RIZAPグループは15日、2025年3月期の通期決算説明会をオンラインで開催。それによれば、3期ぶりに通期連結営業黒字および最終黒字を達成した。RIZAPグループ 代表取締役社長の瀬戸健氏は「今後もchocoZAP等の成長を見据えながら、取り組みを新たなステージに進めてまいります」と説明している。
chocoZAPが牽引
2025年3月期の売上収益は1,710億円と前年同期比で84億円の増収。営業利益は18億8,200万円(前年同期比+25億3,100万円)だった。内RIZAP関連事業(chocoZAP含む)が6億6,500万円(同+47億3,600万円)、内そのほか既存事業が16億5,800万円(同+5億5,700万円)、調整額(内部取引等)がマイナス4億4,100万円(同-27億6,300万円)という内容。EBITDAは243億5,500万円(同+76億7,500万円)。瀬戸社長は「最終利益に関しましても、前年同期比43億円の赤字から2億6,400万円の黒字となりました」と報告する。
続いて2026年3月期の連結業績予想については「売上収益は微増ですが、営業利益に関しては通期で110億円を見込んでいます。前年同期比+92億円の大幅な増益です。半分以上がchocoZAPの収益となっています。今後もchocoZAPの収益力向上を主な成長ドライバーとして、大幅増益を狙っていきます」と瀬戸社長。
chocoZAP事業について
決算説明会ではchocoZAP事業の現状についても説明した。2022年7月にスタートしたchocoZAP事業だが、現在の会員数は135万人。この1年間には15万人も会員が増えている。このほか2025年3月期の出店数は+409店舗だったこと、顧客満足度も向上していることなどを伝える。今後の成長戦略については、1. 品質向上の取り組みを継続しながら、2. 新たな出店モデルで成長を加速させ、3. アセットを活用した新規事業にも積極的に取り組んでいく方針。
出店計画について話が及ぶと「この3年弱で、我々は約1,800店舗を出店してきました。すべて直営店です。これは記録的な実績だと自負しています。出店のスピードを加速させるため、今後はパートーナー様との共同出店・FCモデルも検討していきます」とする。
さらにはグローバル展開も加速させる。すでに海外4市場14店舗にてテストマーケティングを実施しているが、瀬戸社長は「特に香港で好調なスタートを切りました。日本とは文化・商習慣の類似点が多く、chocoZAPのコンセプトがマッチしているようです。また台湾、中国、アメリカでも強い手応えを感じています」と解説する。今後は、日本モデルの強みを活かしつつ現地のニーズにも沿うことで、集客・サービスを最大化していきたい考え。
最後に、メディアから寄せられた質問に回答した。
chocoZAPで窃盗事件が発生していることについては「会員の皆さま、そのほか多くの方々にご心配をおかけしており、深くお詫び申し上げます」と陳謝。瀬戸社長によれば、ジム内は24時間365日、10台ほどの監視カメラで録画を続けている。今回の事件に際しても、警察からの要請により録画した映像を提出し、それをもとに犯人を特定できたという。しかし「犯人は確実に特定できるんですが、一方で犯罪を未然に抑止する力が弱かった、と反省しております。今後は、防犯カメラが作動していることをしっかり周知するとともに、身の回りのモノを持ち運べるカゴを用意するなどして、ご利用しやすい環境をつくっていきます」とした。
壊れにくいマシンの開発状況と今後の導入予定について聞かれると「これまでにマシンの故障対応などの知見もたまってきています。すでに自社開発した第3世代のマシンを導入しており、故障率も以前の半減以下まで改善しました」と回答した。