歌舞伎俳優の市川團十郎が12日、公式YouTubeチャンネル『KABUKU. / 市川團十郎。』を更新し、大ヒット上映中の映画『国宝』に言及。再生数は110万回を超え、400件以上のコメントが寄せられるなど反響を呼んでいる。
吉沢亮を絶賛「本当に歌舞伎と向き合ったと感じた」
同作は、任侠の一門に生まれながら、歌舞伎の世界に飛び込んだ喜久雄(吉沢亮)が、歌舞伎役者の息子・俊介(横浜流星)と切磋琢磨する日々を描く壮大な物語。原作者の吉田修一氏は、約3年間、取材のために歌舞伎の楽屋に入り込み、同作をフィクションとして書き上げた。6月6日に公開後、38日間で興行収入が56億円に達し、観客動員数も398万人を突破するなど、社会現象を巻き起こしている。
團十郎は、「例えば、芸者さんやお相撲さんが主題の映画とか。日本の文化に関連しているような映画って結構多い」と前置きしながら、「温度差を感じてる部分が正直あった。“そうじゃないと思うんだけど、そう見えてるのかな?”って」と率直な思いを吐露。一方、同作については、「歌舞伎のことをよく知ってらっしゃる方が本をお書きになってる」と話し、「監督が情熱を持って、歌舞伎というものをよく理解して勉強なさって。そのうえでお作りになったんだなって」と感嘆した。
「歌舞伎の家に生まれるということ。歌舞伎の家に生まれずして歌舞伎を愛すということ。この2つを改めて感じさせていただいた」と熱を持って語った團十郎。長女・麗禾(市川ぼたん)と長男・勸玄(市川新之助)も鑑賞したそうで、「2人も御曹司の家に生まれてるわけですよね。血のある家に生まれてる。このドラマの中だと、血のある人間と血のない人間がシーソーのように上がったり下がったりして……」と語りつつ、「観たあとに、少し目の色が変わった2人を見て。本当にありがたい映画だと思った」と感謝した。
さらに、團十郎は、印象に残ったシーンについて熱弁しながら、「心に刺さる痛さ」を感じたと告白。“本物”の歌舞伎俳優として、共感したシーンも多かったようで、「よく頑張ってるな、すごい努力をされたんだなと思う。気になることは多少あっても、気にならないように観れる作品。専門家がそう思えるのは、素晴らしいんじゃないでしょうか」と絶賛し、主演の吉沢についても、「本当に歌舞伎というものに対して向き合ったんだなっていうのをすごく感じた」「役者の力が、それ(気になること)を画面から消していく」と称賛が止まらなかった。
最後は、「この年齢で團十郎という名前になっていて、子供たちが新之助とぼたん。このタイミングでこの映画を観れてすごいよかった。もっと多くの方々に観ていただけたら」とアピールしながら、「これをきっかけに、歌舞伎を観ていただける方が増えたらいいな」「『国宝』を観て感動した方々が、歌舞伎を観て、何かまた別の気づきになれば」と歌舞伎への思いを熱弁。「芸術、芸能っていうのは、いろいろありますけど。捨てたもんじゃないなと」と続けつつ、「僕も歌舞伎を今やってて、非常に楽しいですね。いろんなことを気になりながら、日々勉強させていただいてる。『国宝』もいい刺激になりました」と清々しい表情で締めくくっていた。
コメント欄には、「團十郎さんの国宝感想!最高です」「本物の歌舞伎俳優がどう見てるのか知りたかった」「まさか團十郎さんから国宝の感想をお聞きできるとは」「市川團十郎目線の深い洞察に納得です!」「團十郎さんの感想が聞けてうれしかったです」「映画の感動と余韻がよみがえります」「初めて歌舞伎に興味を持ちました!」「貴重な動画をありがとうございます」など、多数の反響が寄せられている。
【編集部MEMO】
市川團十郎は、2020年5月に公式YouTubeチャンネルを開設。2021年9月28日の動画を最後に更新が止まっていたが「今こそ日本の文化、私の場合は歌舞伎の息遣いと生きる知恵をもっと世界に届けていきたい!」という思いで2025年6月1日から再開した。
