視聴率、反響ともに今冬ドラマの中でダントツの支持を得ているのは『リブート』(TBS系)で間違いないだろう。
「鉄板」と言われる主なポイントは、主演・鈴木亮平が1人2役以上の複雑な主人公を演じることと、黒岩勉が脚本を手がけることの2点。しかも後者は「構想3年をかけたこん身の一作」と語っているだけに期待値が高まるのも当然だろう。
そんな黒岩の過去作を語る上で「これは欠かせない」と言えるのが、2016年放送の『僕のヤバイ妻』(カンテレ・フジテレビ系、FODで配信中)。あらためてどんな作品で、何がのちの黒岩脚本に影響を与えたのか。ドラマ解説者・木村隆志が掘り下げていく。
『僕のヤバイ妻』以前と以降に二分
まず黒岩の脚本作品を振り返っていくと、連ドラデビュー作となった『LIAR GAME Season2』(09年、フジ系)から『謎解きはディナーのあとで』(11年、フジ系)、『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』(13年、カンテレ・フジ系)、『すべてがFになる』(14年、フジ系)、『ようこそ、わが家へ』(15年、フジ系)まで、漫画・小説の実写化がほとんどを占めていた。
しかし、『僕のヤバイ妻』(16年)の成功以降は、フランスの歴史的名作を現代に大胆アレンジした『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-』(18年、フジ系)を経て、日本最長の歴史を持つドラマ枠・日曜劇場のオリジナル『グランメゾン東京』(19年、TBS系)の脚本を担当。
さらに日曜劇場では、東野圭吾の『危険なビーナス』(20年)をはさんで、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(21年)、『マイファミリー』(22年)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(23年)、『リブート』(26年)と連続でオリジナルを手がけている。
『グレイトギフト』(24年、テレビ朝日系)と『全領域異常解決室』(24年、フジ系)もオリジナルであり、「『僕のヤバイ妻』より前の原作アリ」と「『僕のヤバイ妻』以降のオリジナル」で二分されている。
ちなみに『僕のヤバイ妻』は、「第3回アジア・レインボー・テレビ・アワード2016」の現代ドラマ作品部門・最優秀賞とドラマ脚本部門・最優秀賞、「第5回市川森一脚本賞」を受賞した。つまりプロ中のプロたちに認められ、「黒岩勉にオリジナルをどんどん手がけてもらおう」というムードが生まれたのだろう。
