(左から)広島東洋カープの坂倉、森下、アドゥワ(写真:産経新聞社)

 レギュラーシーズンがまもなく終了し、プレーオフ期間に突入するプロ野球。昨季と同様、広島東洋カープは夏場の失速を経験し、Bクラスが確定した。また、選手個々の成績を振り返ると、誤算と言えるパフォーマンスに終わった選手も少なくない。今回は、苦しいシーズンに終わった広島の選手を取り上げたい。(今季成績は10月1日時点)

塹江敦哉

・投打:左投左打

・身長/体重:178cm/91kg

・生年月日:1997年2月21日

・経歴:高松北高

・ドラフト:2014年ドラフト3位

 

 昨シーズンの大活躍から一転、まさかの大不振に終わったのが広島東洋カープの塹江敦哉だ。

 

 高松北高から2014年ドラフト3位で広島に入団。プロ3年目に一軍デビューを果たすも、同年はわずか3試合の登板で防御率11.37と苦い結果に終わった。

 

 

 2017、2018年は一軍登板の機会がなかったが、2020年に52試合に登板し、リリーフとして一定の役割を担った。翌年も51試合に登板するなど、2年続けてフル回転を見せた。

 

 そして迎えた昨季、自己最多の53試合に登板すると、防御率1.58と抜群の成績をマーク。サイドスローへの転向が功を奏した1年だった。

 

 今季もフル回転を期待された中、開幕から失点を重ね、二軍降格。8月の一軍再昇格後も調子が上がらず、防御率5点台と大きく成績を落としている。

 

 まさに誤算だったと言える今季だが、ファームでは防御率1点台と本来の投球が出来ているだけに、来季の復調を期待したい。

森下暢仁

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/81kg

・生年月日:1997年8月25日

・経歴:大分商 - 明治大

・ドラフト:2019年ドラフト1位

 

 今シーズンは大きく負け越した広島東洋カープの森下暢仁。防御率を考えると、気の毒な一面もあった。

 

 2019年ドラフト1位で広島に入団。即戦力投手として期待に応え、プロ1年目から18 試合に登板し10勝3敗、防御率1.91という圧巻の成績を収め、新人王を獲得した。

 

 

 プロ2年目の2021年も8勝7敗、防御率2.98と安定した投球をマーク。その後も先発ローテーションの座を守り抜き、入団から3年間で2度の2桁勝利を記録した。

 

 打線との兼ね合いもあり、勝ち星が伸びないこともあったが、先発ローテーションに欠かせない存在となった。

 

 昨季は防御率2.55と好成績を収めた一方、10勝10敗と個人での貯金を作れず。自身初の2桁敗戦を喫してしまった。

 

 開幕投手を任された今季は、規定投球回をクリアしたものの、6勝14敗と大きく負け越すシーズンに。

 

 防御率2.48が示すとおり、決して悪いピッチングではなかっただけに、まずは怪我を治して来季こそ貯金を増やしたい。

アドゥワ誠

・投打:右投右打

・身長/体重:196cm/80kg

・生年月日:1998年10月2日

・経歴:松山聖陵高

・ドラフト:2016年ドラフト5位

 

 今季はファームでも振るわないアドゥワ誠も、誤算に終わった1人と言えるだろう。

 

 松山聖陵高では3年時に甲子園を経験。高身長から繰り出される速球が高く評価され、2016年ドラフト5位指名で広島東洋カープに入団した。

 

 

 ルーキーイヤーは一軍登板がなく、二軍成績も防御率10点台と苦しんだが、入団2年目で早くも修正能力を発揮し、キャリアハイの53試合に登板。

 

 同年は防御率3.74の成績を残し、リリーフとして頭角を現した。しかし、翌2019年は19試合の登板に終わると、2020年に右ひじの手術を決断。暫くはリハビリに費やした。

 

 2023年に一軍復帰を果たすと、昨季は先発ローテーションを掴み取り20試合の登板で6勝4敗、防御率3.13の成績を収めた。

 

 迎えた2025年、さらなる活躍を期待されていたが、ここまで一軍で4試合に登板し0勝3敗、防御率5.21と大不振。

 

 ファームでも防御率4点台と苦しんでおり、シーズンを通じて悔しい1年となった。来季へ向けて復調が待たれる。

黒原拓未

・投打:左投左打

・身長/体重:173cm/82kg

・生年月日:1999年11月29日

・経歴:智弁和歌山高 - 関西学院大

・ドラフト:2021年ドラフト1位

 

 昨季の大躍進から一転、今季は一軍出場なしに終わってしまう可能性が高い広島東洋カープの黒原拓未。

 

 智弁和歌山高から関西学院大に進み、150キロを超えるストレートで注目の的だった黒原。2021年ドラフトで1位指名を受け、広島の一員となった。

 

 

 プロ入り初年度となる2022年は一軍で12試合に登板したが、防御率6.52とプロの壁に阻まれるシーズンに。。

 

 翌2023年もファームでは好成績を収めるも、一軍では5試合の登板にとどまり、防御率10.66の成績に終わった。

 

 それでも昨季は、リリーフに本格転向し大ブレイク。前年までの登板数から大きく伸ばし、53試合に登板。防御率は2.11と好成績を残し、新人王投票では2位となった。

 

 昨季同様の活躍が期待された今季だったが、5月に左膝半月板を手術。一軍復帰を果たせないまま2025年を終える可能性が高いだけに、来季の復活が期待される。

矢野雅哉

・投打:右投左打

・身長/体重:171cm/72kg

・生年月日:1998年12月16日

・経歴:育英高 - 亜細亜大

・ドラフト:2020年ドラフト6位

 

 広い守備範囲が魅力である一方、打率を大きく落とした矢野雅哉。今季は間違いなく不完全燃焼の1年だったはずだ。

 

 矢野は育英高から亜細亜大に進学。大学リーグで首位打者を獲得し、バッティングも高く評価。2020年ドラフト6位で広島東洋カープに入団した。

 

 

 ルーキーイヤーは一軍で無安打に終わるも、プロ2年目に初ヒットを記録。守備固めなどで出場機会を増やすも、打率は1割台に沈み、打撃面が大きな課題となっていた。

 

 一方、広い守備範囲と強肩を武器に、昨季はショートのスタメン機会が増加。プロ4年目で初の規定打席をクリアし、打率も.260と大幅に向上した。

 

 今季は絶対的な存在を目指す1年だったが、春先から状態が上がらず。6月こそ月間打率.281と復調気配を見せたものの、8月は月間打率.125と苦しんだ。

 

 卓越した守備センスを誇り、「ポスト菊池」との名も挙がるが、真のレギュラーを掴み取る為にも、打撃面での成績向上が必須と言える。

坂倉将吾

・投打:右投左打

・身長/体重:177cm/91kg

・生年月日:1998年5月29日

・経歴:日大三高

・ドラフト:2016年ドラフト4位

 

 例年になく苦しんだ今季の坂倉将吾も、広島東洋カープにとって大きな誤算だった。

 

 日大三高から2016年ドラフト4位で広島に入団。高卒4年目の2020年に81試合に出場するなど、頭角を現し始めた。

 

 

 翌2021年は132試合に出場。自身初の規定打席到達をクリアし、打率.315、12本塁打と好成績をマークし、ブレイクを果たした。

 

 続く2022年は全試合出場を達成。ホームランはキャリアハイの16本を数え、長打力不足に悩むチームにおいて、欠かせない存在となった。

 

 今季は開幕前に右手中指を骨折。開幕こそ出遅れたが、5月は月間打率.309の成績を収めていた。しかし、スローイングの不正確さが目立ち、盗塁阻止率は1割台。

 

 さらに打撃の状態も上がらず、4年連続で記録していた2桁本塁打の記録も止まる可能性が高い。来季チームが浮上するためにも、坂倉の復活は絶対条件だ。

 

 

【了】