大分県といえば温泉のイメージが強いが、豊かな食文化にも恵まれていることから古くから「豊の国」と呼ばれている。大分県公式アンテナショップ「坐来大分」(東京都千代田区有楽町)では、現代的にアップデートされた「豊の国グルメ」を楽しむことができる。
「大分県って温泉以外何があるの?」
「ここ数年、大分県にもインバウンドのお客様がたくさんいらっしゃいますが、よく聞くのは『湯布院と別府は知っているけど、大分県って温泉以外何があるの?』といったことです。県庁所在地が別府市だと思っている方も多いようで、私たちのPRがまだ足りていないことを実感しています。もっと大分に来ていただき、知っていただきたいと思います」と大分県広報広聴課 課長の田吹美紀氏。
「複数の藩が存在していた背景から大分県民は"まとまりがない""一体性に欠ける"といわれることもあります。しかし競争意識や対抗意識が生まれやすかったがゆえに、それぞれの地域が独自の文化や地場産業など多様性を持って発達・発展してきました。そこから生まれた独自の文化、独自の食も多いです」(田吹氏)。
大分県が「おんせん県」と呼ばれる由来は原泉数、湧出量ともに日本一であることから。大分県広報広聴課主事 髙木美叶氏は、「大分県内18市町村のうち16の市町村で温泉が楽しめます。県内で温泉がないのは津久見市と豊後大野市ですが、津久見市は石灰石の生産業が日本一で、イルカと触れ合えるつくみイルカ島があります。豊後大野市は2021年から"サウナのまち"として知られています」と話す。
食文化として全国的にも有名なのは唐揚げととり天。「大分県民は鶏肉がすごく大好き。消費量は常に全国トップレベルです」と髙木氏。かぼすブリや関アジ・関サバ、地獄蒸しなども有名だ。
大分の郷土料理を現代風にアレンジ
「坐来大分」料理長 櫻井政義氏が、大分の郷土料理の中でもあまり知られていないものでも現代風にアレンジして提供してくれた(メニューは取材日限定)。
坐来大分では、このように郷土料理を現代風にアレンジした期間限定メニューも提供しているという。
1つ目の郷土料理は「臼杵きらすまめし」。
江戸時代中期に財政難に陥ることがあった際、刺身や魚をおろした後の中落ちに大豆の絞りかす(=おから)をまぶしてかさ増した倹約料理。非常に栄養豊富なのが特長だ。
これを現代風にすると……かぼすブリも添えられ華やかなひと皿に。
「今は質素倹約令を敷かれてませんので(笑)、栄養バランスを考えてチーズを加えました。ただ、"もったいない精神"は引き継ぎ、生姜の皮や根っこなども加工し使用しています」(櫻井氏)。
2つ目は「戸次ほうちょう」。
小麦粉を練って細いうどん状にし、薬味を入れたつけ汁につけて食べる麺料理だ。九州の戦国大名である大友宗麟がアワビ好きだったことから、アワビの腸のように小麦粉を細く伸ばして茹でたもの「鮑腸=ほうちょう」を献上したことが始まりだという。
これを現代風にすると……パスタ風に。大分県産の小麦を使ったスパゲットーニ風にして、アワビの肝と一緒に仕上げたという。
3つ目は各地域で独自に楽しまれている4種類のお寿司。
ひたん寿司は地元で取れる野菜や魚をネタにした握り寿司。とっきん寿司は頭巾を意味し、甘辛い油揚げの中に椎茸やごぼうを使った味付けご飯を詰めている。蕎麦寿司は酢飯の代わりに茹でたそばを使った巻き寿司。そして物相寿司は木製の正方形の型で押した寿司だ。それぞれ、大分の食材を使用し、食材やトッピングに現代風のアレンジを加えた。
最後は「やせうま」。練った小麦粉を平たく伸ばして茹でたものに、きな粉や砂糖をまぶした昔ながらのおやつだ。
今回は中津のイチジクや、大山の梅蜜煮、安心院のピオーネなどを使用しアラモード仕立てに。ヘルシーでありながら満足度の高いデザートとなった。
大分でゆっくり温泉に浸かったあとに伝統的な郷土料理を楽しむのもよさそう。旅の予習に、坐来大分で「豊の国グルメ」堪能してみてはいかがだろうか。
















