アンファーの女性向けヘアケアブランド「スカルプD ボーテ」は5月30日、「夏のヘアケアに関する調査」の結果を発表した。調査は全国の20~60代女性300名を対象に行われた。

入浴時に洗うのが最も面倒な部位は?

調査によると、約7割の女性が「面倒くさい」と感じている入浴時のケア部位は「頭(髪)」であることが明らかになった。お風呂の時間は本来リラックスできるひとときのはずが、夏の猛暑と湿気の中では、「洗う・乾かす」といった工程が心理的にも肉体的にも負担になるケースが多いようだ。

  • 入浴時に洗うのが最も面倒な部位は?

「サボりがちなこと」第1位はドライヤー

さらに、「夏の暑さを理由に、入浴関連でついサボってしまうことは何ですか?」という設問に対して、最も多く挙げられたのが39%で「ドライヤー」だった。また、「ドライヤー」と回答した女性の年代で最も多かったのは40代の女性ということも分かった。サボりがちなこととして選んだ理由には、年齢を問わず「乾かすのに時間がかかって面倒」との声が多く集まったが、「乾かしている間にも汗が止まらないから」「熱風がしんどいと感じる」などの声は40~50代の女性から多い結果に。

同社が別調査で実施した「夏の更年期症状に関する調査」においても、ドライヤー時の"ホットフラッシュ"に関する悩みの声が複数寄せられているという。この質問からは、ドライヤーが"暑さによって避けられる行為"として顕著に浮き彫りになるとともに、更年期症状を感じやすい世代の女性に"ドライヤー離れ"が起こりやすくなっているということが伺える。

  • 夏の暑さが理由でバスタイムでついサボってしまうことは?

  • 「夏に最もサボりがちなのは"ドライヤー"」と回答したのは40代が最多

2人に1人以上が「髪を自然乾燥させた経験あり」

実際に「ドライヤーが面倒で、髪を自然乾燥させたことがありますか?」という質問には、過半数以上が「はい」と回答。この結果からも、ドライヤーを使わない"なんとなく放置"が多くの女性の間で広く行われていることがわかる。

  • ドライヤーが面倒で髪を自然乾燥させた経験は?

「髪の自然乾燥が招く薄毛・抜け毛のリスク」専門家が解説

調査結果を踏まえ、女性の頭髪治療の専門医であるクレアージュ総院長の浜中聡子医師が「髪の自然乾燥が招く薄毛・抜け毛のリスク」について解説している。

髪の自然乾燥が薄毛・抜け毛リスクを高めるのはなぜ?

浜中医師によると、ドライヤーを使わずに髪を自然乾燥させる行為は、涼しくて手軽に思える一方で、頭皮や毛髪にとっては決して理想的な方法とは言えないという。特に夏の高温多湿な環境下では、髪が濡れたままの状態が長く続くことで頭皮に熱と水分がこもり、雑菌やカビが繁殖しやすくなるとのこと。また、髪が濡れている時間が長いほどキューティクルが開いたままとなり、摩擦や枕との接触で髪が傷みやすくなるというデメリットもあるという。乾燥しきらない頭皮は皮脂の分泌バランスも崩れやすくなり、毛穴の詰まりや血流の悪化を引き起こし、結果的に抜け毛や薄毛の原因になるとされている。

更年期のヘアケアの重要性とは?

更年期に差し掛かる40~50代の女性は、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌量が急激に低下する。エストロゲンは、髪の成長サイクルを健やかに保ちハリ・コシのある毛髪を維持するうえで欠かせないホルモンである。このホルモンが減少することで、髪の一本一本が細くなる、髪のボリュームが出にくくなる、生え際や分け目が目立ちやすくなるなどの変化が見られるようになる。このような状態の頭皮に対して、洗髪後にきちんと髪を乾かさず自然乾燥で放置することで、薄毛の進行をさらに加速させる恐れがあるため、できる限りドライヤーを使って髪を乾かすことが推奨されている。

暑い夏"無理なく効率よく快適に"髪を乾かすコツ

1. 吸水性の高いタオルでしっかり"プレドライ"を

ドライヤーの前に、髪の水分をできるだけタオルで吸い取ることが、時短の第一歩。マイクロファイバーなど吸水性の高いタオルで、根元から毛先まで丁寧におさえるように水気をとるのがポイントだという。ゴシゴシと水気を拭き取るのはNGとのこと。

2.髪の根元に温風を当てる

髪全体を乾かそうとするのではなく、まずは頭皮を乾かすことを優先するのが望ましいとされている。地肌が乾けば蒸れが防げるうえに、毛先にも自然と風が通るので、全体の乾燥時間が短縮される。乾かす順序については、後頭部、次いで頭頂部、最後にサイドと、乾きにくい箇所から順に行える。

3.ドライヤーの"冷風機能"を活用

熱がこもると汗をかいて逆効果になることも。仕上げの段階では「冷風モード」を使うことで、快適さがぐっとアップする。汗の再発を防ぎ、キューティクルを引き締める効果も期待できるという。

4.部屋の温度・風通しも工夫を

エアコンや扇風機を併用し、ドライヤー中の"室温調整"も快適さのカギ。風通しのよい場所で行うだけでも、体感温度が大きく変わる。

5.「ひんやりアイテム」の活用でドライヤー時間を快適に

「どうしても暑さが我慢できない」「ドライヤーの熱風が苦手」という場合、冷感・涼感グッズを取り入れた"ひんやりヘアケア習慣"もおすすめだという。冷感シャンプーやクールスプレーなどを使って頭皮をクールダウンさせることで、汗を抑えるだけでなく、ドライヤー時間そのものを快適に感じられるようになる。

「日常的なヘアドライは、見た目の清潔感だけでなく、頭皮と毛髪の健康を守るための基本的なケアです。暑さへの対策としては、冷風モードや吸水性の高いタオル、冷感ケア用品などを活用しながら、無理なく、継続的に髪を乾かす習慣を取り戻すことが重要です。頭皮は顔と同じ"皮膚の一部"であり、年齢とともに変化していきます。だからこそ、"なんとなく"の自然乾燥ではなく、将来の頭髪を守るという意識を持って、日々のヘアケアを見直していただければと思います」(浜中聡子医師)