「今年も揉める?」センバツ選考 東京・関東“6枠目”の複雑性と、薄れゆく…

 全国各地の秋季大会が終了し、各地区の王者が集う明治神宮野球大会(以下、神宮大会)も19日に幕を閉じた。年明けの1月30日には選考委員会が開かれるが、出場校によってはファンの物議を醸すことも珍しくない。「21世紀枠」「東京・関東枠の“6校目”」──今年も、選考委員の頭を悩ます季節がやってくる。(文・八木遊)

今年の神宮大会枠は”九州地区”に

 

 19日に開催された神宮大会高校の部は、九州地区代表の九州国際大付(福岡)が優勝。11-1のスコアが示す通りの圧勝劇で、近畿地区代表の神戸国際大付(兵庫)を退けた。

 

 この結果を受け、九州地区が来春に行われる第98回選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)において、“神宮大会枠”を獲得した。

 

 

 同地区は例年なら、地区大会の準決勝に進出した4校がすんなり選ばれるが、1校増の5校が選ばれることに。最後の増枠分は準々決勝で敗れた4校の中から選ばれることになるだろう。

 

 北は北海道から南は九州まで、来年1月30日に開かれる選考委員会で21世紀枠2校と一般推薦枠で30校が選出される。基本的には1枠の地区なら優勝校が、2枠なら決勝に進んだ2校が選抜される見通しだ。

 

 しかし、中には毎年のように選考委員の頭を悩ます地区もある。最も複雑で、議論の対象となりやすいのが東京・関東の6校目だ。

 

“招待制”の色合いが濃いセンバツ

 

 例年通りなら、東京大会の優勝校と関東大会の上位4校が当確。6校目を巡って、東京大会の準優勝校と関東大会でベスト8に進んだ4校の計5校が選考の対象となることが多い。

 

 昨年は秋季関東大会を勝ち抜いた横浜(神奈川)が神宮大会を制し、東京・関東枠が「6」から「7」へ拡大された。そして、最後の1枠を、東京の2校目と関東の6校目で争ったが、なんと東京2校目の早稲田実(西東京)が選ばれ物議を醸した。神宮枠をもたらしたのは、関東大会覇者の横浜だったにもかかわらずだ。

 

 

 このように主催者による“招待制”の色合いが濃いセンバツでは、曖昧な選考基準がほぼ毎年、議論の対象となる。

 

 たとえば、2022年のセンバツで、2枠ある東海地区の2校目に選ばれたのは、準決勝で敗れた大垣日大(岐阜)だった。静岡勢同士の決勝戦になったことも影響を与えたか、それとも何らかの忖度が働いたのかは知る由もないが、準優勝した聖隷クリストファー(静岡)が落選の憂き目に遭った。

 

 その結果、多くの高校野球ファンからブーイングが起こり、同校のOB会が“33校目”としての出場を要請する異常事態に発展したことは記憶に新しい。

 

 これ以外にも地域制を加味しすぎた選考や、個人の力量による不可解な選考もたびたび取り沙汰されている。年によって、地区によって、方向性がぶれることも珍しくなく、不透明な選考過程に疑問が呈されるのは、もはや風物詩となっている。

惨敗するケースが散見される「21世紀枠」

 

 また、センバツならではの「21世紀枠」の選出を巡っても問題点の一つとして、ファンの関心が高いトピックだ。

 

 21世紀枠とは、部員不足などの困難を克服したチームや他校の模範となるチームに与えられる特別出場枠のことで、2001年の第73回大会から採用されている。

 

 

 「甲子園にあと一歩届かないチーム」に大舞台を経験させることで、高校野球のレベルアップを図ろうという目的で始まったが、実力を伴わない公立校が甲子園で惨敗するケースも散見される。また、ここでも選考基準の不透明さも相まって、その意義が問われて久しい。

 

 ただし、センバツは文字通り、主催者が出場校を選抜するもの。その点でブレがないともいえるが、ボーダーライン上にいる高校の部員は気が気ではない冬を過ごすことになるだろう。

 

 約2か月後に行われる選考委員会で、名前を呼ばれるのはどの32校となるのか。でき得る限り波風のたたない1日となってほしいところだ。

 

 

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【了】