7月13日よりTBS系日曜劇場『19番目のカルテ』(毎週日曜21:00~)が放送される。『99.9-刑事専門弁護士- SEASONII』(2018年)以来、約7年ぶりに日曜劇場の主演を務める嵐の松本潤がこのほど、本作を通して届けたい思いや役作りなどについて語った。
富士屋カツヒト氏による連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』を原作とするこのドラマは、病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出し、生き方そのものに手を差し伸べる19番目の新領域・総合診療医を描く新しいヒューマン医療エンターテインメント。主演を務める松本は、キャリア30年目にして自身初となる医師役で、魚虎総合病院に新設された総合診療科に所属する総合診療医・徳重晃を演じる。
――本作の出演オファーを受けた時の気持ちは?
率直に、約7年ぶりに日曜劇場に出演させていただけるのは光栄だなと思いました。これまでさまざまな作品に携わらせてい ただく中で、「もしお医者さんを演じることになったら、どんな医者なんだろう」と、漠然と考えたことはあったんです。まさか“総合診療医”という、日本では新しい領域となる医師を演じることになるとは思っていなかったので、びっくりしました。
――出演に至った決め手は何でしょうか?
制作陣の熱意に心を打たれました。そして総合診療医という存在を、どのように描くのかにも強く興味を持ちましたし、坪田(文)さんの脚本がとても温かくて、“ありそうでなかった”物語だなと感じたからです。
――原作を映像化する上で意識したことは?
日本の医療において“19番目の専門医”ともいわれる総合診療医。既存の18の専門科とは異なる立ち位置で、人を全体的に診ていく医師です。ドラマでは原作をさらに掘り下げて、(物語の舞台となる)魚虎総合病院内のそれぞれのキャラクターや徳重の人間関係を立体的に描こうとしています。大きな山や谷はないけれど、少しずつ何かが染みてくるような構成は、実際の総合診療の現場にも通じるものがあるかもしれません。ドラマを通して、視聴者の方がちょっと医療に興味を持ったり、自分の身体について考えるきっかけになってくれたらうれしいです。
柔らかさの中にある“考える力”に共感
――徳重という人物をどう捉えていますか?
原作の徳重は、おっとりしていて柔らかい人という印象。でもそれだけではなくて、どこか芯のある人物でもあると感じました。彼がなぜ総合診療医を選んだのか、どんな経験をしてきたのか、原作には明確に描かれていないので、スタッフと相談しながらその背景を想像して作り込んでいるところです。日本の医療と真剣に向き合う、1人の人間としての 徳重を描けたらと思っています。
――ご自身との共通点はありますか?
スタッフの皆さんとの話の中で、最初は「徳重って、ぽわぽわしている人だよね」という印象になりました。確かに、徳重は人と接する時に柔らかい雰囲気を持っているのですが、それを意図的に活用して、診療の場で相手と向き合っているように感じます。
ですが、ただ優しいだけではなく、患者の状態を診ながら「どう話を広げていくか」「どこに導いていくか」を考えて行動している。そういった意味では、すごく頭を使って動いている人物なんですよね。徳重には及びませんが、その点では自分とちょっと重なる部分もあって、なぜ僕に声をかけてくれたのか、その理由が少し分かった気がします。
――初めての医師役ということで、ご自身の白衣姿は見慣れましたか?
まだ自分でも見慣れていません(笑)。ですが、気が引き締まりますね。ポスタービジュアルの撮影に合わせて髪を切ったりして、徐々に徳重に近づいている感じです。台本の読み合わせやリハーサル、医療監修の生坂政臣先生との打ち合わせを通じて、「いよいよ始まるな」という実感が湧いてきました。