日本最大級のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン2025」が5月18日、大阪府堺市で幕を開けた。堺ステージは平坦で短い距離を競うタイムトライアルレース。この日は延べ4万5800人の来場者(主催者発表)が会場を訪れ、多くのファンが沿道から声援を送った。今回は、熱戦が繰り広げられた当日の模様をレポートしよう。
ツアー・オブ・ジャパン開幕!現地は大盛り上がり
UCI(国際自転車競技連合)公認の国際サイクルロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」。国内外16チームのトッププロ選手ら約100名が参加し、個人&チームで優勝を競う国内最大級のレースだ。
日本では唯一“都府県をまたぐステージレース”としても知られ、8日間にわたって堺、京都、いなべ、美濃、信州飯田、富士山、相模原、東京の計8ヵ所で激闘が繰り広げられる。全レースのタイムを最終的に合計し、最速だった選手が総合優勝となる仕組みだ。
開幕戦の堺市では、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」に隣接する大仙公園の周回道路がコースとなった。
本レースは13時30分からスタート予定だったが、9時30分から行われたオープニングセレモニーには……
すでに大勢のファンの姿が! この日の気温は25度前後。雲が空を覆っていたため、体感ではさほど暑く感じなかったが、会場の熱気は静かに上昇の一途を辿っていった。
オープニングセレモニーでは、大阪府警察音楽隊演奏&カラーガード隊が楽器を演奏! さらに……
世界で活躍するスーパースター、新城幸也選手が登場! 新城選手をスポンサードするシマノの島田真琴氏とトークショーを行った。シマノに対し、自らスポンサードを依頼したという新城選手は、この日もシマノシューズの魅力を熱弁。新城選手のためにデザインされた世界で唯一のカスタムデザインシューズ「RC903 ARSR」もお披露目した。スタイリッシュでめちゃくちゃカッコいい……!
イベント会場となった大仙公園には協賛企業がブースを出展した。シマノのブースもさっそく発見!
ヘルメットやサングラス、シューズなどのギアが一通り展示されており、そのなかには当然……
新城選手のスペシャルシューズのベースとなってる「S-PHYRE SH-RC903」も並んでいた! このシマノ最高峰のモデルは、ペダルにしっかりエネルギーが伝わるようソールはかなりの剛性が確保されており、一方でアッパーは足の負担にならないよう硬さと柔らかさのベストバランスを追求。快適性、軽量性なども備えたハイエンドな一足だという。新城選手もこれを愛用しているのか……。なんか感慨深い。
さらに、超レアなバイクも! アメリカでシェアNo. 1を誇るスポーツバイクメーカー「トレック」とシマノがコラボしたスペシャルカラー「Shimano x Trek Chroma Dura-Ace」だ。シマノが誇るコンポーネント「デュラエース」からインスパイアされた色で、トレックの最上級バイク「Madone SLR 9」を購入した場合、オプションでこの特別カラーを選ぶことができる。
ちなみに、バイクの本体価格は185万円、カラー塗装アップチャージが49万5000円。つまり、いま目の前にあるこのバイクの合計額は234万5000円。すっ、すごすぎる……!
会場には「アリエクスプレス」のブースも出展! 自転車本体はもちろん、自転車用コンピューター、サイクリングウェア、アクセサリーなど、幅広く取り扱う中国の大手ECで、この日もあらゆるサイクルギアがズラリと並んでいた。今大会では特別協賛として、安全装備一式を実行委員会へ贈呈するなど、かなり手厚いサポートを行っているようだ。
他にも会場には……
100mタイムトライアルにチャレンジできる「岸和田けいりん」のブースや……
大人気ロードレース漫画『弱虫ペダル』のブースなども並んでいた。
ツアー・オブ・ジャパンとは別に、26.8キロメートルを走破する「堺国際クリテリウム」も行われた。クリテリウムとは、全選手が一斉にスタートし、コースの周回を重ね、最終周回の着順をもって順位を決めるレースである。
ツアー・オブ・ジャパンの出場選手たちが出場した前哨戦のような位置づけで、みんなで一斉に走るからとにかく迫力がスゴい! 結果、シマノレーシングチームの風間翔眞選手が見事に優勝に輝いた。
いざ、ツアー・オブ・ジャパン2025 堺ステージ開幕!
時刻はまもなく13時30分。ついに「ツアー・オブ・ジャパン2025」の本レースが始まる。大仙公園を周回する全長2.6キロメートルの個人タイムトライアルレースで、30秒ごとに選手が出走していくスタイルとなっている。
記念すべき最初に選手が……
勢いよくスタート!
30秒後に次の選手が出走!
その後も続々と出走!
それにしても……
めちゃくちゃ速いし、めちゃくちゃ苦しそう……! 短距離コースなので、無酸素運動のような苦しさや激しさがあるのだろう。迫力満点だが、選手はめちゃくちゃ大変だろう。スタートからゴールまで、ずーっとスプリントのような全力ダッシュを続けるわけだし。
だけど……いや、だからこそ……
めちゃくちゃカッコいい……!!!! すごく感動的。陸上の短距離もそうかもしれないけど、こういうスポーツは刹那的な美しさを感じる。
最終ストレートでは、どの選手も余力を振り絞るようにして懸命にペダルを踏み込んでいた。どの選手もスゴいが、速い選手は本当に弾丸のように速い! 会場内では、レースの様子を伝える実況アナウンスも流れていたが、序盤のほうは3分5秒前後のタイムが記録されるたびにアナウンサーは称え、来場者からも称賛の声が上がっていた。
最終的に堺ステージを制したのは……
ドゥシャン・ラヨビッチ選手。新城選手のチームメイトで、セルビア・クラリエボ出身の27歳だ。タイムは衝撃の2分58秒! 3分を切り、“夢の2分台”に到達した唯一の選手である。文句なしの優勝!
ラヨビッチ選手はこの日、ステージ優勝、個人総合時間賞リーダージャージ、ポイント賞ジャージの3賞を獲得。ステージでは「ツール・ド・熊野でステージ2勝、和歌山城クリテリウムで優勝しているので、これで4勝目になりますが、今日も多くのみなさんの前で優勝できて嬉しく思います。明日からのレースも気を引き締めていきたいと思います」と意気込みを語った。
ちなみに、日本人も岡篤志選手が4位、山本哲央選手が7位にマークするなど、大いに健闘。翌日の京都ステージでは、岡選手が区間優勝を手にしている。展開が熱すぎる……!!!! 8日間にわたって行われる激戦、果たして栄冠はどの選手、どのチームに輝くのか。大注目!