パナソニックは7月9日、今夏の睡眠満足度に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2025年6月24日~7月1日、エアコンを所有している20~60代の男女511名を対象にインターネットで行われた。
今夏の睡眠、63%が「満足していない」
今夏の睡眠満足度について調査したところ、「まったく満足していない」16%、「あまり満足していない」47%と63%が満足していないことがわかった。
続いて、夏の睡眠を妨げる要因をたずねたところ、「暑さ」78%、「湿気」56%、「ストレス」31%が上位の回答になった。
睡眠に満足していない人が6割を超える一方で、夏の睡眠時のエアコン使用方法については、「朝まで使用している」が43%にとどまり、「オフタイマーを設定して就寝時から一定の時間使用している」31%、「オンタイマーを設定して起床前から一定の時間使用している」4%、「つけたり消したりしている」6%、「使用していない」16%という結果に。
一晩中エアコンを使用しない理由としては、「冷えすぎるから」58%、「電気代がかかるから」51%、「体に悪いと思うから」28%が上位の回答になった。
厚生労働省は、成人の場合で6時間以上の睡眠時間を確保することを推奨しているが、具体的な今夏の睡眠時間について調査したところ、50%が6時間未満であることがわかった。
こうした状況の中、「夏の睡眠不足が自身のパフォーマンスに影響していますか?」という質問では、「とても影響している」26%、「やや影響している」62%と、88%が「睡眠不足が日中のパフォーマンスに影響を及ぼしている」と回答した。
正しい夏の睡眠時のエアコン活用術4選
夏の睡眠環境の質を上げるエアコン活用法について、パナソニック エアーマイスター兼睡眠改善インストラクターの福田風子氏が解説している。
1.正しい夏の睡眠時のエアコン活用術4選
一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だといわれているが、温度同様に重要なのはエアコンを運転させるタイミングだという。寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風をあてておくことで、効率よく良い睡眠環境をつくることができる。
2.タイマーは設定せず、つけっぱなし推奨
快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードに。特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせず、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにすることが推奨されている。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がるとともに寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因に。
夜間のエアコンつけっぱなしは電気代が気になる…という人もいるかもしれないが、20時以降に冷房をつけているエアコンのデータから、1時間当たりの消費電力(冷房時)を算出したところ平均100Wで、8時間使用した場合は約25円の計算になる(電気料金目安単価31円/kWh、エオリアデータより)。夏の夜間のエアコン使用における消費電力量は日中よりも少ないため、積極的にエアコンを利用するようにと、福田氏は述べている。
また、寝室のエアコンのフィルターはホコリが溜まりやすい場所でもある。フィルターにホコリが詰まると、エアコンの風量が低下して冷暖房効率が悪くなるだけでなく、電気代の無駄や本体の故障リスクにもつながるため、快適な睡眠環境を保つためにも、2週間に1度を目安にフィルターの掃除を行うのがおすすめだという。掃除機でホコリを吸い取るだけでも効果があるが、汚れがひどい場合は水洗いすることが勧められている。
3.湿度コントロールでより快適に
夏場は湿度が高くなりやすく、寝苦しくなりがち。湿度が高すぎると、途中で目覚めてしまう原因にもなるため、寝室の温度だけでなく湿度にも注意したい。寝室の湿度は60%以下に保つことが重要とされている。湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転する、といった対応がおすすめだという。
4.扇風機の併用
エアコンの温度設定は下げすぎず、ただ、どうしても室温が高くて寝入りが悪いという場合、扇風機を併用することもできる。その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく寝入りが良くなるという。なお、風を長時間体に当てると健康を害する恐れがあるため、注意を払う必要がある。