日本テレビの単発枠『サンバリュ』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で昨年7月に放送されたバラエティ番組『変顔スパイ』が、「テクニカルディレクションアワード」(一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション主催)のAI部門でSilver(銀賞)を受賞した。
アイデアを実現するための技術の企画・設計が優れたプロジェクトを表彰する同アワード。バカリズムがMCを務めた『変顔スパイ』は、日テレが開発したAIシステムをバラエティで初めて活用し、スパイに扮した出演者たちが変顔で顔認証カメラをあざむきながら、敵アジトでの試練に挑む“脱出ゲーム系バラエティ”で、「AIならではの定量評価をゲーム番組に応用し、これまでのどの放送作品とも異なる新たな演出手法を切り拓いた」と評価された。
審査員の岡田太一氏は「猫も杓子も生成AIのご時世において、生成“じゃない方”のAIの使い方が素晴らしいです。番組企画自体がAIモデルに立脚して成立しており、しかもちゃんと面白い」「放送という分野における特殊な要件にうまくインテグレーションできていること、また、現場のオペレーションを想定してアプライアンスレベルまで落とし込んでいることも評価しました」とコメント。
木村匡孝氏は「技術発案を起点に番組企画を立ち上げている点に、テクニカルディレクションが強く機能していることを感じました。また、PC1台で完結する設計や、SDI対応など現場のフローを踏まえた配慮には、映像制作全体を見渡したハンドリングの妙があります。新技術への理解と現場での堅牢なシステム設計を両立していてお見事!」と称賛した。
企画したのは、情報番組『DayDay.』を担当する村岡隼斗氏と、技術統括局でCG運用を担当する三浦祐樹氏という2023年入社の同期2人。部署の垣根を越えて当時入社1年目で提出した企画だ。
授賞式で三浦氏は「どうしても理解のハードルが上がってしまいがちな技術というものを、視聴者に分かりやすく、そしてユーモラスに伝えるというところに心血を注ぐことがテレビマンとして重要だということを、諸先輩方に教わりました」といい、「こういったAIを演出の核としたテレビ番組は、業界にとって鉱脈だと思っています。これからも新しい企画をぜひ模索していけたらと思っております」と意欲を述べた。
