大井川鐵道は18日、国鉄時代に製造され、JR西日本が保有する12系客車5両(スハフ12-129、オハ12-346、オハ12-345、オハ12-341、スハフ12-155)について、親会社であるエクリプス日高による資金援助の下、動態車両として譲受すると発表した。
譲受する12系客車5両は、急行形客車として1978(昭和53)年に新製。国鉄宮原客車区(現・JR西日本網干総合車両所宮原支所)に配置され、臨時列車や団体列車などで活躍した。2019年まで運行された「SL北びわこ号」の客車としても使用された。
大井川鐵道代表取締役社長の鳥塚亮氏は、12系客車について、「かつて日本全国を走り抜け、多くの人々の思い出を運んだ車両であり、昭和の鉄道文化の象徴ともいえる存在」と説明。同社はSL列車をはじめとする観光列車の魅力向上に取り組んでおり、「今回の導入により、より多くのお客様に『昭和の国鉄体験』をお楽しみいただける」とした。
エクリプス日高の代表取締役社長、石川兼吾氏は、「多くの人々の思い出を乗せた12系客車を、再び大井川の鉄路で未来へ繋げる。今回の支援が、その価値ある一歩となることを誇りに思います」「これからも沿線や全国の皆様と共に、大井川鐵道が走り続ける未来を支援してまいります」とコメントしている。
