「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは、「米農家の実態調査」の結果を5月23日に発表した。同調査は、2025年5月16日~5月21日の期間、食べチョクに登録している全国の米の生産者111人を対象にインターネットを用いて行われた。
令和6年産米について、「在庫が逼迫している」もしくは「在庫がない」と回答した生産者は全体の約85%にのぼった。一方で、「毎年余っていた米が今年はすべて完売した」と喜ぶ声も多く寄せられた。
令和6年産米の生産量について、「農林水産省が発表している作況指数(水田10a当たり平年収穫量(平年値)を100とした時の、その年の収穫量を示す指数)の『101』と比較して自身の生産量は少ないと感じる」と回答した生産者は、全体の42%となった。
理由として挙げられたのは、「夏の酷暑や水不足、水温の上昇によって米の品質が低下し、2等米・3等米の割合が増えた」というもの。品質低下により等級が下がると、精米時に砕ける米の割合が増え、実際に流通可能な量が減少することも、乖離の一因と考えられるという。
令和6年産米の市場流通における相対取引価格の平均は、2024年9月時点で玄米60kgあたり22,700円。同時期の小売価格の平均は3,000円から3,500円程度となっている。
この価格について「妥当」と感じる生産者は約38%、「少し安い」または「とても安い」と感じる生産者は約52%を占めた。生産者からは「肥料・燃料・人件費などのコスト上昇は長年価格に反映されてこなかった。ようやく適正価格に近づいた」といった声も寄せられた。
また、米の需要増加をうけて「今後主食用米の作付面積を増やす予定はあるか」という質問に対し、「増やす予定はない」と回答した生産者は約55%という結果に。一方で「増やす予定」と回答した生産者は約34%にのぼった。
手段としては「飼料用米からの転換」や「新たに土地を買い取る」などが挙げられた。令和7年産米の単収(面積10aあたりの米の生産量)の見込みについては約20%が増える見込み、約44.6%が平年並みと回答した。
令和6年産米の販路と令和7年産米の販路(予定)を比較したとき、直売所や産直ECなどの直販での米の販売割合を増やす方針を示した生産者は約32%となった。今回の需要の高まりをうけて、安定した収入の確保に向けて見直す生産者も出てきている。