1軍に欲しい…中日、ファームで好成績を残している選手6人。2軍からの昇格…

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 プロ野球の世界では、熾烈な一軍メンバー争いが繰り広げられる。昇格にはファームでの活躍が求められることになるが、二軍で好成績を残していても、なかなか一軍から声がかからないケースも多くある。ここでは、今季ファームで好成績を残している中日ドラゴンズの選手を紹介したい。(※今季成績は6月13日時点)

伊藤茉央

・投打:右投左打

・身長/体重:176cm/83kg

・生年月日:2000年11月19日

・経歴:喜多方高 - 東京農業大北海道オホーツク

・ドラフト:2022年ドラフト4位

 

 昨オフに行われた現役ドラフトで、中日ドラゴンズに加入した伊藤茉央。高速シンカーを武器とするサイドハンドとして、一軍のブルペン定着が期待されている。

 

 東京農業大北海道オホーツクから2022年ドラフト4位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。ルーキーイヤーから開幕一軍入りを果たした。

 

 

 同年は一軍定着には至らなかったが、25試合登板で1勝3ホールド、防御率3.27とまずまずの数字を残した。

 

 しかし、翌2024年は6試合の一軍登板にとどまり、防御率7.94と低迷。二軍では41試合の登板で防御率2.41を記録していたが、同年オフの現役ドラフトで中日への移籍が決定した。

 

 移籍初年度の今季は、開幕一軍入りを逃したものの、ファームでは好投を披露。5月25日の広島戦で4失点を喫し、防御率が跳ね上がったが、15試合の登板で1勝2敗1セーブ、防御率3.31をマークしている。

 

 6月8日には待望の一軍昇格を果たしたが、登板機会なく翌日に登録抹消。チームでは希少な変則リリーバーなだけに、一軍のブルペン陣に厚みをもたらす存在となりたい。

鵜飼航丞

・投打:右投右打

・身長/体重:183cm/100kg

・生年月日:1999年5月30日

・経歴:中京大中京高 – 駒沢大

・ドラフト:2021年ドラフト2位

 

 右の長距離砲として期待されている鵜飼航丞。今季は一軍でもチャンスを得たが、レギュラー奪取には至らなかった。

 

 中京大中京高、駒沢大を経て、2021年ドラフト2位で中日ドラゴンズに入団。ルーキーイヤーから開幕一軍入り。同年は59試合に出場し、打率.206ながら4本塁打を放つなど、持ち前の長打力を見せた。

 

 

 しかし、2023年は41試合出場で打率.143、3本塁打と数字を伸ばせず。翌2024年はファームでも打撃不振に苦しみ、一軍ではわずか12試合出場、ノーアーチに終わった。

 

 翌2023年は自己最多の114試合に出場したが、打率.187と低迷。昨季は打撃がネックとなり、わずか17試合の一軍出場に終わった。

 

 迎えた今季は、二軍で打撃好調を維持し、5月5日に一軍登録。昇格直後は結果を残し、スタメンにも名を連ねたが、活躍を継続させることはできず。同月26日に降格となった。

 

 それでも、ファームでは36試合出場、打率.309、4本塁打、26打点の好成績。猛アピールを続け、一軍戦力として浮上したい。

近藤廉

・投打:左投左打

・身長/体重:180cm/93kg

・生年月日:1998年9月22日

・経歴:豊南高 - 札幌学院大

・ドラフト:2020年育成選手ドラフト1位

 

 2023年に1回10失点を喫し、同年オフに育成契約となった近藤廉。二軍では圧巻の投球を続け、今年4月に支配下登録に返り咲いた。

 

 2020年育成選手ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。ルーキーイヤーに支配下契約を奪取し、一軍デビューを果たした。

 

 

 しかし、同年はわずか2試合の登板にとどまると、翌2022年は左肩痛に苦しみ、一軍登板なしに終わった。

 

 2023年は2シーズンぶりに一軍マウンドへ上がったが、1回10失点とまさかの炎上。同年の一軍登板はこの1試合のみとなり、オフには再び育成契約となった。

 

 それでも昨季は、二軍で46試合登板、3勝1敗、防御率2.09の好成績をマーク。プロ5年目の今季は、4月下旬に支配下へ復帰すると、5月1日の阪神戦ではプロ初ホールドを記録した。

 

 わずか3試合の登板で登録抹消となったものの、ファームでは15試合の登板で2勝0敗3セーブ、防御率0.61と抜群の安定感を誇っている。状態をキープし、再昇格のチャンスを掴みたい。

根尾昂

・投打:右投左打

・身長/体重:177cm/85kg

・生年月日:2000年4月19日

・経歴:大阪桐蔭高

・ドラフト:2018年ドラフト1位

 

 投手転向4年目の今季は、中継ぎに専念している根尾昂。二軍で好成績を残しているが、一軍では思うような活躍ができずにいる。

 

 大阪桐蔭高時代にはチームの中心を担い、3年時に甲子園春夏連覇を達成。迎えた2018年ドラフト会議では4球団が競合し、抽選の末、中日ドラゴンズへの入団が決まった。

 

 

 内野手としてプロ入りしたが、高卒3年目の2021年は外野を主戦場とし、自己最多の72試合に出場。しかし、思うような成長曲線を描けず、翌2022年から投手へ本格挑戦した。

 

 同年はシーズン途中の転向にもかかわらず、一軍で25試合に登板し、防御率3.41と能力の一端を示した。

 

 その後は先発に挑戦したが、2年続けて思うような結果を残せず。今季から中継ぎに転向すると、5月1日に満を持して一軍昇格。3試合は無失点に抑えたが、中13日と間隔が空いた登板で5失点を喫し、二軍再調整となった。

 

 それでもファームでは、開幕から13試合連続自責点ゼロを記録。直近の登板では打ち込まれたものの、14試合登板で1勝0敗、防御率1.32をマークしている。支配的なピッチングを続け、一軍再昇格を手繰り寄せたい。

川上理偉

・投打:右投右打

・身長/体重:178cm/85kg

・生年月日:2001年3月10日

・経歴:大分高 - 宮崎福祉医療カレッジ - 九州・大分

・ドラフト:2023年育成選手ドラフト4位

 

 ルーキーイヤーの昨季は、二軍で打率.091と大きく苦しんだ川上理偉。だが、今季は持ち味を発揮し、見違える成績を収めている。

 

 大分高、宮崎福祉医療カレッジを経て、九州アジアリーグ・大分B‐リングスに加入。入団3年目の2023年には打点王を獲得する活躍を見せ、同年のドラフト会議で中日ドラゴンズから育成4位指名を受けた。

 

 

 ルーキーイヤーは右肘の故障で出遅れ、6月に実戦復帰。二軍で45試合に出場したが、打率.091、1打点、2盗塁と振るわなかった。

 

 それでもプロ2年目の今季は、開幕から覚醒。53試合の出場で打率.267、1本塁打、25打点、13盗塁の好成績。守備面では一塁や二塁を中心に内野の複数ポジションをこなしている。

 

 一軍出場に向けて、まずは支配下契約を勝ち取る必要がある。現在、中日の支配下登録人数は68人と狭き門となっているが、十分にチャンスはありそうだ。

石橋康太

・投打:右投右打

・身長/体重:181cm/95kg

・生年月日:2000年12月7日

・経歴:関東第一高

・ドラフト:2018年ドラフト4位

 

 高卒7年目の今季は、二軍で打率3割近い打率を残している石橋康太。将来の正捕手候補と期待されているが、足踏みするシーズンが続いている。

 

 関東第一高から2018年ドラフト4位で中日ドラゴンズに入団。高卒1年目から一軍デビューを飾った。

 

 

 翌2020年はファームが主戦場となったものの、二軍で53試合出場、打率.294、3本塁打、22打点と能力の一端を示した。

 

 さらに2023年は、一軍で自己最多の39試合に出場し、プロ初本塁打を含む2本塁打をマーク。しかし、その後は一軍に定着できず、昨季はわずか11試合の出場にとどまった。

 

 今季は開幕二軍スタートとなったが、ファームでは18試合出場で打率.297、4打点をマーク。5月31日に一軍昇格を果たすと、6月5日のソフトバンク戦では、途中出場で今季初安打も記録した。

 

 チームでは、正捕手の木下拓哉が戦線離脱中。ベテランの加藤匠馬やルーキーの石伊雄太らとの争いを制し、一気にスタメン定着を勝ち取りたいところだ。

 

 

【了】