パナソニックは5月20日、今夏のエアコン利用についての調査結果を発表した。調査は2025年5月9日~5月16日、エアコンを所有している20~60代の男女529名を対象にインターネットで行われた。

5月18日はエアコン冷房利用率が今シーズン初の20%超え

同社はエオリアアプリに接続したエオリアユーザーの利用データをもとに、今シーズンの「エアコン冷房当日利用率2025(全国平均)」および「エアコン冷房累計利用率ランキング2025」を作成した。

エアコン冷房を利用したユーザーの日毎の割合を示すエアコン冷房当日利用率を、4月1日〜5月18日において集計したところ、5月17日~18日の週末で大幅にエアコン冷房の利用が進み、全国で真夏日が続出した5月18日の当日利用率は24.4%と今シーズン初の20%を超える一日となった。

  • エアコン冷房当日利用率2025(全国平均)

次に、今シーズン既に一度でもエアコン冷房を利用したユーザーの割合を示すエアコン冷房累計利用率を算出し、全国47都道府県で比較した。5月18日時点で多くの地域で平年を上回る利用率となっており、今年はエアコン冷房の利用が早い年と言えそうだ。今回算出した5月18日時点でのエアコン冷房累計利用率は、九州・沖縄地方の利用率が高く、続いて関東地方・四国地方の利用率が高い傾向にある。今後さらに暑さが本格化する中、エアコン冷房の利用率も大きく伸びることが予想される。

  • エアコン冷房累計利用率ランキング2025(5月18日時点)

電気代値上げで「今夏エアコン利用ガマンしたい」が49%

「電気料金値上げが続いていますが、値上げの負担を感じることがありますか?」という質問では、「強く感じる」46%、「やや感じる」41%と87%が電気料金値上げの負担を感じている。2024年9月に行われた同調査では「強く感じる」40%、「やや感じる」40%だったことから、値上げ負担を感じている人が7%増加したことがわかった。さらに、電気代に限らず食品、日用品など、各種値上げについての不安も、「強く感じる」61%、「やや感じる」33%と94%が不安を感じている。2024年9月に行った同調査では「強く感じる」50%、「やや感じる」36%だったことから、各種値上げへの不安を感じている人は8%増加したことがわかる。

  • 電気料金値上げが続いていますが、値上げの負担を感じることがありますか?

  • 電気代や食品、日用品など、各種値上げに不安を感じますか?

この電気代値上げの状況を受けて「今夏はより節電に取り組みたいと思いますか?」という質問では、「積極的に取り組みたい」24%、「どちらかと言えば取り組みたい」48%と、72%が節電意向があった。

さらに、「今年の夏は節電のため、エアコン冷房の利用をガマンしようと思いますか?」という質問では、「かなりガマンしたい」14%、「ややガマンしたい」35%と49%がエアコンガマン派であることがわかった。

  • 電気代値上げを受けて、今夏はより節電に取り組みたいと思いますか?

  • 今年の夏は節電のため、エアコン冷房の利用をガマンしようと思いますか?

初夏のエアコン節電術

調査結果を受け、この時期ならではの初夏のエアコン節電術を、パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が解説する。

夏本番前のこの季節の節電術としておすすめなのが、送風運転の活用だという。冷房運転と比較すると送風運転は消費電力が小さく、1時間の電気代は約0.4円だとか。(消費電力量約12Wh。電力料金めやす単価31円/kWh[2022年7月改定]で計算。使用条件等によって異なる)

42%が送風運転について正しく理解していない

「エアコンの冷房運転と送風運転、電気代が高いのはどちらだと思いますか?」という質問を行ったところ、正しく回答できたのは58%で、42%は正しく理解していなかった。また、エアコンの送風運転の使用については、「ほとんど使わない」34%、「まったく使わない」39%と、73%の家庭で活用されていないこともわかった。

  • エアコンの冷房運転と送風運転、電気代が高いのはどちらだと思いますか?

  • エアコンの送風運転を使用していますか?

送風運転はどんなときに活用できる?

室温が28℃以上の場合には冷房運転の積極的な活用が推奨されているが、28℃未満であれば送風運転でも快適に過ごせる場合があるという。

風速が1m/秒あがると、体感温度は約1℃~2℃程度下がるため、送風運転でエアコンの風向きを調節し、気流を感じることで冷房を使わずに体感温度を下げられるとのこと。夏本番前のこの時期ならではの節電術として活用できる。

エアコンは"スペースパフォーマンス"の高い家電

風速1m/秒は、扇風機の中程度の風速に相当する。夏本番前のまだ室温が高くない時期には、エアコンの冷房を使わずに扇風機で涼を取ることもできるが、扇風機がない場合は、限られた部屋の空間と既存の家電を有効利用する"スペパ(スペースパフォーマンス)"の観点からも、エアコンの送風運転が有用であるとのこと。ただし、送風機能がないエアコンもあるため、一度家庭のエアコンの機能を確認してみることが勧められている。

さらに福田氏は、厳しい暑さの日には無理をせず冷房を使用することが必要であるとしながらも、その際に設定温度を1℃上げ、風量を上げることで体感温度を変えることなく、約13%の節電が可能になるとしている。このように、エアコンの気流をうまく活用することで消費電力を抑えることができる。