「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱える皆さんに、いろいろな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は、広告業界のリーディングカンパニーである「博報堂」の先輩社会人にインタビュー。
人事室で新卒採用を担当する市川由季乃さんに、人事としての業務内容や就活生時代に考えていたことを聞いてみました。
・新卒採用担当として、採用戦略策定やインターンシップの企画運営、選考設計などを担う。
・大学時代は、ミスターコンの運営をしていた。
コロナ禍では、何か外出せずともできることはないかと考えて自身で英語や韓国語の勉強をしていた。
INDEX
――自己紹介をお願いします。
博報堂 人事室 タレントアクイジション部の市川由季乃です。現在入社3年目で、新卒採用を担当しています。本日はよろしくお願いします。
――現在の仕事内容について教えてください。
新卒採用に関する業務全般に従事しています。具体的には、採用戦略策定やインターンシップの企画運営、説明会への登壇などがあります。総合職での採用になるため、入社するまでタレントアクイジション部の具体的な仕事内容については知りませんでした。
――人事を希望して入社されたわけではないんですね。ただ、年代の近い就活生と関わることが多い仕事という点で、市川さんならではの視点が強みになる瞬間があるのではないでしょうか。
そうですね。採用活動に関するイベントは、私の就職活動中の経験を踏まえて実施することもありますので、大学卒業からあまり時間が経っていない私の視点は活かされていると思います。また、就活生にとっても年次の離れた先輩社員より、若手である私の方が話しやすいと感じる部分もあるのかなと思っています。
一方で、就職活動におけるトレンドが数年で大きく変わったなと感じることもあるので、今のトレンドを適切に把握することや学生の皆さんの話を実際に聞くことを大事にしています。

――人事目線でどんな人が「博報堂」という会社に合っていると思いますか。
何かに熱中した経験がある人、今熱中していることがある人が合っていると思います。博報堂の社員は、「どうすれば担当しているクライアントさんの商材が生活者に使用してもらえるか、知ってもらえるか」を考えることが主な仕事です。
世の中に商材を広げていくためには、まずは自分自身がその商材に対していかに愛や熱意を持てるかが、仕事を進める上での基本になります。そのため、趣味や部活動、サークル活動、小中高含め学校で取り組んだことなど何かに夢中になった経験がある人は、弊社でも活躍されるのではないかと思っています。

――なぜ商学部に入ろうと考えたのですか。
大学のオープンキャンパスに行った際、マーケティングの授業を受けて面白いと感じたのが理由です。入学してからは、どちらかと言えばデータ分析や計量経済学の勉強にハマっていました。
――大学2年生の終盤、コロナ禍においても前向きな行動を続けられた原動力を伺いたいです。
そもそも自分の性格の根本に、じっとしていることが好きではない点と好奇心を持ったことに対して「とりあえずやってみよう」と考える点の2つの特徴があります。
この性格もあり、コロナ禍でも、できることを考えて「やってみる」ということをしていました。
具体的には、「趣味の海外旅行がまた行けるようになった際に役立つだろう」と思い英語を勉強したことや、入学当初からしていたミスターコンの運営で、対面でのイベント開催ができない状況でも、どのようにオンラインで価値を届けるかを考えて行動していました。
また、世の中が不可抗力で変わってしまうことによって諦めるのが悔しかったことも原動力の1つになったと考えています。
――大学3年生になり就活を進めていく中で、就活の軸はありましたか。
誰かが重要な選択をする局面で、自分がポジティブな影響を与えられる仕事をしたいと考えていました。また、BtoC(対一般市民のサービス)よりもBtoB(対企業のサービス)の企業に自分は合っているなと感じていました。BtoBの方が、クライアントさんと密な対話ができる分、影響力の大きさや自分の貢献度を実感できるタイミングが多いのではないかと考えたためです。加えて、好奇心を持ったらすぐに飛び込んでしまう性格なので、多様な業界・業種と関われ、提供できるアウトプットの幅が広い業界も魅力的に感じていました。
ですので、広告業界の他には、デベロッパーやコンサル業界を見ていました。
――就活の軸を定めるきっかけになった原体験はありますか。
大学でのミスコンの運営です。ミスコンは参加者に対して夢の後押しをするだけでなく、イメージ戦略を通じて、高校生に対して進路選択を後押しするきっかけになります。ミスコンの運営を通じて、多くの人の意思決定に貢献することにやりがいを感じ、もともと社会に大きな影響を与えられる人になりたいと小学生頃から漠然と考えていたこともふまえて、就活の軸を定めました。
――ミスコンの運営がきっかけだったのですね。就職活動においても「ミスコンの運営」を話されていたようですが、博報堂に対してはどのようにお話することを心がけていたのですか。
ミスコンの運営で培った、企業の方との交渉力や学園祭実行委員会の方々との調整力を面接では話していました。私が志望していたビジネスプロデュース職はクライアントと日々向き合い、事業や経営に深く踏み込み、マーケティング全体の戦略を描き、実践していくといった仕事内容で、ミスコンで行っていた業務と近かったため、自分の経験が活かせるということを伝えていました。
企業・業界に関わらず、学生時代に取り組んできた経験が「入社後にどのような形で再現できるか」が重要だと思っています。好きな企業だから働きたいです、といった一方的な好意で終わることがないように、志望動機とガクチカの繋がりを考えるとよいと思います。
――「博報堂のインターンシップ合格が、他社で受かりはじめるきっかけになった」とありますが、詳細について教えてください。
博報堂のインターンシップに合格するまでは、最終面接で落ちてしまうことが多く、順調に就活を進めている同期と比較して焦りを感じていました。ただ、博報堂のインターンシップで合格をいただいたタイミングで、就職活動において企業との相性も大事だと感じるようになりました。就活生側に感覚的に「好きな企業」があるように、企業側も「この会社に合っている」や「ウチの会社よりも、他の会社の方がこの学生は幸せになれる」という感覚的な判断軸があるのではないかと考えました。それ以降、「入社後に活躍できるイメージが湧くか」という感覚的な部分の判断軸を持って選考を受ける企業を決めるようになり、立て続けに合格をもらえるようになったという流れです。
――博報堂への入社の決め手を教えてください。
コンサル・デベロッパー・広告の業界の中で迷っていたのですが、仕事の幅の広さと自分がやりたい仕事がその中のどれくらいの割合であるかを考えたときに、博報堂が自分に一番合っていると感じたからです。博報堂なら、どの職種に配属されても自分自身が面白いと感じる部分を見つけて働けそうだと感じました。
また、私にはない視点を持つような尊敬できる社員の方々が一番多かったことも決め手の1つでした。

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――最後に、面接についての質問です。私は準備に時間を掛けるほど、成功させなくてはいけないというプレッシャーが大きくなり、本番で緊張してしまいます。市川さんは面接などの際に緊張される方でしたか。また、面接に関する対策法やポイントがあれば教えてください。
私もまったく同じタイプなのでとても共感できます。面接に関しては、就活サイトや先輩から情報を仕入れ、しっかり準備することを徹底していた分、本番で緊張してしまうという経験がありました。ただ、本気であることが伝わるため、企業側からして緊張していることは決してネガティブなことではないと思います。
私の場合はガチガチに緊張していても笑顔を忘れず、意識的に明るい空気感を作ることで乗り越えていました。また、自分の回答が長すぎなかったかや回りくどくなっていないかという視点は面接中に常に第三者視点で把握するように心がけていました。
――最後に大学生に向けてメッセージをお願いします。
自分に合う企業や自分が本当にやりたいことを探し続けた人の方が、会社とのマッチング度合いが高く、入社後の働きがいや幸福度が高いと思っています。学業と就活、無理のない範囲で進めてもらえるとよいと思います。頑張ってください、応援しています!
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取材:伊藤さくら(ガクラボメンバー)
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:博報堂
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