パーソルイノベーションは5月29日、「退職した会社とのつながりとキャリア選択に関する調査」の結果を発表した。調査は4月2日~8日、全国の企業に勤める20~49歳の会社員660名を対象にインターネットで行われた。

  • 退職時の勤続年数と再入社率

    退職時の勤続年数と再入社率

調査によると、直近3年以内に企業を退職した経験が「ある」人は26.8%。また、退職した企業に再入社したことが「ある」人は過半数にあたる51.8%となり、退職後も企業との関係が一定数維持されていることが明らかに。再入社の傾向を勤続年数別に見ると、新卒入社後3~5年未満で退職した人の再入社率は80.6%に達し、中途入社者の再入社率30.0%と比べると、非常に高いことがわかった。

  • アルムナイ制度と退職者の再入社率

    アルムナイ制度と退職者の再入社率

また、アルムナイ制度のある企業では、退職者のうち81.4%が再入社の経験「あり」と回答し、全体の再入社率(51.8%)を大きく上回る結果に。このことから、制度の有無が“戻りやすさ”を後押しする要因となっていることがうかがえた。

なお、同調査では、企業を退職した元社員(アルムナイ)とのつながりを維持し、再入社や業務委託、副業、交流会などを通じて関係性を活かす仕組みを「アルムナイ制度」と位置付けている。

  • 退職後のつながりと再入社率

    退職後のつながりと再入社率

続いて、退職した企業とは現在どのようなつながりをもっているかを尋ねたところ、「特に関わりがない」が37.3%を占めた一方で、「取引先としてつながっている」も36.1%となり、ほぼ同水準であることが明らかに。また、退職企業に再入社した経験のある人のうち、57.0%が「取引先として関係がある」と回答しており、退職した後も何らかのかたちで企業との関係を持ち続けている人が多いよう。

さらに、退職企業で副業したいと思うかと質問したところ、退職経験者のうち64.5%が「今後、退職した企業で副業をしてみたい」と回答。退職理由と副業意向の関連を見てみると、キャリアアップやライフスタイルの変化、待遇改善などを理由に退職した人は副業で元の企業に出戻りたいという意向が高い傾向がある一方、社風の不一致や人間関係の問題で退職した人は副業意向も低い傾向が見られた。