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結果が求められるプロ野球の世界では、精彩を欠いたプレーをみせた選手に対し、チームを率いる指揮官から叱咤激励を受けることがある。しかし、首脳陣から大きな期待を受けている選手だからこそ、厳しく指摘されるケースも多い。ここでは、今季に監督から苦言を呈された選手を紹介する。
根尾昂
・投打:右投左打
・身長/体重:177cm/85kg
・生年月日:2000年4月19日
・経歴:大阪桐蔭高
・ドラフト:2018年ドラフト1位
飛躍を期待され続けている根尾昂だが、今季もファーム暮らしが長くなっている。
大阪桐蔭高で高校通算32本塁打を放ち、投手としても活躍。3年時には甲子園春夏連覇を成し遂げた。ドラフト会議では4球団が競合した結果、中日ドラゴンズへの入団が決まった。
プロでは打者に専念し、高卒1年目から一軍デビュー。プロ3年目の2021年には72試合に出場したが、打率.178、1本塁打と思うような数字は残せず。
その後、2022年シーズン途中からは投手に転向。同年は25試合に登板し、防御率3.41をマークするなど、高い潜在能力を発揮した。
しかし、先発に挑戦した翌2023年以降は登板機会が減少。昨季は3試合の一軍登板で防御率9.39と精彩を欠くピッチングが目立った。
リリーフとして迎えた今季は、ファームで無失点投球を続け、5月に一軍昇格。3試合をゼロに抑えたが、登板機会の空いた同月20日のDeNA戦で2回2/3を5失点と打ち込まれ、登録抹消となった。
登板後には、井上一樹監督からも苦言を呈された根尾。二軍では好投を続けており、一軍再昇格のチャンスをうかがっている。
戸郷翔征
・投打:右投右打
・身長/体重:187cm/85kg
・生年月日:2000年4月4日
・経歴:聖心ウルスラ学園高
・ドラフト:2018年ドラフト6位
まさかの不振で二軍降格を経験した戸郷翔征。最悪の状態は脱したが、まだまだ本調子とは言えないだろう。
聖心ウルスラ学園高から2018年ドラフト6位で読売ジャイアンツに入団。ルーキーイヤーから二軍で好投を続け、シーズン終盤に一軍昇格。プロ初勝利も挙げるなど、堂々のデビューを飾った。
さらに、翌2020年には開幕ローテーション入りを果たし、9勝、防御率2.76(規定未満)の好成績。早くもチームに欠かせない存在となった。
2022年には12勝を挙げると、同年から3年連続2桁勝利を達成。特に昨季は、26試合(180回)を投げ、12勝8敗、156奪三振、防御率1.95をマークし、最多奪三振のタイトルも獲得した。
今季も開幕投手を務めるなど、エースとしての活躍が期待されたが、開幕から精彩を欠くピッチングが続いた戸郷。4月11日の広島戦では、4回途中10失点と大炎上し、阿部慎之助監督からも苦言を呈され、まさかの登録抹消となった。
その後はファームで調整登板を続け、5月に一軍再昇格。同月25日にようやく今季初勝利を記録すると、6月8日の楽天戦では7回無失点の好投で2勝目を挙げるなど、復調の兆しを見せている。
才木浩人
・投打:右投右打
・身長/体重:189cm/92kg
・生年月日:1998年11月7日
・経歴:須磨翔風高
・ドラフト:2016年ドラフト3位
今季も主戦投手としての活躍を見せている才木浩人だが、藤川球児監督から苦言を呈されるゲームもあった。
須磨翔風高から2016年ドラフト3位で阪神タイガースに入団。ルーキーイヤーから一軍デビューを飾ると、翌2018年には22試合登板(14先発)で6勝10敗、防御率4.61を記録。早くから頭角を現していた。
しかし、その後は故障に苦しんだ。2020年には右肘内側側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を敢行。育成契約に移行することとなり、長らく一軍のマウンドから遠ざかった。
それでも、2022年5月に支配下復帰を果たすと、一軍で好投を連発。翌2023年には19試合登板で8勝5敗、防御率1.82(規定未満)をマークし、チームのリーグ優勝・日本一に大きく貢献した。
さらに昨季は、自身初の規定投球回をクリア。25試合(167回2/3)を投げ、13勝3敗、防御率1.83と圧巻の数字を残した。
今季も防御率1点台と支配的なピッチングを続けている才木だが、4月29日の中日戦では6回4失点で敗戦投手に。藤川監督からバッテリーを組んだ梅野隆太郎とともに苦言を呈される場面もあった。
2年ぶりのリーグ優勝・日本一に向け、エースとして大車輪の活躍が求められている。
小園海斗
・投打:右投左打
・身長/体重:178cm/91kg
・生年月日:2000年6月7日
・経歴:報徳学園高
・ドラフト:2018年ドラフト1位
新井貴浩監督から厳しい言葉を受け、昨季から続くスタメン出場がストップしたのが、小園海斗である。
報徳学園高時代から世代屈指の遊撃手として高く評価され、3年時にはチームを夏の甲子園ベスト8に導いた小園。ドラフト会議では4球団による競合の末、広島東洋カープへの入団が決まった。
ルーキーイヤーから一軍で58試合に出場。打率.213ながら4本塁打を放つなど、大器の片鱗を示した。
高卒3年目の2021年には、遊撃のレギュラーに定着。同年は規定打席に到達し、打率.298、5本塁打をマークした。
翌年以降は苦しむシーズンもあったが、メインポジションを三塁に移した昨季は、全試合出場を達成。打率.280に加え、13盗塁を記録した。
今季は開幕からヒットを重ねたが、4月下旬から打撃不振に陥り、5月にはスタメン落ちを経験。新井監督から奮起を促された。その後は復調気配を見せており、キャリアハイの活躍が望まれている。
中山礼都
・投打:右投左打
・身長/体重:182cm/82kg
・生年月日:2002年4月12日
・経歴:中京大中京高
・ドラフト:2020年ドラフト3位
レギュラー定着のチャンスを迎えていた中山礼都。しかし、現状はそのチャンスを活かしきれていない。
中京大中京高では、1年秋からレギュラーを獲得。特にバッティング技術を高く評価され、読売ジャイアンツがドラフト3位で中山を指名した。
ルーキーイヤーはファームで44試合に出場すると、打率.309をマーク。高卒1年目とは思えない適応能力を発揮し、プロ2年目の2022年に一軍デビューを飾った。
2023年は開幕一軍入りを果たし、キャリアハイの78試合に出場。ただ、昨季は打率.318をマークするも、出場試合数は32にとどまった。
今季は坂本勇人が不振に悩まされる中、サードでのスタメン起用が増加。一方で、打撃面で調子が上がらない時期には、阿部慎之助監督から指摘を受けることもあった。
現在は外野での出場も増えているが、攻守に存在感を高められるか。
山野太一
・投打:左投左打
・身長/体重:173cm/81kg
・生年月日:1999年3月24日
・経歴:高川学園高 - 東北福祉大
・ドラフト:2020年ドラフト2位
開幕から先発ローテーションを守り続けている山野太一は、高津臣吾監督から厳しい言葉を受けた。
東北福祉大時代には、3年春にリーグMVPと最優秀投手賞を獲得するなど、圧倒的な活躍を見せた山野。2020年ドラフト2位で東京ヤクルトスワローズに入団した。
即戦力の期待を受けたが、ルーキーイヤーはわずか1試合の一軍登板で、防御率47.25と悔しい結果に。2022年オフに戦力外通告を受け、育成再契約を交わした。
すると、翌2023年はファームで好投を続け、7月に支配下復帰。同年はプロ初勝利も挙げた。
昨季は3勝を挙げたが、防御率6点台と低迷。迎えた今季は、開幕ローテーションを掴んだが、大崩れするゲームこそないものの、勝ち星は4月30日のDeNA戦で挙げた1勝のみ。
チームを率いる高津臣吾監督から苦言を呈される登板もあるなど、先発ローテーションを死守するためには、一段階上のピッチングが求められそうだ。
【了】