JR西日本、JR西日本イノベーションズ、セレンディクスは10日、建設用3Dプリンターを活用した初島駅の駅舎について、7月22日始発から使用開始すると発表した。
初島駅は和歌山県有田市に所在する紀勢本線(きのくに線)の駅。木造駅舎(1948年竣工)の老朽化に伴う保守コストや、維持管理の効率化が課題になっていたという。JR西日本、JR西日本イノベーションズ、セレンディクスの3社は新たな試みとして、建設用3Dプリンターを活用した駅舎建設の実現に向けて検討を進めており、第1弾を初島駅で実施することに。3Dプリンティング技術を用いた駅舎建設は世界初の事例だという。
3月25日深夜の最終列車出発後から駅舎の建設が始まり、予定していた全工程を3月26日早朝の始発列車までに完了。新駅舎は9.9平方メートルの建物で、基礎部分を含めた外形について、最新の3Dプリンター技術を用いて出力し、必要な処理を行った上で、現地組立てを実施した。駅舎の完成後、JR西日本が外構・内装工事や改札機設置のための電気工事など進めてきた。
新駅舎は待合所として使用され、2人掛けのベンチを設置。壁面に「みかん」と「たちうお」をモチーフとした装飾を施した。簡易ICカード改札機に加え、券売機も1台設置される。