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プロ野球では近年、選手の移籍が活性化しており、その代表ともいえるのが、トレード移籍だろう。トレード移籍は選手同士の交換によって行われるケースが多いが、中には金銭のみで成立する例も多く存在する。ここでは、金銭トレードでの移籍を経験した歴代選手を紹介したい。
清水隆行
・投打:右投左打
・身長/体重:183cm/83kg
・生年月日:1973年10月23日
・経歴:浦和学院高 - 東洋大
・ドラフト:1995年ドラフト3位
読売ジャイアンツで大活躍した清水隆行は、埼玉西武ライオンズでもプレーした。
浦和学院高、東洋大を経て、1995年ドラフト3位で巨人に入団。持ち前の打撃技術と俊足を活かし、プロ2年目からレギュラーを確保した。
同年に早くも打率3割(.304)の成績を残すと、2001年からも2年連続で打率3割をクリアしたように、打線に欠かせない存在となった。
その後も一線級の活躍を続けたが、2008年は自己最少の41試合出場に終わり、打率.143と苦しんだ。すると、シーズンオフに金銭トレードによって西武への移籍が発表された。
新天地での復活を図ったものの、巨人時代のような成績を残せず。加入後わずか1年で現役引退を決断した。
鉄平
・投打:右投左打
・身長/体重:178cm/78kg
・生年月日:1982年12月27日
・経歴:津久見高
・ドラフト:2000年ドラフト5位
東北楽天ゴールデンイーグルスでブレイクした鉄平も、金銭トレードで移籍した選手だ。
津久見高時代には、高校通算32本塁打を記録。2000年のドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受けた。
2004年に一軍初出場を果たすも、当時の中日は外野のレギュラーが固定されていたため、出番は限定的に。2005年オフに金銭トレードで楽天への移籍が決定した
すると、新天地では外野のレギュラーに定着し、2009年には打率.327をマーク。首位打者のタイトルに輝くなど、大きく飛躍を遂げた。
翌年も打率3割をクリアするなど、卓越した打撃技術を発揮。しかし、2011年以降は打撃不振に苦しむ時期も見られた。
キャリア晩年はオリックス・バファローズでプレーし、2015年限りで現役を引退した。
カツノリ
・投打:右投右打
・身長/体重:178cm/84kg
・生年月日:1973年7月23日
・経歴:堀越高 - 明治大
・ドラフト:1995年ドラフト3位
阪神タイガースや東北楽天ゴールデンイーグルスなどでプレーしたカツノリも、金銭トレードでの移籍経験がある。
明治大学では、リーグ戦で首位打者に輝いた実績もあり、1995年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団した。
しかし、ヤクルトでは不動の正捕手・古田敦也の壁は高く、出場機会を増やせず。1999年は一軍出場なしに終わり、金銭トレードで阪神に移籍した。
阪神では移籍初年度こそ52試合に出場したが、それ以降は出番が減少。2004年のシーズン開幕前、自身2度目の金銭トレードで読売ジャイアンツに移籍した。
しかし、わずか1年の在籍で戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトを経て楽天に入団。
現役最終年はキャリアハイの56試合に出場し、2006年限りで現役を引退した。
大塚晶文
・投打:右投右打
・身長/体重:186cm/90kg
・生年月日:1972年1月13日
・経歴:横芝敬愛高 - 東海大 - 日本通運
・ドラフト:1996年ドラフト2位
メジャーリーグの舞台でも活躍した大塚晶文。過去には、金銭トレードで移籍したこともあった。
東海大を卒業し、日本通運で活躍。1996年ドラフト会議で近鉄バファローズから2位指名を受け、プロの世界に足を踏み入れた。
プロ1年目の1997年、大塚は52試合に登板。早くもチームの主力となり、1998年には守護神として35セーブを挙げ、最優秀救援投手に輝いた。2001年は防御率4点台と苦しみながらも、チームのリーグ優勝に貢献した。
2002年オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーへの移籍を試みたが、入札球団が現れず断念。その後、近鉄との契約交渉が難航し、金銭トレードで中日ドラゴンズへ移籍した。
中日でも好成績を収め、1年越しのメジャー挑戦が実現。2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではクローザーを務め、決勝戦では胴上げ投手に。最終的に日米通算で176セーブを挙げた。
炭谷銀仁朗
・投打:右投右打
・身長/体重:181cm/98kg
・生年月日:1987年7月19日
・経歴:平安高
・ドラフト:2005年高校生ドラフト1巡目
現役捕手の中では、トップクラスの実績を持つ炭谷銀仁朗も、金銭トレードでの移籍を経験している。
平安高(現・龍谷大平安高)時代は、強打のキャッチャーとして名を馳せた炭谷。2005年高校生ドラフト1巡目で西武ライオンズに入団した。
攻守に高い期待を受けた炭谷だったが、プロ入り後は打撃面で苦しむ時期が続いた。それでも、守備面で高い貢献度を誇ったこともあり、正捕手に定着。2015年にはベストナインとゴールデングラブ賞のW受賞を果たした。
2018年オフには、フリーエージェント(FA)権を行使して読売ジャイアンツに移籍。しかし、巨人では思うように出番を得られず、2021年シーズン途中に金銭トレードで楽天の一員となった。
楽天では出場機会を増やしたが、2023年は移籍後ワーストとなる65試合の出場にとどまり、同年オフに戦力外通告。
その後、古巣・西武へ6年ぶりに復帰。今季も出場試合数こそ多くないが、チームを支える働きを見せている。
涌井秀章
・投打:右投右打
・身長/体重:185cm/85kg
・生年月日:1986年6月21日
・経歴:横浜高
・ドラフト:2004年ドラフト1巡目
今季でプロ21年目を迎えた涌井秀章。中日ドラゴンズで在籍4球団目となるが、どのチームでも変わらぬ活躍を続けている。
横浜高時代には世代屈指の投手として高い評価を受け。2004年ドラフト1巡目で西武ライオンズに入団した。
入団2年目から5年連続2桁勝利をマークし、球界を代表する投手に。特に2009年には27試合(211回2/3)を投げ、16勝6敗、11完投4完封、199奪三振、防御率2.30をマーク。最多勝に加えて沢村賞にも輝いた。
その後、2013年オフにフリーエージェント(FA)権を行使し、千葉ロッテマリーンズに移籍。加入2年目の2015年には最多勝(15勝)を獲得するなどエース級の活躍を見せた。
しかし、2019年は3勝7敗と負けが先行。同年オフに金銭トレードで東北楽天ゴールデンイーグルスへの移籍が決まった。
楽天でも移籍初年度に最多勝(11勝)を戴冠。プロ野球史上初となる3球団で同タイトルを獲得する偉業を成し遂げた。しかし、2022年オフに阿部寿樹との交換トレードで中日への移籍が発表され、球界に大きな衝撃が走った。
移籍後も先発ローテーションの一角を担う涌井。今季も衰えを感じさせないピッチングを披露している。
【了】