2025年4月に開幕した大阪・関西万博。184日間にわたって、世界各国のパビリオンや最先端技術、未来社会のビジョンが集結した一大イベントは連日大賑わいで、惜しまれるなかその幕を閉じた。筆者の親族や友人も「寂しい」「まだ思い出すと泣きそう」「楽しかったなあ」と、楽しかった万博に思いを馳せている人は少なくない。
だが、万博は「ハイ、おしまいでっせ」と終わってしまうイベントではなかった。
パビリオンが撤去され、会場が更地になっていくなかで、その一部は花盛りの会期を終えたあと、それぞれの第2の人生を歩み始めたのだ。
「PASONA NATUREVERSE(パソナネイチャーバース)」「オランダパビリオン」が兵庫県淡路島へ、「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)」がモルディブ共和国へ移転するなど、すでに一部のパビリオンや建築はその行き先が決まっているが、実は探してみると、万博の名残は想像以上に身近な場所で見つかる。
今回は、2026年1月現在、関西在住の筆者が実際に足を運んで、見て、触って、買ったものを中心に、「万博のセカンドライフ」を追ってみた。
市役所にあった国家パビリオン
大阪府の東大阪市役所には、ナウル共和国、パキスタン、サンマリノ共和国、ベナンの展示が行われている。
東大阪市役所は近鉄「荒本」駅を最寄りとし、大阪府立中央図書館の隣にある。比較的新しい建物だ。最上階が22階と、低い建物に見慣れてしまっている京都市民の筆者には身震いしてしまう高さだが、すごい建築家が手掛けたとか派手な演出がある建物ではない、一般的な庁舎だ。
その1階エスカレーター前に、コモンズHが悠々とセカンドライフを送っていたのだ。ナウル共和国のグンカンドリやパキスタンの「8億年前の岩塩」、ベナンの太鼓など、各国の象徴が飾られている。
2026年3月31日までは展示が決定しているとのことなので、アフター万博を楽しみたい人はぜひ立ち寄ってみてほしい。
百貨店で再会する万博の記憶
万博の余韻は、百貨店にも広がっていた。
■神戸マルイで再会したネパール&フィリピン
神戸マルイでは、2025年12月17日(水)〜2026年1月6日(火)にポップアップイベントを開催。万博で人気だった商品の展示・物販が行われていた。
人であふれる万博会場とは違い、百貨店のフロアでは、商品を手に取りじっくりと確かめながら選ぶことができるのがありがたい。筆者も、ネパールの布製品やフィリピンの雑貨を購入した。
ネパールコーヒーは試飲をさせてもらえ、すっきりとした飲み口とオーガニックの優しさを生で体感できた。ネパール産ハチミツや、気になっていたフィリピンチョコレートにポーチも購入。ついつい財布の紐もゆるんでしまう時間だった。
「万博で見て気になっていたものを、改めて選び直す」なんてことができるのも、ポップアップならではの体験だ。
■日本の伝統工芸を発信する阪急うめだ本店
阪急うめだ本店の9階祝祭広場では、2025年12月27日から2026年1月12日の間、「藤本ハルミ オートクチュールドレス アーカイブ展「百年の華、未来へ咲く」」が開催されている。
98歳にして現役でファッションデザイナーをしている藤本ハルミ氏がPASONA NATUREVERSEパビリオンを訪れたVIPを迎えるためのアテンダントオートクチュールドレスを展示している。
日本の「祇園山鉾」や「松竹梅」といった美意識を衣装に取り入れたドレスは、まさに伝統と近代、和と洋の融合。1点1点に込められた思いや背景を感じながらじっくりと鑑賞することができて見応えがあった。
淡路島のパビリオン移転とともに活用される予定らしいが、会期終了までもう少し日があるのでぜひ見に行ってみてほしい。
あの「人間洗濯機」、ついに実用化
万博で強烈な印象を残した展示のひとつが、人が丸ごと入る人間洗濯機ではないだろうか。筆者の母も注目していたようで、万博の思い出を語ってくれた際に最初に口に出たのが、株式会社サイエンスの「ミライ人間洗濯機」だった。未来の生活を象徴するコンセプト展示として注目されたこの装置は、閉幕後、実際にホテルへ導入され始めている。
大阪・難波の「道頓堀クリスタルホテルⅢ」では国内最速でこちらを導入。「未来体験型スパ『人間洗濯機』」として利用できる。
抽選でわずかな人しか体験できなかった「人間洗濯機」は、まだまだこれからも利用することができる。さらに展示会場では数分の体験だったものが、いまや滞在の一部として20分も利用できるわけだ。あのとき抽選に漏れて悔しかった紳士淑女の諸君は、ぜひ再挑戦してほしい。
ミャクミャクは万博後も元気
会期中、長蛇の列だった公式ストア。ミャクミャク人気はいまだ健在で、大阪を中心にオフィシャルストアはまだ展開している。あべのハルカス、大丸梅田店、JR大阪駅、MARUZEN&ジュンク堂系列店などだ。筆者も複数店を訪れてみたが、各店共通のグッズもあれば、少しラインナップが異なる部分もあった。
大丸梅田店ではパックとのコラボグッズ(しかも安かった!)、ジュンク堂ではドラゴンボールやうる星やつらなどのマンガとのコラボグッズが販売されていたし、阪神タイガースとのコラボグッズなど、ローカル色の強いものもたくさんあって、とても楽しいラインナップだった。
終わらない“万博の余韻”
大阪を歩いていると、ふと目の中に赤と青の柄(大阪でいう模様のこと)の何かが飛び込んでくることがある。
また、大阪・中之島にある関電ビルディングでは、万博のパビリオン「電力館 可能性のタマゴたち」の展示物・外膜の一部などの展示イベントが現在も開催中だ。こちらは2026年1月31日まで鑑賞できる。さらに1月10日には、ミャクミャクや可能性のタマゴが登場する企画があるらしいので、この機会に万博との再会を果たしてみたい。
市役所にある国家パビリオン。
ホテルで使われる未来技術。
書店やデパートに並ぶ公式グッズ。
そして、いまも続く関連イベント。
確かに閉幕した万博は、いまもなお、街の中で元気にセカンドライフを送っている。











