しなの鉄道は、災害時の避難所を列車でまるごと輸送する「災害支援列車」の実証実験を6月7日に実施する。長野県千曲市の企業「ふろしきや」がしなの鉄道から委託を受けて企画・運営を担当し、実証型イベント「しなの鉄道Connect つながる防災フェス」として行う。

  • 『しなの鉄道Connect つながる防災フェス』が開催される

この取組みは、災害発生時に列車で支援物資や人員を迅速に運ぶことで、避難所の機能を駅前に開設することを目的としている。「大雪により道路が寸断された信濃町エリア」を想定して実証実験を行い、救援物資とともにボランティア・支援スタッフ約60人を列車に載せて戸倉駅から黒姫駅まで輸送する。途中の北長野駅でも防災倉庫から物資を積み込む。黒姫駅に到着した後、列車で運んだ物資と人員のみで駅前に避難所を開設する。

避難所で炊き出し体験、防災関連のブース展示、防災トークなど、災害時の体験ができるイベントを実施。一般参加者向けの物資配布や休憩スペースも設ける。千曲市と災害時一次避難の協定を結んでいる戸倉上山田温泉旅館組合連合会の協力により、黒姫駅から戸倉駅まで列車で避難し、温泉旅館へ避難する流れも検証する。

  • 列車で輸送した物資と人だけで避難所を開設する実証実験を行う

イベントは6月7日の6時30分から16時まで行われ、黒姫駅前の特設会場で10時30分から13時まで各種プログラムを実施する。参加費は無料。得られた知見はアーカイブ化した上で公開され、今後の広域地域防災体制強化に活用する予定となっている。