興味のある情報にすぐアクセスできたり、リアルでは出会えない人ともつながれたりと、SNSはとても便利なツールです。一方で、他人と自分を比べて落ち込んだり、頻繁なやりとりに追われて疲れてしまったりすることもあるでしょう。
この記事では、SNS疲れが起きる理由を解説しながら、メンタルを守りつつSNSと上手に付き合うためのヒントを紹介します。
SNS疲れとは
SNS疲れとは、SNSを通して得る情報やコミュニケーションが負担となり、心や体が疲れてしまっている状態をいいます。タイムラインを眺めているだけのつもりが、気づけば気分が沈んでいたり、なんとなくイライラしていたりすることもあるでしょう。その結果、SNSで発信することを控えたり、ログインする頻度を減らしたりする人も少なくありません。
いまやSNSは、仕事でもプライベートでも欠かせないツールですが、その便利さの裏側で、知らず知らずのうちに疲労を招いてしまうことがあるのです。
なぜSNS疲れが起きるのか?
なぜSNS疲れを感じてしまうのか、その原因や心理をチェックしていきましょう。
他人と比べてしまう
SNSには、他人のプライベートや仕事の様子、趣味や恋愛事情など、華やかな瞬間が次々と流れてきます。そうした投稿を見ているうちに、自分の生活が物足りなく感じられたり、劣等感や嫉妬心が膨らんでしまったりすることがあります。
「どうして自分だけうまくいかないのだろう」「自分は何もできていない」といった思いが積み重なると、心がじわじわと疲れてしまうのです。
気づくと長時間SNSを見ている
休憩時間や移動時間など、少し時間が空くたびにスマホを取り出してSNSを見てしまう人も多いのではないでしょうか。短時間のつもりでも、何度も開いているうちに、トータルではかなり長い時間をSNSに費やしていることもあります。
脳は大量の情報を処理し続けることで疲労を感じます。また、画面を見つめ続けることで目に負担がかかったり、同じ姿勢でいることで首や肩、背中のこりにつながったりして、体の疲れもたまりやすくなります。
リアクションが気になってしまう
自分の投稿についた「いいね」の数やコメントの内容が気になり、何度もチェックしてしまうこともSNS疲れの一因です。「もっと反応がほしい」「フォロワーを増やしたい」という思いが強くなると、いつの間にか「いいね」をもらうことや反応を得ること自体が目的になり、プレッシャーや義務感を抱くようになってしまいます。
その結果、投稿するたびに緊張したり落ち込んだりしやすくなるのです。
自分を誇張してしまう
「すごいと思われたい」「うらやましがられたい」という気持ちから、実際よりも大げさに話を盛ったり、背伸びをした投稿を続けてしまったりすることもあります。投稿のために流行のものを無理に手に入れたり、高額な食事や買い物をくり返したりするケースもあるでしょう。
自分を実際以上によく見せようとする行動は、心にもお財布にも負担がかかります。「本当の自分」とのギャップが大きくなるほど、後ろめたさや虚しさを感じやすくなり、その積み重ねがストレスにつながっていきます。
人間関係のトラブル
SNSは、顔を合わせたことのない相手とも簡単につながれる一方で、誹謗中傷や心ないコメントにさらされやすい場でもあります。根拠のない悪口やうわさ話、攻撃的な返信などを受けてしまうと、大きな心理的ダメージに。
また、自分に対する中傷だけでなく、他人への酷いコメントを目にするだけでも、嫌な気持ちになったり不安を抱いたりすることがあります。こうした「負の情報」に触れ続けることで、気づかないうちに心がすり減ってしまうのです。
常に返信が気になってしまう
「コメントが来たらすぐ返さないと失礼かもしれない」「メッセージを放置したら嫌われてしまうかも」と考え、常に返信状況が気になってしまう人も。真面目で責任感の強いタイプほど、「すぐ返信できない自分」を責めてしまいがちです。常にスマホを気にしている状態が続くと、心が落ち着かず、休まる時間がなくなってしまいます。
SNS疲れになりやすいタイプ
次に、SNS疲れになりやすい傾向について見ていきましょう。当てはまるものが多いほど、意識的な対策が必要かもしれません。
SNSに多くの時間を費やす
複数のSNSアプリを同時に使っていたり、暇さえあれば画面を開いてタイムラインを追いかけたりしている人は、それだけSNSと関わる時間が長くなります。投稿する、コメントする、メッセージに返信するなど、細かな行動が積み重なることで、思っている以上にエネルギーを消耗してしまいます。
自分がどう見えるかが気になる
投稿する内容や写真が「映える」ことを大事に考えている人は、納得できる仕上がりになるまでこだわってしまいがちです。写真の角度や構図を何通りも試してみたり、加工に時間をかけてみたり。細かな部分も気が抜けず、疲れをためてしまいます。
仕事などコンタクトが多いシーンで使っている
仕事でSNSを活用している場合や、上司・取引先・同僚などと同じアカウントでつながっている場合、「どう見られるか」を常に意識する必要が出てきます。仕事の延長のような感覚になり、「オフモード」に切り替えにくくなることで、心が休まる時間が減ってしまうこともSNS疲れの要因になります。
人とのコミュニケーションにSNSが多い
友人関係のほとんどをSNS上で築いている人は、その分だけSNS上で気をつかう機会も増えます。グループでのやりとりやDMの返信などが重なると、「対応しなければいけないこと」に追われてしまい、気づけばSNSに割いている時間が大部分を占めていた、ということにもなりかねません。
SNSでコンタクトを頻繁にしている
自分から積極的にコメントしたり、フォロワー一人ひとりに細かく返信したりする人も、SNS疲れを感じやすいタイプです。誰かの投稿を見るたびにリアクションしようとすると、自然とチェックする回数や時間も増えていきます。「見たら反応しなければ」と思い込んでしまうと、SNSが「休む場所」ではなく「頑張る場所」になってしまいます。
他人に気をつかいすぎる
もともと人に気をつかいやすい人や、真面目で責任感が強い人は、「この投稿で誰かを嫌な気持ちにさせないかな」「既読をつけたのに返信していないと思われないかな」と、細かなことまで考えすぎてしまう傾向があります。 思いやりがあること自体は素敵なことですが、常に周囲のことを優先しすぎると、自分の心の余裕が削られてしまい、SNS疲れにつながっていきます。
どうしたらSNS疲れを防げる?
ここからは、SNS疲れを防ぎながら、無理なくSNSと付き合うための工夫を紹介します。すべてを完璧に実践する必要はないので、自分に合いそうなものから試してみてください。
SNS以外に趣味をもつ
スマホはゲームや動画、ニュースなど、あらゆるコンテンツにアクセスできる便利な存在です。そのぶん、気づけばいつもスマホを触っている状態になりがち。SNS以外にも夢中になれる趣味があると、「なんとなくSNSを開いてしまう」時間を自然に減らせます。
読書、運動、料理、ものづくりなど、オフラインで楽しめることを増やすことで、心の切り替えもしやすくなります。
アカウントを複数もつ
「仕事関係の人が見ているから自由に投稿できない」「知り合いの目が気になる」という場合は、用途ごとにアカウントを分けるのもひとつの方法です。仕事用とプライベート用、知人向けと趣味専用など、見る人の範囲を自分でコントロールできるようにすると、投稿内容に対する不安やプレッシャーが軽減されます。
ツールを取捨選択する
なんとなく登録したまま、惰性で使っているSNSはありませんか。開いてもあまり楽しくなかったり、使うたびに疲れを感じたりするサービスがあるなら、思い切って休止・退会するのも選択肢のひとつです。使うSNSの数を絞ることで、管理ややりとりの負担が減り、心にも時間にも余裕が生まれます。
自分なりのルールをつくる
SNSとの距離を保つために、自分の中で「使い方ルール」を決めておくのもおすすめです。たとえば、「寝る前1時間はSNSを開かない」「食事中はスマホを触らない」「このSNSは見るだけで、コメントはしない」など、小さなルールで構いません。自分で制限をかけることで、SNSに振り回されづらくなります。家にいるときは、スマホを別の部屋に置いておくのも効果的です。
通知をOFFにして常に反応しない仕組みをつくる
通知音やバナーが表示されるたびに画面をチェックしていると、そのたびに集中が途切れ、落ち着かない状態が続きます。思い切ってSNSの通知をOFFにして、「自分が見たいときだけ開く」というスタイルに切り替えてみましょう。通知に振り回されなくなるだけでも、SNSに意識を持っていかれる時間を大きく減らすことができます。
デジタルデトックスを意識する
習慣を大きく変えるのがむずかしいと感じる場合は、まず「この時間だけはスマホに触らない」と決めるデジタルデトックスから始めてみましょう。たとえば、週末の午前中だけはスマホを別の部屋に置いて、散歩に出かけたり、カフェで本を読んだりするなど、意識的に画面から離れる時間をつくります。最初は落ち着かないかもしれませんが、慣れてくると頭の中がスッキリし、思考も感情もリセットされやすくなります。
SNS疲れする前に上手に対策しよう
SNSは本来、自分の世界を広げたり、好きなものを共有したりするための便利なツールです。しかし、使い方次第では、心や体に負担をかけてしまうこともあります。大切なのは、「SNS中心の生活」に振り回されるのではなく、「自分の生活の一部」としてちょうどよい距離感を保つことです。疲れを感じたときは、ムリにがんばらず、距離を置いたり、使い方を見直したりしてみましょう。
自分のペースでSNSと付き合えるようになれば、必要以上に落ち込んだり比べたりすることが減り、日々をもっと穏やかな気持ちで過ごせるようになります。




