11月15日の北九州港の開港記念日を祝う「北九州港開港記念イベント」が11月1〜2日の2日間にわたり、港町・門司港の西海岸で開催された。 2年ぶりに寄港する大型帆船「海王丸」をはじめ、監視船、巡視艇、浚渫船などの船舶が集結した本イベント。一般公開された船舶や出展ブースの様子をレポートする。
11月15日に開港記念日を迎える北九州港
北九州港は古くは大陸との交易における西の門戸として、近代以降は日本の工業化を支える港としての役割を果たしてきた歴史ある国際貿易港。11月15日に開港記念日を迎えることから、一般の人たちに海や港に親しんでもらうことを目的とする「北九州港開港記念イベント」が例年10月・11月の時期に開催されている。
「みなとオアシス門司港」は、開港130周年である2019年に国土交通省から登録を受け、北九州市門司港で港を活用したまちづくりを行なっている。本イベントの開会式では主催者を代表して「みなとオアシス門司港」運営協議会会長の野畑昭彦氏が挨拶。
本イベント開催にあたって企業・団体の関係者への感謝を述べ、大正ロマン漂う建造物群を有する港町・門司港エリアでは、1年を通して海や港の魅力を楽しめるイベントが開催されていることなどを紹介した。
「本日開催する北九州港開港記念イベントもその一つです。北九州港は11月15日に開港記念日を迎えることとなります。これを記念して今日と明日の2日間、みなさんに楽しんでいただける企画を盛りだくさん用意しています。こうしたイベントを通じて、門司港の魅力を存分に満喫していただければと思います」
本イベントでは“船舶大集合”と題して独立行政法人「海技教育機構」が運航する帆船「海王丸」など5隻の船舶が集合。開会式のステージには各船の船長が登壇した。
北九州港のマスコットキャラクター「スナQ」も駆けつけるなか、開会式では門司みなとアンバサダーから5隻の船舶の船長へ花束を贈呈するセレモニーも実施。5隻の入港を歓迎して、北九州市消防音楽隊とカラーガード隊「キタキューティーズ」による音楽と演技のパフォーマンスも行われた。
その後、10時を知らせる「海王丸」の汽笛とともに北九州市 港湾空港局長の倉富樹一郎氏が高らかに開会宣言を行なった。
“海の貴婦人”海王丸が門司港に 浚渫船による大迫力のデモンストレーションも
港湾事業への関心・理解の向上、ひいてはリクルート活動も視野に入れて企画されたという“船舶大集合”。船内の一般公開に加え、浚渫船が大きなバケットを開閉し、海水を掴む浚渫作業のデモンストレーションなども実施された。
独立行政法人「海技教育機構」の帆船「海王丸」は、4本マストを有する世界最大級のバーク型帆船。「日本丸」との姉妹船であり、その優雅な姿から“海の貴婦人”とも称されている。船員を目指す学生への実習訓練を行う練習船として運用されているが、本イベントでは2日間にわたり、一般公開が実施された。
株式会社 白海(しらかい)のグラブ浚渫船 兼 全旋回式起重機船「アポロ18号」は、令和4年11月に完成した船。海底の土砂をグラブバケットで掴み取って、航路を広く、深く掘り下げる浚渫作業などを行なっており、ピンク色の船体が特徴だ。大型船舶による最短距離での物流を実現するため、全国津々浦々の航路や港へ赴き、その整備・維持にあたっている。
門司税関監視艇「たいかい」は海上をパトロールし、24時間365日密輸・出入の取り締まりを、門司海上保安部巡視艇「ともなみ」は主に海難救助と海上の犯罪取り締まりを行なっている。両船ともメイン会場の西海岸イベント広場からは少し離れたところに停泊していたが、多くの人が列を成して船内を見学した。
また、次世代エネルギーとして期待される水素とバイオディーゼルを燃料に利用した、商船三井テクノトレード株式会社の国内初のハイブリット旅客船「HANARIA」も本企画に参加した。
大賑わいの"お船フェスタ"ブース
さらに西海岸イベント広場内には、"お船フェスタ"ブースとして6つの企業・団体がブースを設置。フェリー会社や海技教育財団などが船舶のPRやグッズの販売などを行なった。
日本全国133社の船主会社が会員となっている一般社団法人「日本船主協会」のブースでは、RORO船の正式名称を問う問題など、3問の「内航海運クイズ」に挑戦した来場者にノベルティグッズなどを配布。正答率に関係なく、スマホなどでクイズに参加するだけで、好きなグッズがプレゼントされる敷居の低さもあって、多くの人で賑わいを見せていた。
とくに文房具や絵本などが人気らしく、530人ほどがクイズに挑戦し、800人以上がブースに足を運んだ。
大型船舶で職員として働くために必要な4級海技士などの資格を取得するための学校を全国で運営する独立行政法人「海技教育機構」(JMETS)ブースは、本イベントで2年ぶりの出展。船員の中でも特にエンジニア不足が深刻化している背景もあり、今年は初の試みとして「エンジン分解体験」も実施した。
少しでも機関士の仕事に興味を持ってもらうため、エンジンの基本的な原理などを学ぶために学校の実習でも用いられている教材を使い、小学生などに帆船「海王丸」の機関士がエンジンの仕組みを説明していた。
取材に訪れた11月1日には、駅長が地元の人と作り上げたオリジナルのコースを歩くJR九州ウォーキングも開催され、ニッカウヰスキー門司工場の工場見学や帆船を巡るスタンプラリーにも多くの人が参加していた。普段は一般公開されていないウイスキー貯蔵庫なども見学でき、事前受付の段階で1200人が参加する人気ぶりだった。
子どもから大人まで楽しめる企画が目白押しの内容で、港全体がお祭りムードに包まれた「北九州港開港記念イベント」。
他にも特設ステージでは、「みなと」のお仕事制服ファッションショー、「みなと」のお仕事をPRする「ゆるキャラ」人気投票、麻薬探知犬によるデモンストレーションといったステージイベントも行われた。
2日目となる11月2日には「みなとまちナイト」と題して、ライトアップされた帆船「海王丸」をバックにジャズバンド等が演奏する音楽イベントを開催。フィナーレには花火が打ち上げられ、来場者たちは幻想的な夜の門司港を堪能したという。














