11年ぶりに復活するフジテレビ系バラエティ特番『爆笑レッドカーペット ~真夏の最新ショートネタ60連発! 大復活SP~』(11日18:30~)。芸人たちが普段とは違う約1分間のショートネタを披露しては、レッドカーペット仕様のベルトコンベアで流されていくのが代わる代わる繰り広げられていく画期的なスタイルで、2000年代のフジ黄金期を支えた番組だ。
MCの高橋克実&今田耕司、常連組の狩野英孝、しずる、フルーツポンチ、柳原可奈子といった面々に加え、こちらも変わらず総合演出を務めるのは、藪木健太郎氏。芸人たちにショートネタを披露してもらうことの「亜流」の意識や、フジテレビに変わらず息づく「笑いという文化に対する許容度」、そして近年増加するリバイバル番組における“魂”の必要性などを語ってくれた――。
『THE SECOND』王者が舌を巻くナイツの短尺化術
2008~10年のレギュラー放送当時は、ショートネタブームを巻き起こして「お笑い革命」と評価される一方、つまみ食いのように見せていくことに少なからず批判の声もあった。新たな道を開拓した人気番組の宿命とも言えるが、制作側としては「あくまで亜流なので、本流になってはいけない」との姿勢で臨んでいたという。
その中で決して欠かさなかったのは、芸人たちへのリスペクト。
「それまでショートネタを披露する時は、ネタ中に突然カーテンが下りて強制終了するという演出が多かったんですけど、それは制作の笑いなんですよ。でも、ネタのオチは芸人さんが取るべきだというのが僕らの流儀なので、尺が短くても途中で終わらせるより、ちゃんと詰めて、“おかわり”があったらその続きを見せられるようにしました」
初登場組は、『レッドカーペット』に合うショートネタ作りのノウハウがないため、「特に漫才はツカミの部分だと若干弱いので、“もっと先に行って笑いの本質のところをトントンって行く感じにできますか?”とか相談します」と、制作側からもアイデアを出すという。
ネタ時間6分で競い合う『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』王者で『レッドカーペット』初登場のツートライブは、ナイツのネタを見て「1分どころか、もっと短く感じるくらいなのに、ちゃんと笑いを取ってた」(周平魂)、「あれはすごかったなぁ。詰めて詰めて、おもろいところだけ残して」(たかのり)と驚いていたが、藪木氏も「ナイツは、このパッケージでどれだけ詰め込めばどれくらいのものになって見応えがあるのかというのを、知り尽くしてるんです」と、経験の大きさを語る。
コントに関しては、最後の一言を重視。「現場でリハーサルして、“最後あんまり反応がないかもしれないから、一つ前のセリフで終わったほうが絶対いい”というように、刈り込んでいく作業が多いです。“大笑”のボタンを押しやすい、笑いやすいタイミングというのは、こちらのほうが感覚として分かっているので、“ここのオチまで行くより、ここで終わったほうが絶対気持ちよく笑えると思います”などと相談しながら決めていきます」と、この番組ならではの調整を行っているのだ。
『爆笑レッドシアター』を経て高まったテレビネタ尺の自由度
ネタの実力があるにもかかわらず、ショート尺がハマらない芸人もいた。そこで企画したのが、『爆笑レッドカーペット』の常連組だった狩野英孝、しずる、ジャルジャル、はんにゃ、フルーツポンチ、柳原可奈子、ロッチ、我が家といったメンバーが長編コントなどを披露する『爆笑レッドシアター』(09~10年)だ。
「ネタを短くして申し訳ないという思いがあった中で、正式なものがちゃんとあるというのを見せる場所を用意したいと考えて立ち上げた番組です。“客演”を設けて、東京03さんとか、COWCOWさんとか、『レッドカーペット』には合わなかったけど、ちゃんと面白いネタを持っている人たちに出てもらったんです」と狙いを明かす。
その結果、「やっぱり面白いネタは見てもらえる」と自信がつき、「以前はテレビで4分以上ネタをやると(毎分視聴率が)落ちるというのが常識だったのが、今は長い尺でできる場所が広がってきていると思います。東京03さんなんて『ENGEI(グランドスラム)』でも『ザ・ベストワン』(TBS)でも8~9分渡してますからね」と変化が。
『爆笑レッドカーペット』で短尺の可能性を切り開いたのをきっかけに、テレビにおけるネタ尺の自由度が高まったとも言える。


