東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は6月11日、10年間におよぶ「子どもの生活と学びに関する親子調査」の結果を発表した。調査は各年7~9月、小学1年生~高校3年生の子どもとその保護者を対象に、郵送およびWEBにて行われた。
「あなたには、将来なりたい職業(やりたい仕事)はありますか?」と質問したところ、2024年調査では、小学4~6年生1,872名、中学生1,403名、高校生1,100名が「ある」と回答した。
具体的な職業を教えてもらったところ、小学4~6年生の男子では「プロスポーツ選手」(25.3%)がダントツ1位に。続く2位は「YouTuber・VTuber」(5.8%)、3位は「研究者・大学教員」(4.2%)、一方女子は、1位「店員(花屋・パン屋など)」(7.5%)、2位「看護師」(5.4%)、3位「パティシエ」「保育士・幼稚園教員」(同5.3%)と、男女で全く違うランキングとなった。
中学生男子の場合は、1位「プロスポーツ選手」(14.2%)、2位「教員」「医師」(同5.5%)という結果に。一方女子は、1位「教員」(10.6%)、2位「看護師」(8.4%)、3位「保育士・幼稚園教員」(6.7%)となり、男女ともに「教員」が人気のよう。
また、高校生でも男女ともに「教員」が人気。男子は1位「教員」(9.7%)、2位「SE・プログラマー」(5.8%)、3位「医師」(5.1%)、女子は1位「教員」(10.2%)、2位「看護師」(9.6%)、3位「保育士・幼稚園教員」(5.3%)という結果に。中学生の上位とあまり変わらないランキングではあるものの、高校生になると、「教員」や「医療関係」のほかに「SE・プログラマー」や「地方公務員」(男性4位、女性5位)が上位にランクインしている。
2015年調査(「なりたい職業がある」小学4~6年生2,595名、中学生1,997名、高校生2,031名を対象)の結果を見てみると、小学4〜6年生は「プロスポーツ選手」「パティシエ」「保育士・幼稚園教員」が上位に。
また、中学生は「教員」「保育士・幼稚園教員」「プロスポーツ選手」、高校生は「教員」「看護師」「保育士・幼稚園教員」がそれぞれトップ3となり、中高生のなりたい職業1位は、この10年変わらず「教員」が維持している。
しかしながら、10年間で新しい傾向も現れており、例えば、小学生では「YouTuber・VTuber」がランク外から4位に、高校生では「SE・プログラマー」が13位から6位にランクアップ。デジタル社会の進展を背景に、IT関連職が注目されるようになったことがうかがえる結果となった。