
「FUJI ROCK FESTIVAL25」が7月25日(金)、26日(土)、7日(日)の3日間、新潟県湯沢町・苗場スキー場で開催された。Rolling Stone Japanのフジロック総括レポより、1日目・金曜に出演したフレッド・アゲインのステージをお届けする。
FRED AGAIN..
21:10-22:40 GREEN STAGE
「今、東京から巨大な発電機が運ばれているんだ! もう1時間は遅れるよ!」とのアナウンスがフレッド・アゲインのInstagramで発表された時の、あのゾクゾクした気分は忘れられない。最終的な開演時刻は23時前、しかしGREEN STAGEの人波が止まることはない。思えば彼はいつだって、リスナーと真にピュアな会話を試みてきた。サンプラーでもシンセサイザーでも巨大な発電機でも、ツールはなんでもいい。苗場で彼とオーディエンスが深くコネクトするためには、こういうスペシャルが必要だったのだ。
バックステージからカメラを持ち、満面の笑みで登場したフレッド。ピアノをバッグにしたアンビエントから幕を開ける「Kyle(i found you)」で静かに夜を始める。VJで映し出された日本語のメッセージは真摯に響き、各々の『actual life』が、外皮を削がれた状態で時に寄り添い、時に激しく交差する。自らドラムセットに座った「Victory Lap」でボルテージを引き上げると、ステージを降りて中央のPAエリアに直立しているパッドをフレッドが操り、「Jungle」や「Rumble」といったクラブバンガーが矢継ぎ早に投下される。Joy (Anonymous)を迎えた「peace u need」で感傷的になったあと、リンダ・フィロメーヌ・ツオンギによる「leavemealone」の人力ドラムンベースで聴衆をジャックし、0時を回ってもなおハートフルなダンスタイムは続いた。最後はサプライズで来日公演をアナウンスした彼、何回私たちを喜ばせれば気が済むのだろうか。(風間一慶)
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