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長年活躍を見せている主力が不振に陥ることもあれば、突如としてブレイクを果たす選手もいるのがプロ野球の世界だ。そういった若手が活躍すると、チーム内の競争が激化し、相乗効果も期待される。2025年の今季も、一軍で結果を残している若手選手がいる。今回は、覚醒の兆しを見せている若手選手を取り上げたい。
増田陸
・投打:右投右打
・身長/体重:179cm/88kg
・生年月日:2000年6月17日
・経歴:明秀学園日立高
・ドラフト:2018年ドラフト2位
今季、一軍で存在感を発揮している増田陸。レギュラー定着に向けて勝負の1年を過ごしている。
明秀学園日立高では3年春の甲子園に出場し、高校通算34本塁打をマーク。将来性を期待され、2018年ドラフト2位で読売ジャイアンツに入団した。
しかし、プロ入り後は一軍での出場機会に恵まれず、ファームでの成績も振るわなかった。2021年オフに育成落ちを経験するなど、崖っぷちと言える状態だった。
ただ、翌2022年の開幕前に支配下復帰を果たすと、同年は一軍で5本塁打をマーク。確かなパンチ力を見せた一方、2023年は左肘の負傷もあり、一軍出場なしに終わった。
今季も開幕一軍入りを逃したが、4月下旬に一軍昇格。それ以降はコンスタントにヒットを積み重ね、金沢で開催された広島戦では先頭打者ホームランを放った。
チームの主砲・岡本和真が不在の中、高卒7年目の増田陸がチームを引っ張っている。
菅井信也
・投打:左投左打
・身長/体重:183cm/84kg
・生年月日:2003年6月28日
・経歴:山本学園高
・ドラフト:2021年育成選手ドラフト3位
昨季から大きな飛躍を遂げている菅井信也は、埼玉西武ライオンズの強力投手陣の一角を担っている。
山本学園高(現:惺山高)から、2021年育成選手ドラフト3位で西武に入団。高卒2年目から、ファームでの登板機会を増やしていった。
昨季は好調をキープし、同年6月に支配下契約を奪取。同年7月15日のオリックス戦では、7回無失点の好投でプロ初勝利を挙げた。
今季は開幕から勝ち星を伸ばしており、すでに4勝をマーク。順調にいけば2桁勝利も狙える状況だ。
しかし、ここまで7イニングを投げきった試合がなく、制球力には課題が残る。また、右打者の被打率が0割台に対し、左打者の被打率は.250以上となっており、まだまだ課題も多いと言えるだろう。
髙寺望夢
・投打:右投左打
・身長/体重:178cm/76kg
・生年月日:2002年10月17日
・経歴:上田西高
・ドラフト:2020年ドラフト7位
ファームで十分な実績を残している髙寺望夢は、一軍での安定感を高めたいところだ。
上田西高では甲子園に縁がなかったが、2020年ドラフト7位で阪神タイガースに入団。見事にプロ入りを実現させた。
高卒1年目こそファームで低調に終わったが、高卒2年目で早くも飛躍。同年はファームで90試合に出場し、打率.280の成績を残し、一軍でも3安打を放った。
一転して2023年、2024年は一軍出場なし。とはいえ、昨季はファームで打率.288、124安打の成績でウエスタン・リーグの最多安打に輝き、実力を見せつけていた。
藤川球児新監督のもと、今季は一軍出場が増えている。5月13日のDeNA戦では、9回2死無走者の場面でプロ初本塁打となる同点打を放った。
ただ、打率が上がっていない現状もあり、レギュラーには程遠いと言えるだろう。
寺地隆成
・投打:右投左打
・身長/体重:177cm/82kg
・生年月日:2005年8月19日
・経歴:明徳義塾高
・ドラフト:2023年ドラフト5位
将来を期待せずにはいられない寺地隆成も、覚醒の兆しを見せている選手だ。
高校時代は明徳義塾高でプレーし、高校日本代表にも選ばれる活躍を見せた寺地。その後、2023年ドラフト5位で千葉ロッテマリーンズに入団した。
昨季はルーキーイヤーながらファームで大活躍。104試合の出場で打率.290、2本塁打、39打点と、十分な働きを見せた。また、シーズン終盤には一軍昇格を果たし、スタメンマスクを被った。
さらなる飛躍が期待された今季は、4月18日の楽天戦で1試合2本塁打を放ち、一気に注目を集めた。すでにバッティングではアピールに成功したと言えるだろう。
一方、盗塁阻止率は1割を下回っており、守備面では伸びしろが多い。レギュラーを絶対的なものにするためには、リードを含めた守備面のレベルアップが求められる。
松尾汐恩
・投打:右投右打
・身長/体重:178cm/82kg
・生年月日:2004年7月6日
・経歴:大阪桐蔭高
・ドラフト:2022年ドラフト1位
高卒3年目にして早くも戦力になっているのが、横浜DeNAベイスターズの松尾汐恩である。
大阪桐蔭高では春夏含め、甲子園に4度出場。高校通算38本塁打の実績もあり、2022年ドラフト1位でDeNAが指名した。なお、DeNAが捕手を1位で指名したのは、谷繁元信(元・横浜、中日)以来のことだった。
高卒1年目は一軍出場こそ叶わなかったが、ファームで104試合に出場。打率.277、7本塁打、51打点をマークするなど、高卒1年目とは思えない成績を残した。
昨季は開幕一軍入りを果たすも、結果を残せず二軍降格。それでも、二軍で78試合出場で打率.326を記録し、確かな成長を見せていた。
迎えた今季は、3月30日の中日戦でプロ初本塁打をマーク。ここまで一軍で3本塁打を放つなど、大器の片鱗を見せている。
捕手は、山本祐大などのライバルが多いポジションだが、将来有望の選手であることは間違いない。
柳川大晟
・投打:右投右打
・身長/体重:191cm/93kg
・生年月日:2003年8月21日
・経歴:九州国際大付高
・ドラフト:2021年育成選手ドラフト3位
与えられたポジションで奮起を見せているのが、高卒4年目の柳川大晟だ。
九州国際大付高から、2021年育成選手ドラフト3位で北海道日本ハムファイターズに入団。
高卒2年目にファームで13試合に登板すると、防御率1.72の好成績をマーク。同年は奪三振率11.49をマークするなど能力の高さを見せたが、同年の支配下契約は実現しなかった。
それでも、昨季もファームで十分な成績を残し、同年5月に支配下契約を勝ち取った。同年は一軍でも21試合登板で8セーブを記録し、ショートイニングでの好投が光った。
今季も一軍で登板数を重ねており、リリーフに欠かせない存在だ。これから夏場を迎えるが、さらに状態を上げていきたい。
【了】