2025年6月上旬、東急により「渋谷まちづくり最新情報発表会」が開催され、100年に一度の再開発に取り組んでいる渋谷が今後どうなっていくのか、具体的な情報が発表されました。いよいよ最終段階に入った渋谷の大開発の行方は?

2010年頃から計画がスタートした100年に一度ともいわれる渋谷エリアの大規模再開発。東急、JR東日本、東京メトロの3社が一体となって街の大改造を進めていますが、先日、東急により「渋谷まちづくり最新情報発表会」が開催され、これから渋谷がどうなっていくのか、具体的な情報が発表されました。

渋谷駅周辺の再開発はいよいよ最終段階へ! (2024年5月撮影/東急株式会社・東急不動産株式会社)

いよいよ最終段階に入った渋谷の大開発の行方は? 最新情報を3分で分かるようまとめてみます。

◆1. 大規模歩行者デッキが誕生!

スクランブル交差点側から見た渋谷駅。赤く延びる線が宮益坂~道玄坂方面を結ぶ歩行者ネットワーク(渋谷駅街区共同ビル事業者)2030年度、渋谷駅を中心に東西南北に延びる歩行者ネットワーク(歩行者デッキ)が誕生。2階から4階レベルに設置されます。

その内の1つ、宮益坂方面から道玄坂方面までは、約800メートルの通路でつながりアクセスが向上。途中に設置されるアーバンコア(エレベーターやエスカレーターで上下階が結ばれている縦軸移動空間)を使えば、東急線、JR、東京メトロの乗り換えもスムーズです。

◆2. さらなる眺望施設が登場

宮益坂交差点側から見た渋谷駅。左手前が新名所になりそうな「4階東口スカイウェイ」(渋谷駅街区共同ビル事業者)東京メトロ銀座線渋谷駅のホームの真上に、歩行者デッキの1つ「4階東口スカイウェイ(仮称)」が完成。渋谷駅東口エリア、新宿方面、恵比寿方面が見渡せるため、渋谷スクランブルスクエアの展望施設・SHIBUYA SKYとともに、渋谷の新名所となりそうです。

◆3. 渋谷スクランブルスクエアが完成

再開発のシンボル的存在・渋谷スクランブルスクエアの東棟の隣に、2031年度、地上10階・地下2階の中央棟と、地上13階・地下3階の西棟が完成予定。商業フロアは3棟合わせると1フロアあたり最大約6000平方メートルとなり、首都圏最大級の商業施設が誕生することとなります。

◆4. 東急百貨店跡地は文化の拠点に?

東急百貨店跡地には地上34階・地下4階の新施設が建設され、2029年度に完成予定。その中には日本初進出となるホテル「ザ・ハウス・コレクティブ」や賃貸レジデンス、そして「Bunkamuraザ・ミュージアム」が拡大移転。隣には大型文化複合施設「Bunkamura」もあり、文化的要素の強い新施設になりそうです。

◆5. 神社も建て替え

宮益坂の宮益御嶽神社も整備。完成すればこんなお祭り風景が渋谷で見られるように(宮益坂地区市街地再開発組合)これまで整備が行われていなかった宮益坂と明治通りに面する約1.4ヘクタールの区域が、渋谷エリアに不足する大規模なホール・カンファレンス、そして国際水準の宿泊滞在施設に。ビルに囲まれながらも静寂を保つ「宮益御嶽(みたけ)神社」も整備され、2031年度に開業予定です。

以上、100年に1度の再開発の最終形が見えてきた渋谷エリアの最新情報でした。

現在工事で複雑化している渋谷駅。2030年度の歩行者デッキの完成とともにその不便さは解消しそうです。発表会では「それまでにも問題点を解決しつつ工事を行っていきたい」という趣旨の発言もあったので、期待しながら新渋谷駅の完成を待ちたいと思います。

この記事の執筆者:藤丸 由華 プロフィール

東京のラジオ局のアナウンサー時代を含め約30年、東京にこだわった取材を敢行。取材した都内のスポットは2000以上。2008年に独立し、現在はAll About東京ガイド、フリーアナウンサー、2足のわらじで活動。

文=藤丸 由華