レガシーフォースを運営するモロは9月4日、「シニアエンジニアの働き方意識調査」の結果を発表した。調査は2025年7月、40代~60代のITエンジニア600人を対象にインターネットで行われた。
ベテラン層が恐れるのはAIより"技術力の劣化"
今後のキャリアに対する不安を尋ねたところ、最も多かったのは「技術の変化についていけず、スキルが古くなるかもしれない」で202人(33.7%)、次いで「年収が下がってしまうかもしれない」が183人(30.5%)だった。
年代別に見ると、50代の年収低下への懸念が71人と突出しており、役職定年や昇給鈍化などキャリア後半特有の事情が影響していると考えられる。
一方、「AIの進化で仕事が奪われるかもしれない」との回答は年代が上がるほど減少し、40代73人から60代31人へと半数以下に低下した。若い世代ほどAIの影響を意識し、年齢が上がるにつれてスキルや収入といった現実的な課題への不安が強まる傾向が見て取れる。また「特に不安はない」と回答した層は40代44人、50代37人、60代60人と年代が上がるほど増加し、60代では不安を抱く層と抱かない層の二極化が浮き彫りになった。
約4割がバイブコーディング利用経験あり
AIを活用したコーディング支援(以下、バイブコーディング)の利用状況では「興味はあるが使ったことがない」が192人(32.0%)で最多、次いで「試したことはあるが業務では使っていない」が133人(22.2%)だった。「現在積極的に業務で使っている」と回答したのは92人(15.3%)にとどまるものの、両者を合わせると全体の37.5%が利用経験を持つことがわかった。ベテラン層でも、多くのエンジニアが新技術を「まず試してみる」姿勢を持っていることがわかる。
年代別に見ると、積極利用は40代37人、50代39人に対し、60代は16人と大きく減少した。一方で「興味はあるが未使用」の割合は年代が上がるほど増加し、40代53人、50代64人、60代66人となっている。現状は、関心は高いが利用に至っていない潜在層が厚く、環境整備や導入支援次第で普及が進む余地が大きいことが示唆される。
AI技術習得"必要なら学ぶ意欲あり"が最多
続いて、AI技術の習得に意欲について質問した。結果、「業務で必要とされれば学ぶ」が266人(44.3%)で最多とななった。「積極的に学びたい」が152人(25.3%)、「学ぶ意欲はない」が104人(17.3%)、「年収が上がるなら学ぶ」が78人(13.0%)と続いた。「業務で必要とされれば学ぶ」層は、40代69人、50代95人、60代88人と、50代・60代でより多くなった。
新しい言語習得はAIより自発的意欲が低下
AI技術の習得意欲については「業務で必要とされれば学ぶ」が266人(44.3%)で最多となり、全年代に共通した。一方で「積極的に学びたい」は152人(25.3%)にとどまり、学習意欲は"実務に直結するかどうか"で左右される傾向が見える。
新しいプログラミング言語やフレームワークについては、「積極的に学びたい」が116人(19.3%)とAIより36人少なく、「学ぶ意欲はない」は117人(19.5%)とAIより13人多い結果に。AIの方が自発的学習意欲が高く、言語は移行コストや既存資産の整合負担が背景にあるため、意欲が低くなりやすいと考えられる。特に50代では積極的に学びたい層が25人と大きく減少した。
日常利用AIツール、ChatGPTが約37%で最多
業務で日常的に使用しているAIツールについては、ChatGPTが223人で圧倒的に多く、全体の約37%を占めた。次いでGemini(旧Bard)が91人、GitHub Copilotが73人となっている。
一方、「使ったことがない」と回答した層が196人(約33%)と3分の1を占め、AIツール未使用者も相当数存在することが明らかになった。コード支援特化型のAIツールであるAWS CodeWhispererは26人、Replit Ghostwriterは10人、Codiumは9人、Pro Codeは8人と利用者は現状限定的。「使ったことはあるが業務で使用していない」層が108人(18%)おり、試用経験はあるものの実践での継続利用に至っていないケースも一定数存在していることが判明した。







