東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『ミッドナイト屋台~ラ・ボンノォ~』(毎週土曜23:40~)の第8話が、きょう31日に放送。今回スポットが当たる常連客・岡部則夫を演じる津田寛治が、コメントを寄せた。

  • 津田寛治(左)と神山智洋

――岡部則夫は、謎が多い人物ですね。

自分でもなかなか役を掴みづらかったですね。物語のメインストリームに絡むわけでもないし、台本のト書きにも「岡部が飲んでいる」くらいしか書かれていないし…。役作りについて監督に相談したところ、「そうですねぇ…、幽霊みたいな感じで。いわゆる屋台の“妖精”ですかね」みたいな(笑)、すごくフワッとした説明だったんですよ。

――どの辺りから役を掴んだのでしょうか。

当初は探り探りでスタートしましたし、普通に「津田寛治が屋台で白ワインを飲んでいる」だけでしたね。そんな岡部に肉付けをしてくれたのは、神山(智洋)君と中村(海人)君です。あの二人がしっかりと僕に絡んでくれたことで、岡部という役が動き出したと思っています。何より、彼らが真摯に撮影に取り組み現場を盛り上げてくれたことで、僕自身も彼らのために何かしてあげたいという気持ちになりました。その思いが、岡部という役にも反映されたのかなと感じています。

――ドラマは屋台が舞台ですが、何か思い出深いことはありますか?

故郷の福井県では、「ヤタチュー」という文化があるんです。「屋台の中華そば」という意味なんですが、夜が更けてくると街のあちこちにラーメンの屋台が出るんです。お客さんを呼び込みたいと、どの屋台も切磋琢磨して味を競い合うので、どこも美味しいんですよね。特に福井の冬は寒いので、子どもの頃は家族で車に乗って屋台へ行きました。混んでいると車の中で待つのですが、そうすると車までラーメンを持って来てくれて…。懐かしい思い出ですね。

――「食」が、思い出と強く結びついていますね。

僕自身は、グルメとか有名店を食べ歩くといったことには、あまり興味がないんです。むしろ、屋台や立ち食い蕎麦といった庶民的なものへの愛情は深い方だと思っています。だから、子どもの頃に食べたあのラーメンの味は、たぶん一生忘れないでしょうね。

――第8話では岡部の正体が判明します。どんな部分が見どころでしょうか?

毎回、屋台の片隅でワインを飲んでいた岡部ですが、彼がなぜ翔太たちの屋台に通い詰めるのかが判明します。「翔太の一番のバディは輝元、そして翔太の一番のファンは岡部」だということがよく分かる回です。そして第8話で登場する「真鯛のポワレ」も見どころの一つ。ドラマのフードコーディネーター藤代太一さんは役者でもあるので、「どのように撮られるか」を想定して調理してくれます。柔らかなポワレは、崩れやすく食べるのが難しいのですが、上手に仕上げてくれました。しかも味も絶品。だから僕が食べているシーンは演技というよりも、「津田寛治が美味しい料理を堪能しているドキュメント」になっていると思います。

――視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

このドラマは、神山君と中村君の奮闘ぶりが魅力的なのですが、毎回登場する料理も主役級の活躍をしてくれています。食をテーマにしたドラマは数あれど、調理する過程をここまで丁寧に描いた作品はなかったんじゃないかな。「もしこんな屋台が実際にあるのなら、ぜひ行ってみたい」と、皆さんに思ってもらえるような作品になっていると思います。そして第8話から物語が大きく動き出すので、ここから最終回までをぜひ楽しんで下さい。

【編集部MEMO】
『ミッドナイト屋台~ラ・ボンノォ~』第8話あらすじ
父との関係が修復したことで、翔太(神山智洋)の味覚が回復した。翔太はそのことを周囲に話し祝福してもらうが、「俺は、お前の舌になる」と翔太を支えてくれていた輝元(中村海人)にはなかなか言い出せず、彼の前では感覚が戻らないフリをしていた。「自分たちの関係が壊れそうで怖い」という翔太に対し、「輝元だったら大丈夫」と背中を押す真耶(石田ひかり)。しかしある夜、常連客の岡部(津田寛治)が翔太の変化に気付いてしまい…。