吐く息が白くなるこの季節も、ペダルを漕ぎ出せばウォーミングアップが終わるころには寒さも気にならない。そう分かっても、一年でいちばん寒いこの時期のライドは、やる気スイッチを入れるのに苦労する。今から積極的に乗れば、走るごとに春の到来を感じ、コンディションも良くなっていく。

頭では分かっていても玄関から出るまでがしんどい……そんなサイクリストのために、手頃な価格で寒さを効果的にシャットアウトするアイテムを集めてみた。

パールイズミ・ウォームキャップ

  • 寒空の自転車通勤の強い味方! 自転車のプロが薦める防寒グッズ3選

    アイウエアのテンプルを入れる切り込みがある

ヘルメットの内側に被るインナーキャップは、ウインターライドの定番必須アイテムだ。夏は内部の空気が動くことで放熱するが、冬は空気層が動かないことで防寒になる。薄手のキャップでもヘルメット内部の空気の動きを抑制できるが、専用品と比べると機能性は別格である。

インナーキャップを最初に紹介する理由は、気温が低くなればなるほど、頭から放出される熱の比率は大きくなるから。米軍の寒冷地マニュアルにも用いられるG・フローゼとA・バートンの研究によると、21℃のとき頭部から失われる熱は約10%だが、驚くことにマイナス4℃になると25%まで比率が上がる。しかも、自転車は走行時の風の影響もあるので、時速30㎞で向かい風4mだと、気温4.7℃で体感気温は0℃に。

パールイズミ・489ウォームキャップは高機能保温素材「サーマフリース」を採用。一般的なフリースよりも繊維密度が高く、伸縮性が自転車用に最適化された素材である。寒さで痛くなる耳をカバーしつつ、周囲の音が聞こえやすいように耳を覆う部分はメッシュ素材となっている。また、アイウエアのテンプル用ホールがあり、後頭部はヘルメットのフィッティングデバイスと干渉しないようにパターンが工夫されている。

スポーツバルム

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    プロロードレースではスポーツオイルを使うのは常識

春先のヨーロッパのレースを観ていると、凍えるような天気でもプロ選手が薄着であることに驚く。その秘密がスポーツオイルだ。オランダなど北ヨーロッパでは、ケガを未然に防ぐため、オイルマッサージが学校のカリキュラムに組み込まれている地域もある。

スポーツバルムはヨーロッパのトップチームがシーズンを通して使用するアクセサリーの1つ。ベースオイルにハーブなどを加え、筋肉のコンディションを整え、ウォームアップ時の故障や脚が攣(つ)るのを防ぐ効果がある。

寒い時期に使うレッドシリーズは3種類。

レッド1=気温10~20℃
レッド2=気温10℃以下
レッド3=気温5℃以下

あなたが寒がりか否かによっても選択肢は違うが、レッド3(ホットウォーミングバーム)を使うのは厳寒期のみ。関東であれば概ねレッド2(ミディアムウォーミングバーム)で足りる。通勤にはオーバークォリティだが、サイクリングだけでなく長時間の外出であれば試す価値がある。

使い方は出発の約20分前に温めたい部位に塗るだけ。関節や腱といった運動しても発熱しにくい場所も、じんわりと温かくなる。お尻(大臀筋)や腰、肩など筋肉量の多い場所に塗ると、血流が良くなって温かくなるのがはっきりと分かる。脚の付け根まで塗るときは、デリケートゾーンに触れないように注意する。また、入浴するときはバームをしっかり落としてから湯船につかるようにしよう。

着込むのは好きじゃないが、寒いのも嫌い。そんな人は一度使ったら手放せない秘密兵器になる。

ファイントラック・ドライレイヤーインナーグローブ

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    ウインターグローブの内側に着けるインナーグローブ

ストッキングのように薄いけど、これで本当に温かいの?

答えは温かい。

スノーボードやスキーグローブの中が濡れてしまい、不快で冷たい経験をしたことはないだろうか? 温かいはずのウインターグローブも、いったん中が湿ってしまうと指先が冷たくなってしまう。手に汗握るというぐらい、手は汗をかきやすい場所だ。気づかないうちに汗でグローブは濡れて冷える。そこで冬の手元は、濡れを断つのも防寒を考える上で必須の条件だ。

ファイントラック・ドライレイヤーインナーグローブは手を包み込むように肌に密着。汗をアウターグローブに透過させ濡れ戻りを抑え、皮膚をドライに保つことで濡れ冷えを軽減してくれる。一般的にグローブを重ね着すると、指先が太くなってコントロールレバーの操作感が悪くなるが、このインナーグローブは極薄素材や縫製に工夫を凝らしているため、レイヤリングしても変速や減速時の繊細な操作感を損なわない。また、かさばらないのでポケットに入れておけば、気温に応じて使い分けることもできる。

冬場の着こなしは温度調整がしやすいように、薄手のアイテムを重ね着し、常に快適な環境を作り出すのが基本。スタート時は少し寒く感じる方がいいという人もいれば、しっかりとした防寒が必要な人もいる。自分がどちらのタイプなのかを知り、コンディションに合わせたアイテムを揃えるようにしたい。