三味線の伴奏に合わせて太夫が物語を語り、人形遣いが人形を操る総合芸術・人形浄瑠璃。ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、日本の伝統芸能です。そんな人形浄瑠璃の匠の技を表したある動画が、SNSで話題になっています。
国内外で人形浄瑠璃の公演を行っている「淡路人形座」の公式Xアカウント(@Awajiningyoza)に投稿されたのは、女人形と男人形で、それぞれ男女の動きを入れ替えてみた、という動画。
まずは、女人形の【女】の動き。可愛らしく、柔らかい動きで、人形が女性であることを表現します。
そしてその後、同じ女人形で今度は【男】の動きをしてみると……
【女】の動きと比べて、大きく力強い表現に変わりました。先ほどと同じ人形、同じ人形遣いの動きとは思えないほど印象が一転します。
お次は、男人形の【男】の動き。こちらも男らしい、直線的な動きで表現されています。
そしてまた男女を入れ替え、男人形に【女】の動きをさせてみると……
今度は小さく、柔らかい動きに変わりました。とくに女性ならではの仕草を表しているわけではないのに、女性に見える、まさに匠の技術ですね。
この動画がXにポストされると、「女人形が男の動きをすると、なんだか「姉御」って感じがしました」「なんか動きが変わると人形の顔つきも違ってるような気がします」「男女どちらの動きも滑らかで、本当に生きているかのように感じました」「人形以外が視界から排除されるのすごくないですか??」「技術が凄い…」と、人形遣いの技術に感嘆の声が。
いったいどのようにして、男女の動きの違いを表現しているのでしょうか? 淡路人形座の方に聞いてみました。
投稿者さんに聞いてみた
――男の動きと女の動きの大きな違いはどのようなところにあるのでしょうか?
例えば手を動かすとき、また頭を動かすときなど、男性は直線的に動かし、女性は曲線的に動かす違いがあります。
――この動画のように、男女の動きの違いを表現できるようになるまでには、どれほどの修行が必要なのでしょうか?
足遣い(7~8年)、左遣い(7~8年)を経て頭遣いへと進みます。足遣い・左遣いで合図の出し方、人形の動き、主遣いの動きを習得するため、長い時間の修行が必要になります。足・左の修行期間でも脇役の左や頭を遣うとこはありますが、頭遣いは役柄に応じた使いわけや、人形遣いの人生経験が必要とされるため「一生が勉強」と言われております。
――人形浄瑠璃の面白さ、魅力はどんなとこにあると思われますか?
太夫・三味線・人形が三位一体となった総合芸術です。太夫の語りと三味線の音色で舞台全体の感情を動かし、人形が生きて見える表現力がひとつになることで、観客を非日常の世界へ引き込むところだと思います。
500年の歴史を持つ人形浄瑠璃。「一生勉強」という言葉が出るなど、長い長い研鑽の積み重ねで私たちに芸術が届いているのですね。
女人形が男の動きをすると?
— 淡路人形座【公式】 (@Awajiningyoza) August 22, 2025
男人形が女の動きをすると?
人形浄瑠璃の「動きの入れ替え」で印象が一変する。 pic.twitter.com/2GOSf5ybPy








