『東京PD』の制作体制で特徴的なのが、ライターズルーム方式の採用だ。複数の脚本家が集まり、作品全体のストーリーや各話の構成などを共同で執筆するシステムで、今回は阿部沙耶佳氏、阿部凌大氏、島崎杜香氏の3人が参加。この理由については「情報量」と「柔軟さ」を挙げる。

「この作品は一人の作家さんでは背負いきれない情報量があって、その分調査もすることになるので、複数の方で議論しながら作るのが一番だろうと思いました。若手の脚本家の方が中心なのですが、監修の方の意見も含めて柔軟に対応していただく必要があったんです。現場でも俳優さんたちとも議論して“このシーンはこういう言い方のほうがいいんじゃないか”というアイデアが結構上がるので、若い人たちがそこも柔軟に変えてくれるメリットもありました」(安永氏)

「1年半かけて地上波の全話、さらにFODの分を何回も直してもらっているんです。縦軸もあって、1話から最終話まで行ってまた1話に戻ると“この視点で見るとこうじゃない?”となることもあるので、ある話は、18稿までありました(笑)。そういう意味でも柔軟に対応できて、ガッツのある感じで付いてきてくださったのは、エネルギーとして大きかったです」(中村氏)

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福士蒼汰が初回放送翌日に見せた安堵の表情

このように様々なハードルを乗り越えて制作したドラマが放送されると、「有名な脚本家さんが書いているわけではないですし、そこまで注目されていたドラマではないと自覚していましたので、もっといろいろご批判や厳しいお言葉を頂くのかと思っていたのですが、“久しぶりに骨太のものを見た”、“これまでなかった目線で目新しかった”など、比較的温かいお言葉が多くて安心しました」(安永氏)と胸をなでおろしたそう。初回放送翌日の撮影での福士の安堵した表情が、忘れられないという。

中村氏も「刑事ドラマが数ある中で、新しい切り口で社会派という形なので、ニュースを見ていて“どの事件にも、この広報課というのが関わっているんだな”と思いながら見ていただけたりもするのかなと考えると、ドラマとして意義のあるものになっているのではないかと感じています」と手応え。

それに加え、緒形直人、竹財輝之助、吹越満、津田寛治といった面々に「SNSを見ていると“イケオジの博覧会だ”と書かれていて(笑)。キャスティングさせていただいた身としては、本当に素敵な役者さんたちとご一緒できたので、うれしいし、ありがたいです」と受け止めながら、「これからも頑張って作っていこうと思います」と気を引き締めていた。