデングラブ賞のW受賞を果たした。

 

 また、同年11月に行われた韓国との強化試合でもメンバーに招集。井端ジャパンの常連選手となった。

 

 しかし、今大会は源田壮亮(西武)、小園海斗(広島)らが選出。村林は代表から漏れることとなった。

 

 

【了】