全国的には知られていなくても、地元の台所には当たり前のように置かれている――あなたの街にも、そんな瓶詰や缶詰はありませんか? たとえば東北地方には、青森の『スタミナ源たれ』や福島の『うまくて生姜ねぇ!!』など、寒い地域ならではの知恵と味わいが詰まった“ご当地ストック食材”が数多くあります。
今回は、福島在住の筆者が、東北民なら誰もが知る定番の中から、全国のみなさんにもぜひ味わってほしい瓶詰&缶詰を4つ厳選してご紹介します。
■青森県民の胃袋を支える『スタミナ源たれ』
まずご紹介するのは、「青森では、どこの家庭の冷蔵庫にも入っている」と言われるほどポピュラーな調味料、『スタミナ源たれ』。青森県内ではタレのシェアNo.1を誇るご当地食材です。原料の産地にもこだわっており、ニンニクとリンゴは青森県産。さらに、ベースとなる醤油も青森県産大豆を使った自社製造です。 土地の恵みがぎゅっと詰まった、まさに“青森らしさ”を感じる一本です。
一般的な焼肉のタレに比べて、粘り気がなくサラッとしており、蓋を開けた瞬間からニンニクの香りが広がります。まさに「スタミナ」の名にふさわしい力強さです。
味わいは、鼻にふわっと抜ける醤油の香りに、口の中で広がるニンニクの辛味が絶妙にマッチ。やさしい甘みも感じます。
実際に、生姜焼き用の豚肉に『スタミナ源たれ』をからめて焼いてみると、火を通すことで、ニンニクの香りがまろやかになり、味はしっかりと肉に染み込みます。タレを吸った千切りキャベツもとてもおいしく、青森県民ならずとも、“常備したくなる一本”です。
■70年も愛され続ける宮城・石巻名物『ひげ鯨大和煮』
宮城県石巻市は、「世界三大漁場」のひとつである金華山沖を抱える、日本有数の水産都市。その地に1957年に誕生した木の屋石巻水産の『ひげ鯨大和煮』は、創業当初から作られている歴史ある缶詰。鯨肉を醤油、砂糖、生姜で甘辛く煮込んだ、地元ではおなじみの一品です。
鯨肉は高タンパク・低脂質で、体に吸収されやすいヘム鉄が豊富。さらに、疲労軽減に効果があるとされる「バレニン」というアミノ酸も含まれており、実はとてもヘルシーな食材。
やわらかく煮込まれた大和煮は、箸でそっと持ち上げないと崩れそうなほどほろほろ。見た目は牛肉の煮物に近い印象です。
味付けは保存食にありがちな塩辛さがなく、上品で食べやすい仕上がり。鯨肉特有のクセもわずかにありますが、羊肉やレバーに比べるとずっと穏やかです。
今回は、公式サイトで紹介されていた「鯨トマトキムチ」を作ってみました。大和煮とキムチの相性が抜群で、トマトの甘みとみずみずしさがほどよいアクセントに。栄養豊富な鯨肉と発酵食品、野菜の組み合わせで、満足感のある一皿になりました。
■福島県民の食卓をおいしく彩る名脇役『うまくて生姜ねぇ!!』
3つめにご紹介するのは、筆者の地元・福島県で「冷蔵庫には必ず入ってるよね」と言われるほどポピュラーな、『うまくて生姜ねぇ!!』。絶妙なネーミングセンスにクスッとさせられるこのご当地瓶詰は、『辛くて生姜ねぇ!!』や、秋田県の郷土料理いぶりがっことコラボした『いぶり生姜っこ』などの姉妹品も展開する人気シリーズです。
国産の生姜をあえて不揃いな大きさに刻み、醤油ベースのタレに漬け込んだ万能調味料で、ごはんのお供や焼肉の下味にぴったり。豆腐や納豆のトッピングなどにも使え、まさに食卓の名脇役です。
福島県では、類似品を見つけると「『うまくて生姜ねぇ!!』と何が違うの?」と聞く人が多いほど、地元に根づいています。
瓶をのぞくと、刻み生姜の大きさにばらつきがあり、小さな昆布の粒も見えます。口に入れると最初はまろやかですが、噛むたびにさわやかな香りが広がり、辛みが控えめな分、生姜のうま味をしっかり楽しめます。シャキシャキとした歯ごたえも魅力です。
今回は冷ややっこにのせて、塩や醤油を使わず『うまくて生姜ねぇ!!』だけで味わってみました。「乗せすぎかな」と思うほどたっぷりのせても、木綿豆腐の水気に負けず、生姜の香りがしっかり主張してきます。ぺろりと一丁食べたあとも、あとを引くおいしさです。
■福島の海藻が万能調味料に! 『松川浦かけるあおさ』
福島県相馬市の松川浦は、海藻の一種・あおさの名産地。地元では味噌汁や酢の物など、日常の料理に欠かせない食材として親しまれています。
そのあおさにフライドガーリックとオニオン、ごま油を合わせて万能調味料に仕上げたのが、『松川浦かけるあおさ』。相馬市のおすすめ商品「相馬ブランド認証品」にも選ばれていて、ごはんや豆腐などの和食はもちろん、パンやパスタなど洋食にも使える万能さが魅力です。
瓶を開けると、まず広がるのは力強いあおさの香り。お皿に広げると、ごま油やフライドオニオンの香ばしさも感じられます。油に漬け込んだたっぷりのあおさに、フライドガーリックのアクセントが効いて楽しい食感! 塩味もしっかりついています。
ごま油が効いたあおさは旨みが濃く、フライドガーリックのアクセントが効いた楽しい食感。塩味もほどよく、ちょっと乗せるだけで味が決まります。
トーストしたバゲットに乗せてみると、あおさのうま味とガーリックの風味がバゲットと相性抜群で、バターやマーガリン要らず。ボイルした鶏肉や白身魚のお刺身にも合いそうな、ポテンシャルの高さを感じました。
今回は、東北で長く愛されているご当地ストック食材を4品ご紹介しました。どの食材にも、寒い地域ならではの知恵と味わいが詰まっています。手軽に使えて日々の食卓にアクセントを添えてくれる、頼もしい相棒ばかり。“使える東北土産”としてもおすすめです。












