埼玉西武ライオンズの小島大河(写真:産経新聞社)

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 冷え込む1月のグラウンドで、背番号10は異彩を放っていた。ドラフト1位・小島大河。無駄のない動きと冷静な視野、そしてグラウンド整備一つにも手を抜かない佇まいに、新人の枠を超えた覚悟が滲む。今回は、合同自主トレで見えた無限に昇る大河の始まりを追う。(文・羽中田)

 

“新人離れ”のオーラを放っていたルーキー

 

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 狭山丘陵に冬風が吹き込む。日差しはあれど、決して暖かいとは言えない朝9時30分ごろのCAR3219フィールドだ。

 

 練習開始前から、入場ゲート前には長蛇の列ができていた。新人合同自主トレという時間、動員数ともに限られた場でありながら、多くの人が集まる。

 

 その事実は、今季の新人選手たちに寄せられる期待値の高さを感じさせる。

 

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 開場して数十分後に、ウォーミングアップが始まった。背番号と名前入りのビブスを着た新人選手13名、ほとんどの選手が緊張した面持ちだ。

 

 その中でも、新人離れしたオーラを放っていたのが、ドラフト1位ルーキーの小島大河だった。

 

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プロの世界でプレーしてきたかのような“空気と余裕”

 

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 早くも、多くのファンの視線を引き込んだ。レフトポールからライトポールへのダッシュを終えた後に、キャッチボールを行った。相手は同じく大卒のドラフト3位・秋山俊だ。

 

 単純に捕って投げるのではなく、ボールの伸び、握り方、捕球音を確かめながら行なっていたことが印象的だった。動作に無駄がなく、ルーキー特有の硬さよりも、準備ができている選手の空気が漂っていた。

 

 続いてバットを使ったウォーミングアップ、いわゆるペッパーでも、その印象は変わらない。力みはなく、視野は広い。何年もプロの世界でプレーしてきたかのような、余裕を感じさせる佇まいだ。

 

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 ウォーミングアップを終えると、サブグラウンドへ移り、内野ノックが始まった。ポジションを問わず、新人全選手が参加するメニューだ。

 

 イレギュラーバウンドに苦戦する選手が少なくない中で、小島は、終始落ち着いた動きを見せていた。打球への入り方、腰の落とし方、そして捕球から次の動作への移行。その一つ一つに迷いがない。

 

 特に印象的だったのは、捕球体勢の安定感だ。ボールに合わせて体を無理に動かすのではなく、自身の軸を保ったまま、確実に処理する。その姿からは、捕手という枠にとどまらず、他のポジションでも十分に対応できる柔軟性と適性を感じた。

 

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グラウンド整備で垣間見えた“魅力”

 

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 小島の魅力は、プレー以外の場面でも垣間見えた。誰よりも周囲の動きをよく見ている。

 

 特筆すべきは、ノック終了後のグラウンド整備だ。誰よりも入念かつ率先して、整備ブラシを手に取った。冷静な表情で、作業に向き合う姿勢も実に淡々としている。

 

 限られたアピールの場で、与えられた役割を正しく理解し、自身の立ち位置を把握していることが伝わってきた。派手な振る舞いはないが、チームの一員として何を優先すべきかを、すでに心得ているようにも映る。

 

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 始まったばかりのプロ生活ではあるが、こうした積み重ねこそが信頼につながる。いよいよ始まる春季キャンプの一軍抜擢は、期待値の表れだろう。

 

 新人合同自主トレで見えた、技術、所作、そして周囲への気配り。それらが一年を通して続くかどうかは、まだ分からない。

 

 プロ野球選手としてのルーキーイヤーは、期待と不安が常に隣り合わせの時間でもある。大きな期待を背負いながら、社会人1年目としての日々も歩んでいく。

 

 小島がどのように壁と向き合い、如何にして自分の居場所を築いていくのか。その過程を見守る、1人のファンとして応援していきたい。

 

 2月1日から始まる春季キャンプでも、その一挙手一投足から目が離せない。獅子の背番号「10」、新たな光に託された未来は、静かに動き始めている。

 

 無限に昇る大河を描け。小島大河。

 

【著者プロフィール】

羽中田 (hanakata)

ライター。2001年東京都生まれ。幼少期から埼玉西武ライオンズにまっしぐら。2025年5月より埼玉西武ライオンズの、イベント、試合、選手のインタビューを中心にコラムを寄稿。現在、カフェ店員をしながら執筆活動に励み、年間60試合以上を現地へ足を運ぶ。趣味は、炭坑節を聴きながらカフェモカを飲むこと。

 

 

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【了】