ロッテ・池田来翔[撮影=岩下雄太]

 「ファームでやっていることが一軍でそのままできている年かなと思います」。

 ロッテの池田来翔は、一軍で自身のポジションを掴もうと、バットで結果を残している。

 池田の持ち味は初球から積極的に打ちにいくことだが、現在は2ストライクと追い込まれてからも、2ボール2ストライクのカウントの打率が.300(10-3)と対応。5月22日のオリックス戦では、1-0の6回二死一、二塁の第3打席、「カウントが3-2だったのでコンパクトに強く振ることだけを考えてました。打つことができて良かった」と田嶋大樹が3ボール2ストライクから投じた7球目の145キロストレートを第1号3ランを放つと、6-0の7回二死一塁の第4打席、山﨑颯一郎が2ボール2ストライクから投じた6球目のスプリットをレフトスタンドに第2号2ラン。いずれも2ストライクと追い込まれてから本塁打を放ったのはよかった。池田本人も「僕自身もそう思いました」と振り返る。

 四球こそ61打席立って1つだが、追い込まれてからも粘れているのも、ファームから取り組んできたことが出せている。

 「いつもファームでできたことが一軍でできないのが続いていたんですけど、今年はファームでやっていたことが一軍でもできているというのは2ストライクと追い込まれてから、粘ったりヒットを打ったりというのは、今までの年ではなかったような感じなので、そこが良い感じかなと思います」。

 今季の池田の打撃を見ると、ライナー性の打球が非常に多い。そこは意識しているのだろうかーー。

 「意識していますね。バッティングの練習からあまり振り上げないように、ボールを潰すイメージで練習から意識しています」。

 どういった経緯で、ライナー性の打球を打とうとなったのだろうかーー。

 「僕自身、上がった打球が飛ばないので、ライナーを打った方が打球が飛ぶ感じがありますし、試合でもそういう打球がヒットになっている。それだったら、そうやって意識していこうと思っています」。

 外野の正面を突いたライナー性の打球のアウトもあるが、「内容は良いと思います」とのこと。

 ライナー性を打つにあたって、理想の打球について訊くと、「あれがそのままホームランになったり、外野の頭に抜けたり、レフト線に行ったりというのが僕の中ではイメージがあります」と説明した。

 ファームで取り組んできたことが、現在一軍の舞台で出せている。それができているのも、池田が常々口にする“芯”を持っていることも関係しているのかーー。

 「そこをベースに練習したり、ファームでやっていることを自分の中で思い出して練習しています」。

 また、スタメンで4打席立てていることも大きいのか訊くと、「気持ち的には1打席代打みたいな感じでやっています」と教えてくれた。

 1月の自主トレでは「自分にしかない積極性、勢いを長期的に続けられればいいなと思います」と話し、5月6日の取材では「勢いに乗れていないので、なんとも言えないんですけど、毎日同じことやることじゃないですかね」と話していた。

 5月24日の取材で、“勢い”について「徐々にですかね。悪いなりにずっとヒットは出ていたので、今いい感じになっているので、このまま爆発したい」と意気込んだ。

 この先、一軍の試合に出場するためには、結果を残していくことに加え、好不調の波を小さくしていく必要がある。「できるプレーをこなすことだと思います。毎日試合に出て、何かしらの結果を残すことが一軍にいることかなと思います」。このチャンスを掴み取ろうと、ギラつく背番号00はチームに勢いをもたらす。

取材・文=岩下雄太