草なぎ剛が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』(毎週月曜22:00~ ※FODほかで配信)の第2話が、20日に放送された。
今回は「遺品の中にあるハズの700万円を探す…!?」という、一見するとミステリー仕立てのエピソードにも思えたのだが、実はその真相の意外性やトリックを追求するのではなく、このドラマらしく、遺品に込められた思いや、残された人々の心の動きを丁寧にすくい上げた、まさに“人間”に焦点をあてた内容に仕上がっていた。
単純なお仕事紹介ドラマではないことの表明
これまで多くの“お仕事ドラマ”が制作されてきた日本のテレビドラマでも、“遺品整理人”という職業はあまり描かれてこなかった領域だ。遺品整理という言葉を聞いても、実際にどんな作業を行い、どんな心構えで臨むのかを知る人は少ない。そういった点から本作は、“遺品整理人”を紹介する“HOW TOモノ”として展開することもできただろう。しかし、『終幕のロンド』はその道を取らなかった。
第1話では職業のディテールを手際よく描きつつも、物語上での最初の依頼は早々に済ませ、今作の縦軸となるであろう、余命宣告を受けたこはる(風吹ジュン)とその娘・真琴(中村ゆり)を取り囲む御厨家の物語へと転じていった。それは主人公自身の喪失と再生を、御厨家と対比させるためであり、今作が単純な1話完結モノや、お仕事紹介ドラマではないという表明だった。
とはいえ、私たちは“遺品整理人”の詳細を知らないにもかかわらず、どうしても邪推してしまうことがある。それは、正しい査定は行われるのか? 盗難などは行われないのか?という“遺品整理人”の根本にかかわる部分だ。たとえこれが正しさを描くドラマだと分かっていても、今作が人間ドラマに軸を置いた作品だと知っていても、生々しい現実的な不信感を少なからず抱いてしまうのだ。
それに対し、今回は「遺品にあるハズの700万円」というエピソードによって、真正面から描いてみせた。しかもその描き方は、決して対立や告発の形ではなく、疑われることも含めて受け止める――「大切な人を失った遺族は、どんな形であっても“癒やし”を求めている」という視点によって決着させたことが、このドラマの良心だっただろう。
特に新人遺品整理人のゆずは(八木莉可子)が、遺族から理不尽とも思えるほどのふるまいをされたにもかかわらず、堪えることができた場面は気持ちが良かった。御厨家で描かれる“不穏”は分かりやすいものが多い中で、こと遺品整理に関しては、単純なキャラクター設定だけで闇雲に物語をかき乱さない。そんな真摯(しんし)な姿勢が見えたような気がしたのだ。
死をテーマにした中で挿入される食事シーン
その背景にあるのは、やはり草なぎ剛が演じる主人公・鳥飼という存在が大きかった。
遺品整理人への邪推は、説明しようのない“信頼”でしか拭い去ることはできない。もちろん作中でも、再度遺品を確認する熱心さをみせたり、金額を不審に思った真琴が相見積もりをとったりという、信頼に値する描写はあったのだが、それだけではない。鳥飼のぼくとつでありながら強い信念を持っているという複雑な人間性を、草なぎだからこそ最高の形で表現でき、説明しようのない“信頼”をまとわせることに成功させたのだ。そしてそれによって、遺品整理のエピソードに対して、今後は邪推がなく、よりクリアな形で見えてくるという構成にも役立った。
また、今回気になったのは、おにぎりや炊き込みご飯などの食事のシーン。「食べることは生きること」である。遺品整理人という死をテーマにした作品で、さりげなくそんな生シーンが挿入されるのだ。今作はやはり、表層だけでは分からない“何か”を秘めている。隅々まで凝視したくなる作品だ。








