IS:SUEが語る、覚悟と飛躍の3rdシングルに込めた想い「尖っていい、強くあっていい」

デビューから約1年半。4人組ガールズグループIS:SUE(イッシュ)が3rdシングル『EXTREME DIAMOND』をリリースする。同作の制作背景や、メッセージ性のアップデート、そしてファン=”REBORN”との関係性について、じっくり話を聞いた。ソリッドな質感を湛えたサウンドと一体感、個々の成長が光るパフォーマンスの裏側とは? 一つひとつの言葉から、IS:SUEの真摯な姿勢と、未来への強い意思が伝わってくる──。

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—前回、Rolling Stone Japanの雑誌でインタビューを掲載した後、ファンの方からのハガキが編集部にたくさん届いたんです。この時代、ハガキが届くことってあんまりないんですけど。

一同:わー、嬉しい!

—それだけ熱量が高い”REBORN”(ファンの呼称)が多いんだなと驚きました。

NANO:REBORNの存在が私たちの原動力になっています。落ち込んでいるときや悲しいときでも、REBORNからの応援を受け取るだけで頑張れる。私たちが届けたものをいつも全肯定で受け取ってくれるのがREBORNで、そんなREBORNの存在が私たちの力になっているよってことを、毎日伝えたいです。とても感謝しています。

—1月末〜2月頭に東京ドームで開催された『LAPOSTA 2025』(※LAPONEグループ所属のアーティスト5組による音楽イベント)でも、IS:SSUEへの歓声がめちゃくちゃ大きかったですよね。ドームでの巨大な花道やトロッコは初めてだったと思いますが、いかがでしたか?

NANO:私はトロッコに乗るのが夢だったので、シンプルに楽しかったです。舞台が大きくなるにつれて、責任を持って覚えなきゃいけないことも増えるので、その力をこれからもっと身につけていきたいです。

RINO:お客さんが入ってない状況でも会場の大きさに圧倒されましたし、本番でもお客さんの熱量に圧倒されました。私たちが一番人数が少なくて、ステージに立ってるのが小さく見えるんですけど、その分印象に残るように、練習期間でこうしよう、ああしようってたくさんイメトレや話し合いをしていました。ステージ外では先輩方に感謝しながら謙虚に、でもパフォーマンスしているときは「私たちを見ろ」って感じで、熱量を持ってパフォーマンスできたと思います。LAPOSTAはいろんな経験ができて、たくさんの刺激を受けて成長できたステージでした。

—3人という小人数だからこそ、アーティスト像がより浮かび上がっている感じがしましたし、すごく印象に残りました。

一同:ありがとうございます!

—NANOさんとYUUKIさんが「TOXIC」を披露したのが、日プ女子(※オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」に参加する練習生を指す略称)の頃から応援してくれているファンの間でも話題になってましたよね。

YUUKI:「TOXIC」をやるって聞いたとき、すごく嬉しかったです。番組の当時のことも思い出しましたし、そのときに一緒にやったメンバーとも久しぶりに同じステージに立つことができて、限られたリハの時間のなかでも楽しい思い出をつくれて嬉しい気持ちでした。イヤモニ越しに歓声が聞こえることってあんまりないんですけど、NANOさんのパートが来たときに「ワー!」って歓声が聞こえてきて、みんな喜んでくれてるのかなって感じられて、本番も楽しかったです。

NANO:純粋に嬉しかったし、もちろん本番も楽しめて踊れたんですけど、オーディションのときよりも成長した姿を見せなきゃいけない、っていうプレッシャーもあって。当時のパフォーマンスを完全再現するというよりは、あのときよりもパワーアップした「TOXIC」をみんなに届けたいって気持ちがありました。

—具体的に、どんな部分がパワーアップしたと思いますか?

NANO:私は、歌ですかね。もちろんダンスの見せ方も考えたんですけど、それよりもIS:SUEになってから、自分たちの声を届けることの大切さや、どれだけ生歌を会場に響かせられるかに重きをおいてパフォーマンスしてきたので、「TOXIC」のメンバーのなかで、IS:SUEのよさを私がどれだけ発揮できるか考えながらやらせていただきました。

—今回のIS:SUEの3rdシングル『EXTREME DIAMOND』の収録曲「SHINING」では、〈古びてるメジャーでは計れない〉〈好きなように光って好きなように生きるわ〉といった歌詞が印象的でした。この曲を通じて、これまでの「異種」というコンセプトからどのようにアップグレードされたと思いますか?

YUUKI:デビュー曲「CONNECT」と2ndシングル(『Welcome Strangers ~2nd IS:SUE~』)では、デビューに至るまでの過程や目標といった、等身大の自分たちの話をすることが多くて。今回のシングルでは、おっしゃっていただいた〈古びてるメジャーでは計れない〉とか〈現実を見てなさい〉という歌詞が表すように、周りからの声を〈Mmm〉という一言で返してしまうような、これまでで一番強気な曲ですし、私たちの表現もそこに合わせてレベルアップしたと思います。

NANO:「THE FLASH GIRL」(2ndシングル収録曲)の〈変わり者でもいい〉という歌詞のように、これまでは周りの人を肯定してあげるような、私たちから他者への呼びかけが多かったんですけど、この曲は自分たち自身をさらに肯定して、我が道を行くイメージがあります。今まで以上に個性を突き通すような、尖った印象がある曲だと思いました。

—「NO Game Over」では〈Easy mode に慣れてちゃ To the END〉といったゲームになぞらえた歌詞が印象的でしたが、フロウも多彩でゲームのステージが次々に変わっていくような感覚がありました。レコーディングも大変だったんじゃないかなと思いますが、RINOさんはどうでしたか?

RINO:私自身は、逆に「NO Game Over」が今回のシングルのなかでは一番歌いやすかったです。「Starstruck」の方が難しくて、「NO Game Over」とか「SHINING」の方が遊べる感覚がありました。「NO Game Over」は特にゲームの世界観も相まって、自分のなかでいろいろ試してみようというアイデアや挑戦がたくさんできているので、いい意味で遊べる曲だなって思います。

—いろんなアプローチがあった方が大変かもしれないけど、楽しくもできる。

RINO:私はその方が楽しめます。「NO Game Over」は色を強く出すほど良くなる曲だと思っていて。メンバーそれぞれの遊べる部分があったり、魅力を出せる部分がたくさんあって面白い曲だなと思います。

—m-flo「come again」のカバーもYouTubeに上がっていますが、RINOさんのボーカルにはいろんな表情があるなと思いました。

RINO:ありがとうございます。

—その多彩さというのは、生まれ持った素質なんでしょうか?

RINO:いや、今まで練習してきて自分の声を理解してるからこそ遊べるという感じです。最初の頃は声も1パターンしかなかったですし、型にはまりがちで「歌ってしまう」という印象が付くことが多くて、ボーカルの先生からも「真面目になりすぎないで」とよく言われていたんです。でもIS:SUEとしていろんな曲と出会うにつれて、もっと遊んでいいんだって思えるようになって。そこで私が今まで練習で培ってきた、自分の声の理解度も含めて遊べるようになった感じですね。m-floさんの曲も、自分の声を理解してるからこそ遊べる、ラップとボーカルの部分で二面性のある表現ができてるんじゃないかなと思います。

—「Starstruck」は、〈夢じゃない夢を見るの〉〈I wanna be the one〉という歌詞があるように、「憧れ」といったモチーフがある曲だと思いますが、みなさんはどんな印象を持っていますか?

NANO:聴いたときに、IS:SUE史上一番可愛い曲だなと純粋に思いました。曲のコンセプトとしては、誰もが憧れるような唯一無二の存在になりたいっていう主人公の願いを歌ったような曲なんですけど、見方を変えるとラブソングにも捉えられるフレーズが入っていたり、いろんな方に自分なりの解釈で聴いていただけたら嬉しいなと思います。

YUUKI:私も、今までで一番異色な曲だなって印象を受けました。割合で言ったら韓国語は少ないんですけど、効果的に使われていて。デモの段階では韓国語だったんですが、そこから「보고싶어」とか「갖고싶어」とか、音に当てはまる単語だけが残されてるので、そこにも注目して聴いていただけたらなって思います。声も、シングルのなかでは「SHINING」とは全然違う声色をつくってRECに臨みました。新しい魅力が詰まった曲なので、楽しみにしていただけたらなって思います。

ⒸUNIVERSAL SIGMA / LAPONE GIRLS

自分を好きになる瞬間

—3rdシングルのPre-Release楽曲として2月にリリースされた「Love MySelf」はRINOさんが作詞に参加されていますよね。もともと作詞に興味があったんですか?

RINO:ありましたし、してました。〈流れてくる Timeline〉から〈閉じた Heart〉までに私のアイデアが反映されてるんですけど、また機会があれば作詞に携わっていきたいです。

—楽しみにしてます。ちなみに3人はどんなときに「自分のこと好きかも」って感じますか?

一同:(しばらく考える)

YUUKI:私は、ステージで撮影をしたり、自分がやったことを後からモニターして振り返ったりしたときに、まだ知らなかった自分を発見したときです。自分のなかの新しい表情や新しい体の使い方を発見して、伸びしろがあると感じられたときに、自分を好きだなって思えるかもしれないです。「可能性は無限だ!」って思えて、自分に対してポジティブな気持ちになります。

NANO:私は……考えてたんですけど、なんだろう。初めて考えることかもしれない。たまに、自分が何も考えずに発した素の言葉で、周りの人が笑ってくださるときがあって、そういうときにそれは自分の才能だなって思うし、空気を明るくできたときに自分のことが好きになるかもしれないです。

—素敵ですね。リーダーっぽい。

RINO:私は、自分が超えられなさそうな試練や壁に立ち向かっていったとき。最初は不安で「無理かも」って思ってても、一線を越えると「よく私の前に現れてきたね、おもしろいじゃん」って思えてきて。その難しい試練すら楽しめるようになる瞬間が、新しい自分だなって思えて、面白いなって思います。マイナスに行かずにプラスとして捉えられるようになる瞬間が、自分に対してすごいねって思えるところかなって思ってます。

—これまで活動してきて、「メンバーのここが素敵だな」と感じるポイントがあれば教えていただけますか?

YUUKI:まずNANOさんは、言うべきことをちゃんと言えるところ。何事にも主体性があるところがすごいです。私は今まで、もっとこう言うべきだろうな、こうするべきだろうなって思うことでも、誰かがやってくれるだろうと人任せにしていたところがあって、NANOさんのそういう姿を見てリスペクトしています。RINOちゃんは、私が考えていることよりさらに深く先を考えているなって感じます。発した言葉の真意を聞いてみたら、そんなところまで考えていたんだ、って思うことがあって、だからこそさりげない気遣いができたり、日常生活でもステージ上でも誰かが困っていたら助けてくれるので、そういうところがすごくかっこいいなと思います。

NANO:まずRINO。以前BoAさんの「メリクリ」をカバーさせていただいたときに、私の声の調子が悪かったことがあったんですけど、「自分のパートは歌わなきゃいけない」という責任感と、「この状態で歌ったら絶対に音を外してしまう」って葛藤のなかで曲がスタートして。あらかじめRINOにも「今日はもしかしたら歌えなくてお願いするかも」って伝えていたんですけど、結局どうするか定まっていない状態だったときに、とっさの判断で私のことをフォローしてくれたんです。すごいのが、全部を歌うんじゃなくて、私のその日の声のコンディションを見ながら、私を主旋として厳しいところだけ支えて歌ってくれたところ。そういう歌唱面での適応能力や判断力に尊敬するし、いつも支えられてます。YUUKIにはダンス面で支えられていて、私のなかでは表現力ってワンパターン化してきてしまうところがあって、そこを崩すのが難しいなっていつも葛藤しながら作品づくりに挑んでるんですけど、YUUKIは毎回、1曲のなかでもいろんなパターンを生み出していくんです。この歌番組ではこういう見せ方で、とか、このステージではこの見せ方でっていうのを一番実践してるのがYUUKIだなって感じますし、そういったダンスパフォーマンス面での見せ方で尊敬しています。

RINO:NANOちゃんは、切り替えがうまいです。やるべきときはちゃんとやるし、オフになるときはちゃんとオフになるっていうオンオフのつけ方が上手だなって思います。それはリーダーとして、私たちをまとめるポジションにいるからなのか、NANOちゃんが本来持ってる性格なのかは分からないけど。でもIS:SUEのリーダーとしているときのNANOちゃんと、ただ3人でいるときのNANOちゃんが違って、ステージ上や共演者さんとすれ違うときもIS:SUEのNANOちゃんでいてくれる。そういった部分でも心強いなって思います。YUUKIちゃんは、ボキャブラリーがあるからこそ、言葉が少なくても的確に伝えてくれる。私は物事を説明するときに、1から100まで伝えないと理解してもらえないと思って、全部話したくなるんですけど、YUUKIちゃんは要約するのが上手で、重要な部分だけをピックアップして伝えてくれる。「ここはこう思うんだけど、私はこうしたほうがいいと思うんだよね」って端的に相手に気持ちを伝えるのが得意だなと思います。それは普段から周りを見て気配りしてくれるところにもつながってると思うんですけど、そこが私はYUUKIちゃんの素晴らしいところだなと思っています。

—3人の話を聞いて相互理解が深まってる印象を受けましたが、パフォーマンス面でも、より一体感が増してきている実感はありますか?

YUUKI:IS:SUEとして活動して間もないときは、あまり自分のコンディションがよくなくても、口に出して言えないときがあって。自分のなかで全て解決しようとしちゃうこともあったんですけど、みんなと一緒に過ごすなかで、もっとさらけ出していいんだって思えるようになりました。その日チームとしてのベストを出すためにお互いをサポートできるっていう意味で、相互理解が深まってきたのかなって思います。(ふたりを見て)どうでしょう?

RINO・NANO:そうです!

—6月には2度目のファンコンサート『2025 2ND IS:SUE ASSEMBLE – The Scarlet Anniversary』があります。今回の3rdシングルを掲げて、REBORNとともにどんな道を歩んで行きたいですか?

RINO:2025年初めから思っていたのは、2024年よりもたくさんのREBORNと直接会える機会をつくりたいということです。今まではライブも東京でやることが多くて、地方のファンの方が会いに来てくださることが多かったんですけど、2025年は私たちがいろんなところに行って、東京に来れない方々にも、私たちが会いに行けるようになりたいなって思っています。ファンコンも今回、東京だけでなく大阪でできることにも決まってすごく嬉しいですし、いろんな方に私たちを見てもらえるチャンスでもあると思うので、たくさんのREBORNとの交流を深めていきたいです。

YUUKI:今RINOちゃんが言ってくれたことは、年明けからずっとみんなで喋ってたことで。そのためにツアーもしたいし、いろんなフェスティバルにも出たいって目標が一番大きいです。今回この3rdシングルでまた新たなカラーが4色加わって、私たちが見せられる表現も増えたので、パフォーマンスを通じていろんなことに挑戦していきながら、無限に広がる私たちのカラーを、REBORNはもちろん、いろんな方にお見せしていきたいですし、より多くの人の心にヒットするようなパフォーマンスができるグループになれたらなと思います。

NANO:2人に付け加えるとしたら、デビュー当時から掲げてきたグループの目標でもあるんですけど、「憧れられる存在になる」ということです。グループ全体として憧れられることも大事なんですけど、グループ全体の力をあげるためにも、2025年は個々の魅力をもっと出して磨いていけるような1年にしていけたらな、と思っています。

Edited by Haruka Iwasawa

ⒸUNIVERSAL SIGMA / LAPONE GIRLS

IS:SUE 3RD SINGLE

『EXTREME DIAMOND』

UNIVERSAL SIGMA / LAPONE GIRLS

5月21日発売

1. SHINING

2. NO Game Over

3. Starstruck

4. Love MySelf

https://is-sue.jp/feature/extremediamond

2025 2ND IS:SUE ASSEMBLE - The Scarlet Anniversary

6月11日(水)東京・東京国際フォーラム ホールA

開場17:30 / 開演18:30

6月19日(木)大阪・フェスティバルホール

開場17:30 / 開演18:30

https://is-sue.jp/feature/2025_2ndissue_assemble