
欧州の自動車メーカーの多くは、自動車というハードウェアを販売するだけでなく、その車を乗りこなすためのドライビングテクニックを磨くなどさまざまな体験、いわばソフトウェアを提供するプログラムを用意している。
【画像】「ブルガリ ホテル 東京」と「THE MAGARIGAWA CLUB」を舞台に開催されるアウディの特別なプログラム(写真12点)
アウディもそうしたブランドのひとつであり、ドイツ本国で1983年より独自のドライビングプログラム 「Audi driving experience」をスタートし、40年以上の歴史を重ねている。そして当プログラムは日本においても2001年に始まっており、およそ四半世紀に及ぶ時間のなかで、5000人以上が参加してきた。
VWグループにおいて電動化の先駆的存在でもあるアウディは2020年よりEVシリーズ「e-tron」の国内販売を開始。コンパクトSUVの「Q4 e-tron」、ラージSUVの「Q8 e-tron」、スポーツサルーンの「e-tron GT」に続いて今年4月より、ミッドサイズSUVの「Q6 e-tron」を発売した。
こうしたEVのデビューにあわせて、「Audi driving experience」も新たなプログラムが登場している。今回参加してきたのは、「Audi e-tron driving experience」。その名のとおりアウディのEVシリーズ「e-tron」モデルを使用し、さまざまな体験を行うものだ。
このプログラムはクローズドなコースでドライビングテクニックを学ぶ、一般的なものとは一線を画すもの。午前9時、東京・八重洲にあるラグジュアリーホテル「ブルガリ ホテル 東京」を拠点にプログラムはスタートする。
参加者は自分の車でホテルに到着すると、バレーパーキングのサービスが受けられ、東京ミッドタウン八重洲の最上層に位置するホテルへと案内される。受付をすませると、しばしのあいだ、その日貸し切りにされたテラスルームから東京の街並みを望む。
その後、コーヒーをいただきながらブリーフィングを受け、最初のプログラムである公道試乗へと向かう。参加者には「Q4 e-tron」または「Q6 e-tron」が割当られ、まずは紀尾井町にある急速充電ステーション「Audi charging hub」を目指す。ここは2024年3月に国内初のAudi charging hubとしてオープンした高出力150kW充電施設で4台分の充電スロットを用意。アウディオーナーのみだけでなく、CHAdeMOに対応する全EVユーザーが利用できる。充電施設のない都心のマンションなどに暮らす人も、こうした施設があれば不便なくEVを使うことができるはずだ。
次に今年4月に芝公園にできた「Audi charging hub 芝公園」に向かう。こちらは2台分の充電スロットのほか、2階にはアウディオーナー専用のラウンジが用意されている。芝公園の緑と東京タワーを眺めながら、リラックスした充電時間が味わえる空間だった。ここなら少しばかりの充電時間も苦にならないはずだ。
いちど「ブルガリ ホテル 東京」に戻るとお楽しみのランチタイム。世界中のブルガリホテルのガストロノミーコンセプトを監修する、ミシュラン三つ星シェフ ニコ・ロミート氏プロデュースのコンテンポラリーなイタリア料理をいただく。ジノリの皿や美しく輝くカトラリーなど、目だけでも楽しめる。絶妙な火入れで、とても柔らかくきめ細やかな肉質の仔牛のフィレ肉に組み合わされた複雑な味わいのソースや、チョコレートとアーモンド、カカオソルベなどさまざまな食感と味覚が合わさって押し寄せるデザートなど、至福の食体験が味わえる。これを目的にこのプログラムに参加している同伴者もおられるという。
食後は、ふたたび「Q4 e-tron」または「Q6 e-tron」に分乗し、ドライブをスタート。首都高速から東京湾アクアラインを経て、館山自動車道などで高速道路における「e-tron」モデルの動力性能や静粛性を体感する。途中、高速道路を下車してワインディングセクションも試す。
その先にある目的地は、千葉県南房総市にある「THE MAGARIGAWA CLUB」。世界屈指の会員制プライベートドライビングクラブで、コースデザインはF1サーキットの設計を手掛ける「Tilke Engineers & Architects」によるもの。全長3.5㎞で、上り20%、下り16%勾配、22のコーナー、800mのストレートを擁するハイスピードかつテクニカルな本格コースだ。
「THE MAGARIGAWA CLUB」に到着すると、まずはアフタヌーンティーでひと休み。冷暖房を完備したパドックに用意されていた試乗車は、先の「Q4 e-tron」と「Q6 e-tron」に加えて、「RS e-tron GT」、そしてサプライズとしてV10エンジンを搭載する「R8 Coupe」が用意されていた。静かに速い「e-tron」モデルはいずれももちろん素晴らしいが、エンジンの魂動を感じるR8の気持ち良さを再認識した次第(残念ながら今後のプログラムでは、試乗車としてR8は用意されないとのこと)。
走行はプロのインストラクターが様子を見ながら、無線での指示も加えつつ先導してくれるので安心。4モデルを各2周ずつ、計8周と十分な時間をかけて走行することができるので、終盤にはコースを覚え、コンフォート、バランス、ダイナミックなどいろいろなモードを試しながらの走りを楽しめた。
「THE MAGARIGAWA CLUB」での走行を終えると、ふたたび「ブルガリ ホテル 東京」を目指す。夕刻の渋滞をすり抜けながら19時半頃にホテルに到着し、プログラムの修了式をうけた。丸1日、これだけ充実した内容で参加料12万円(税込み。同伴者4万円/名)はとてもリーズナブルだと思う。「e-tron」モデルだけでなく、「THE MAGARIGAWA CLUB」を走行したいという理由で関西や九州から参加されている人もおられた。そしてこのプログラムはリピーターが多いというのも、うなずける内容だった。
次回の「Audi e-tron driving experience」の開催日は、2025年9月4日(木)、9月5日(金)、10月9日(木)、10月10日(金)の4日間を予定。申込み受付期間は、7月27日(日)までなので、興味のある人はお急ぎを。
https://www.audi.co.jp/ja/brand/brand_experience/ade/layer/e-tron_driving/
文:藤野太一 写真:アウディ ジャパン
Words: Taichi FUJINO Photography: Audi Japan