ドラゴンズの歴史が変わる…?中日、交流戦初優勝へのキーマンとなる選手6人

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 セ・リーグ、パ・リーグの全球団が総当たりで激突する交流戦。2005年から開始以降、過去に8球団が栄冠を掴んでいるが、中日ドラゴンズは優勝経験がない。今季もリーグ5位に沈んでいるが、交流戦で頂点に立ち、流れを変えたいところだ。今回は、中日の交流戦初優勝へのキーマンを紹介する。(文・シモ/成績は6月1日終了時点)

涌井秀章

・投打:右投右打

・身長/体重:185cm/85kg

・生年月日:1986年6月21日

・経歴:横浜高

・ドラフト:2004年ドラフト1巡目

 

 涌井秀章の交流戦には、話題が尽きない。

 

 東京ヤクルトスワローズ・石川雅規の29勝に次ぐ、交流戦26勝を挙げている涌井。交流戦の投球回数では、2005年の交流戦開始から数えて441イニングと歴代1位の登板数である。

 

 

 涌井はプロ21年間の中で、西武、ロッテ、楽天、中日に所属しているが、所属4球団での交流戦勝利は歴代最多タイだ。


 

 昨季の交流戦でも、0勝1敗ながら3試合の登板で防御率2.25と素晴らしい成績を挙げている涌井。


 

 中日ドラゴンズに移籍して3年目の今季は、4試合の登板で2勝1敗、防御率1.44と好調なので、交流戦までこの調子を維持してもらいたい。


 

 涌井はパ・リーグ時代からソフトバンク戦27勝を挙げているが、中日の今季の交流戦は、ソフトバンクとの一戦から始まる。この3連戦のどこかで、涌井を先発させるのも面白いかもしれない。


 

 持ち前の粘り強い投球術を、今季もパ・リーグの各打者に見せてもらいたいものだ。

上林誠知

・投打:右投左打

・身長/体重:185cm/90kg

・生年月日:1995年8月1日

・経歴:仙台育英高

・ドラフト:2013年ドラフト4位

 

 交流戦を戦う上では、上林誠知にも注目したい。

 

 昨季は移籍年ということもあり、シーズンの成績が思わしくなかった上林だが、今季は好調だ。

 

 

 今季は50試合の出場で打率.279、7本塁打、22打点、9盗塁と、打撃面でも盗塁面でもチームを引っ張る上林。印象的なのは、5月16日の巨人戦だ。

 

 この試合で上林は2打席連続本塁打を放っているのだが、2本目は巨人の絶対的なセットアッパー・大勢の154キロをはじき返しての本塁打だった。


 

 大勢の今季の被本塁打はこれが初めてだったので、なおさら価値のある一発だろう。この調子を維持して、交流戦に突入してもらいたい。


 

 ちなみに上林の交流戦の成績だが、キャリアハイの成績を残した2018年には、打率.296、7本塁打、18打点をマークしている。


 

 ソフトバンク時代のアキレス腱断裂や戦力外通告など、数々の試練を重ねた上林が活躍すれば、そこにドラマが生まれる。

 

 セ・リーグに移籍してからの交流戦で活躍する、上林の姿を見たい。

田中幹也

・投打:右投右打

・身長/体重:166cm/68kg

・生年月日:2000年11月28日

・経歴:東海大菅生高 - 亜細亜大

・ドラフト:2022年ドラフト6位

 

 走攻守全てで、高い技術力を持つ田中幹也。交流戦での活躍も気になるところだ。


 

 守備では、5月13日のヤクルト戦で、素手で捕球したボールをそのまま一塁に送球したプレー、5月17日の巨人戦の1回裏、センター方向へ抜ける辺りを好捕したプレーが印象的だ。

 

 

 打撃では、17試合の出場で打率.267、1本塁打、3打点の成績を残している。


 

 5月11日の阪神戦の2回表には、伊原陵人から右翼線への二塁打。9回には内野安打を放ち、マルチ安打を記録した。


 

 同20日のDeNA戦では、第一打席で三塁強襲の内野安打。第三打席ではライト前ヒットを放った。


 

 翌21日のDeNA戦では決勝本塁打を含む2安打2打点を記録するなど、随所で存在感を放っている。無駄のない走塁も、魅力の一つだろう。

 

 一軍でアピールを続けているプロ3年目の田中。交流戦で走攻守にわたってどのようなプレーを見せてくれるのだろうか。

松山晋也

・投打:右投右打

・身長/体重:188cm/92kg

・生年月日:2000年6月23日

・経歴:八戸学院野辺地西高 - 八戸学院大

・ドラフト:2022年育成選手ドラフト1位

 

 抑えの松山晋也も、交流戦での活躍を期待したい選手のひとりだ。

 

 昨季までの絶対的守護神、ライデル・マルティネスが読売ジャイアンツに移籍したのに伴い、今季からクローザーを任されている松山。ここまで堂々の投球を見せている。


 

 

 最速150キロ超えの直球と角度のある高速フォークボールで、最後を締めくくる姿をここまで何度見たことか。

 

 個人的に印象に残るのは、5月21日のDeNA戦の9回に登板したシーンである。

 

 2三振を含む3人斬りをして見せたのだが、この試合最後の打者・牧秀悟から奪った三振は圧巻のひと言。伸びのある直球が低めにズバリと決まり、見逃し三振を喫した牧がしばらく唖然とするほどだった。


 

 また、今季は22回2/3を投げて奪三振率12.17をマーク。前守護神のマルティネスが、23回2/3を投げて奪三振率8.37なので、そのすごさを物語っている。

 

 交流戦でパ・リーグの各打者が、松山の剛速球に唖然とする姿が何回みられるだろうか。ズドンと重そうな直球は、打者にとって驚異になるだろう。

ブライト健太

・投打:右投右打

・身長/体重:184cm/92kg

・生年月日:1999年5月7日

・経歴:葛飾野高 - 上武大

・ドラフト:2021年ドラフト1位

 


 ブライト健太の長打力は、貧打にあえぐ中日ドラゴンズの中で必要なピースとなるだろう。


 

 体勢が崩れんばかりの、思い切りのよいスイングが特徴のブライト。打球をしっかりと捉えた時に放たれるその一発は、とにかく魅力的である。

 

 

 しかし、プロ3年目の今季も、高校通算38本塁打のパンチ力が十分に発揮されているとは言い難い。

 

 昨季は、代打で25打数8安打、打率.320と一定の成績を挙げたものの、シーズン通しての成績は打率.239、2本塁打、3打点と寂しい数字に終わっている。

 

 今季も31試合の出場で、打率.220、1本塁打、5打点の成績。開幕一軍入りは果たしたが、5月4日には出場選手登録を抹消された。

 

 それでも、同14日に再昇格。同日のヤクルト戦では、8回2死二塁から適時三塁打を放った。同27日のヤクルト戦でも、8回1死一、二塁から同点打を放っている。

 

 再昇格後、効果的なヒットが生まれているブライト。この状態をキープして、交流戦ではパ・リーグの投手から効果的な一発を見せてもらいたいものだ。

金丸夢斗

・投打:左投左打

・身長/体重:177cm/77kg

・生年月日:2003年2月1日

・経歴:神港橘高-関西大

・ドラフト:2024年ドラフト1位

 

 即戦力ルーキーの金丸夢斗だが、交流戦でパ・リーグの打者と対戦する姿に注目したい。


 

 5月5日のDeNA戦でプロ初登板を果たすと、最速152キロの直球を武器に6回2失点8奪三振の好投。脅威のDeNA打線を前に、期待に違わぬ堂々たるピッチングを見せてくれた。


 

 

 落ち着いたマウンドさばきから繰り出される伸びのある速球で、DeNA打線に真っ向勝負していく姿は清々しかった。


 

 同16日の巨人戦でも、力強い速球とカーブ、スライダー、スプリットなどのコンビネーションで、6回3安打7奪三振1失点の好投。巨人打線を抑えた。

 

 伸びのある速球でグイグイと投げ込む金丸の気持ちのこもった投球は、パ・リーグの強打者たちも圧倒するだろう。

 

 金丸の好投が、交流戦優勝の鍵になると言っても過言ではない。

 

 

【了】